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接骨院・介護・福祉・医療

接骨院を開業するときに必要なものを解説

接骨院を開業する場合は、あらゆるものが必要です。「接骨院の規模」「施術の内容」など、接骨院の希望条件によって必要なものが異なるため、想定している接骨院の条件と照らし合わせながら必要なものを把握しなければなりません。

当記事では、接骨院の開業に必要なものを項目ごとに解説します。項目ごとに必要なものを確認することにより、想定している接骨院に必要なものを把握できる可能性があるため、接骨院を開業予定の人は項目ごとに必要なものを確認することから始めてみましょう。

接骨院に必要なものは多岐にわたる

接骨院を開業する場合、必要なものは多岐にわたります。計画的に必要なものを揃えていかなければ、接骨院を予定通り開業できないおそれもあるため、接骨院を開業したい人は必要なものを確認してみましょう。

 【接骨院の開業に必要なものの例】

項目 具体例
免許 柔道整復師免許
資金 物件取得費、内装工事費、備品費など
物件 テナント、マンションの一室、自宅の一部など
設備 低周波治療器、超音波治療器、エアコンなど
備品 施術台、テーピング、診察券など
届出 開設届、開業届、事業開始等申告書など

接骨院を開業する場合はあらゆるものが必要ですが、接骨院の条件次第となるものもあります。想定している接骨院の条件と照らし合わせながら開業準備を進めることになるため、接骨院を開業したい人はまずは項目ごとに必要なものを押さえておきましょう。

免許

接骨院を開業するときは免許が必要です。接骨院を開業する場合は「柔道整復師」の免許が必須となるため、接骨院を開業したい人は柔道整復師免許の概要を確認してみましょう。

【柔道整復師免許の概要】

項目 概要
取得方法 柔道整復師養成施設として認定されている学校を卒業し、「柔道整復師国家試験」に合格すること。
業務内容 「症状の評価」「整復」「リハビリテーション」「指導管理」などを行う。「骨折」「脱臼」「打撲」「捻挫」といった急性の外傷は保険適用での施術が可能となる。

接骨院の開業は柔道整復師免許の取得者のみに認められています。柔道整復師の業務は「症状の評価」「整復」「リハビリテーション」といった内容ですが、医師が行う外科手術や投薬による治療とは異なり、手技や包帯、テーピングを使用して症状の回復を図ります。

柔道整復師が対応する症状は「骨折」「脱臼」「打撲」「捻挫」といった急性の外傷と定められています。中には、施術に医師の同意が必要となる症状もありますが、これらの症状に対して柔道整復師が施術する場合は保険が適用されます。

なお、接骨院の条件によっては「防火管理者」の資格が必要です。接骨院を開業する建物が消防法の規定に該当する場合は防火管理者の資格が必要となるため、接骨院を開業したい人は念頭に置いておきましょう。

接骨院の開業における免許と資格の情報が知りたい人は「接骨院の開業に必要な免許や資格を解説」を参考にしてみてください。

原則として施術管理者の要件を満たす必要がある

接骨院を開業する場合、原則として施術管理者の要件を満たす必要があります。接骨院の療養費の一部を患者に代わって保険組合に請求する「受領委任」を行う場合は施術管理者が必要となるため、施術管理者の要件を押さえておきましょう。

【施術管理者の要件】

項目 概要
実務経験 2024年4月以降に届出する場合は3年間の実務経験が必要
研修受講 連続した2日間で計16時間の研修を受ける

施術管理者の要件のひとつは実務経験です。20243月までに届出する場合は2年間の実務経験でしたが、20244月以降に届出する場合は3年間の実務経験を積んだあとに「実務経験期間証明書」の交付を受けることにより、実務経験要件を満たせます。

また、もうひとつの施術管理者の要件は研修受講です。公益財団法人柔道整復研修試験財団が実施する「施設管理者研修」を受講したあとに「施術管理者研修修了証」の交付を受けることにより、研修受講要件を満たせます。

なお、受領委任を行う場合は開業地を管轄する地方厚生局に届出が必要です。地方厚生局への届出の際に実務経験期間証明書と施術管理者研修修了証を添付することになるため、受領委任の取り扱いを予定している人は施術管理者の要件を確認しておきましょう。

資金

接骨院を開業するときは資金が必要です。接骨院を開業する場合は相応の資金が必要となりますが、開業資金は「設備資金」と「運転資金」に大別できるため、接骨院を開業したい人はそれぞれの内訳を確認してみましょう。

【接骨院における開業資金の例】

項目 内訳 費用
設備資金
  • 物件取得費
  • 内装工事費
  • 設備費
150万円

60万円

290万円

運転資金
  • 物件賃料
  • 広告宣伝費
  • 人件費
130万円

70万円

100万円

開業資金の総額   ― 800万円

設備資金の内訳には、「物件取得費」「内装工事費」「設備費」が挙げられます。「低周波治療器」「ベッド型治療器」」「超音波画像診断装置」などの医療設備の有無によって設備費が異なるため、設備資金は設備費に左右される傾向があります。

運転資金の内訳には、「物件賃料」「広告宣伝費」「人件費」が挙げられます。「チラシ配布の有無」「Web広告の有無」などの活用する広告媒体によって宣伝広告費が異なるため、運転資金は集客方法に左右される傾向があります。

なお、開業資金の調達方法には「自己資金」と「借り入れ」の選択肢が挙げられます。開業資金を工面する場合は自己資金と借り入れの両面から検討することになるため、接骨院を開業したい人は念頭に置いておきましょう。

接骨院の開業資金の情報が知りたい人は「接骨院の開業資金はいくら?目安を算出するためのポイントを解説」を参考にしてみてください。

運転資金を工面するときは半年分から1年分を目安にする

運転資金を工面するときは半年分から1年分を目安に検討してみてください。運転資金は開業後に事業を続けていくための費用となりますが、「固定費」と「変動費」に大別できるため、接骨院を開業したい人はそれぞれの目安を押さえておきましょう。

【固定費と変動費の例】

項目 内訳
固定費
  • 物件賃料
  • 人件費
  • 通信費
  • リース代
変動費
  • 宣伝広告費
  • 消耗品費
  • 水道光熱費

固定費は売上に関係なく、一定期間に一定額が必要となる費用です。「物件賃料」「人件費」「通信費」などの費用は、月々の費用が確定しているため、固定費は「1か月分の費用×半年から1年分」の計算式から試算することになります。

変動費は売上に応じて増減する費用です。「消耗品費」「宣伝広告費」「水道光熱費」などの費用は開業後の集客状況によって異なるため、変動費は売上目標から1か月分の費用の目安を算出し、「1か月分の費用×半年から1年分」の計算式から試算することになります。

なお、接骨院を開業した場合、保険請求した療養費が入金されるまでに3か月から4か月かかる可能性があります。入金されるまでの間の収入が少なくなることが想定されるため、接骨院を開業予定の人は運転資金を多めに工面しておくことを検討してみましょう。

物件

接骨院を開業するときは物件が必要です。必要となる物件は想定している接骨院次第となりますが、物件の種類はいくつか想定されるため、接骨院を開業したい人はそれぞれの物件の特徴を確認してみましょう。

【物件の種類ごとの特徴】

項目 特徴
テナントを借りる <メリット>

  • 立地を選べる
  • 看板を出せる

<デメリット>

  • 物件取得費が必要となる
  • 固定費が高くなる傾向がある
マンションの一室を借りる <メリット>

  • 立地を選べる
  • テナントと比較した場合は物件取得費を抑えられる傾向がある

<デメリット>

  • 貸主による営業許可の取得が必要な場合がある
  • 看板を出せない場合がある
自宅の一部を利用する <メリット>

  • 物件取得費が不要となる
  • 内装工事が不要の場合がある

<デメリット>

  • 立地を選べない
  • プライバシーの確保が難しい傾向がある

たとえば、物件の種類のひとつは「テナント」です。テナントの場合、物件取得費や月々の賃料などの費用が必要となる点がデメリットですが、ターゲットとなる顧客層に合わせた立地を選べるため、集客しやすい点がメリットとして挙げられます。

また、物件の種類のひとつは「マンションの一室」です。マンションの一室の場合、物件によっては「貸主による営業許可が必要」「看板を出せない」などの場合がある点がデメリットですが、テナントと比較した場合、費用が抑えられる点がメリットとして挙げられます。

なお、物件を取得するときは商圏分析をする方法もあります。「競合店の有無」「人口比率」など、地域特性や市場規模を把握することにより、接骨院の事業戦略と合致しているかどうかを確認できるため、物件を取得する人は商圏分析をすることも検討してみましょう。

物件を選定するときは構造設備基準に留意する

物件を選定するときは構造設備基準に留意してみてください。接骨院を開業する場合、柔道整復師法や各自治体の要綱により定められた構造設備基準を満たさなければならないため、物件を選定するときは構造設備基準の概要を押さえておきましょう。

【構造設備基準の例】

項目 具体例
施術室面積 6.6㎡以上の専用の施術室を有すること。
外気開放面積 施術室の面積の7分の1以上に相当する部分を外気に開放し得ること。
待合室面積 3.3㎡以上の待合室を有すること。

たとえば、構造設備基準のひとつは「施術室面積」です。面積の規定を守ることに加えて、自治体によっては「2台以上の施術台を設置する場合は患者のプライバシー配慮に努めること」「各室に室名表示をつけること」などの詳細要件が定められている場合もあります。

また、構造設備基準のひとつは「待合室面積」です。面積の規定を守ることに加えて、自治体によっては「玄関や受付は面積に含まれない」「施術室と待合室の区画は固定壁で上下左右完全に仕切られていること」などの詳細要件が定められている自治体もあります。

なお、構造設備基準は自治体ごとに異なる可能性があります。柔道整復師法や各自治体の要綱によって定められている関係上、自治体によって基準が異なる可能性があるため、情報を知りたい人は開業予定地を管轄する保健所に問い合わせることも検討してみましょう。

 設備

接骨院を開業するときは設備が必要です。必要となる設備は多岐にわたりますが、設置に時間や費用のかかる設備もあるため、接骨院を開業したい人は設備の全体像を確認してみましょう。

【接骨院における設備の例】

項目 具体例
医療設備 低周波治療器、温熱治療器など
消毒設備 流し台、滅菌機器など
換気設備 換気扇、窓など
空調設備 エアコン、床暖房など
照明設備 シーリングライト、間接照明など
音響設備 スピーカー、CDプレーヤーなど
給排水設備 給水管、排水管など

たとえば、「医療設備」は接骨院の設備のひとつです。「物療機器」とも呼ばれますが、「低周波治療器」「温熱治療器」「超音波画像診断装置」など、施術に使用する設備になるため、提供したい施術内容に応じて導入する設備を検討することになります。

また、「消毒設備」は接骨院の設備のひとつです。「流し台」「オートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)」「乾熱滅菌器」など、医療機器の消毒に使用する設備になるため、使用する医療機器や接骨院の規模に応じて導入する設備を検討することになります。

なお、設備の中には構造設備基準が定められている設備があります。「換気設備」「消毒設備」などの設備は、構造設備基準を満たさなければならないため、設備を揃えるときは開業予定地を管轄する自治体の構造設備基準を確認してみましょう。

接骨院の開業における設備の情報が知りたい人は「接骨院の開業における設備を揃える流れを解説」を参考にしてみてください。

設備を導入するときは借りる方法も検討する

設備を導入するときは借りる方法も検討してみてください。とくに、医療設備は導入に高額な費用が必要となることも考えられるため、設備を導入する人は借りる方法も選択肢のひとつとして押さえておきましょう。

【設備を借りる方法の例】

項目 特徴
レンタル
  • リースと比較した場合、契約期間が短い
  • リースと比較した場合、費用が割高な傾向がある
リース
  • レンタルと比較した場合、契約期間が長い
  • レンタルと比較した場合、費用が割安な傾向がある

借りる方法のひとつは「レンタル」です。レンタルの場合、リースと比較した場合に費用が割高になる点がデメリットですが、原則として週や月単位での契約となるため、短期間の利用を予定している設備はレンタルを検討する余地があります。

また、もうひとつの借りる方法は「リース」です。リースの場合、原則として年単位での契約となり、途中解約が難しい点がデメリットですが、費用が割安になる傾向があるため、長期間の利用を予定している設備はリースを検討する余地があります。

なお、設備を導入するときは「購入する方法」もあります。設備を購入する場合、借りる方法よりも初期費用がかさむことが考えられるため、設備を導入する人は「使用する期間」「設備の性能」など、希望条件と照らし合わせながら導入方法を決めることも検討してみましょう。

 備品

接骨院を開業するときは備品が必要です。接骨院はあらゆる備品が必要となりますが、使用する場所ごとに分類できるため、接骨院を開業したい人は分類項目ごとに備品を確認してみましょう。

【接骨院における備品の例】

項目 備品
受付 診察券
受付 保険証入れ
受付 スリッパ
施術室 施術台
施術室 患者衣
施術室 半円枕
スタッフルーム 冷蔵庫
スタッフルーム 掃除機
スタッフルーム テーブル
その他 ハンドソープ
その他 傘立て

接骨院の備品には「受付で使用する備品」があります。受付で使用する備品を挙げるときは「診察券」「保険証入れ」「問診票」「ボールペン」「スリッパ」など、患者の来院時や会計時の流れを想像しながら検討することになります。

また、接骨院の備品には、「施術室で使用する備品」があります。施術室で使用する備品は「施術台」「患者衣」「半円枕」「ケアーフェイスマット」「タオル」「テーピング」など、症状ごとに行う施術の流れを想像しながら検討することになります。

なお、備品を分類するときは「その他」の項目を設ける方法もあります。場所ごとの分類が難しい備品も考えられるため、備品を揃えるときはその他の項目を設定して備品を分類することも検討してみましょう。

接骨院の開業における備品の情報が知りたい人は「接骨院の開業における備品を揃える流れを解説」を参考にしてみてください。

備品の個数を決めるときは施術の目標数から考える

備品の個数を決めるときは施術の目標数から考えてみてください。患者ごとに用意が必要となる備品の個数は一日の施術数と比例するため、備品の個数を試算したい人は施術の目標数から検討してみましょう。

【施術目標数ごとの備品のイメージ】

備品 施術数の目標は8/ 施術数の目標は16/
フェイスタオル 16/日×3日~4日分 32/日×3日~4日分
患者衣 8/日×3日~4日分 16/日×3日~4日分
問診票 8/日×3日~4日分 16/日×3日~4日分
半円枕 1 2
胸当て枕 1 2
ケアーフェイスマット 1 2
施術用スツール 1 2

※イメージとなるため、実際の数とは異なります。

たとえば、施術台は1台設置し、1日に8人程度の施術を目標と仮定します。1日に8人の施術を目標とした場合は「8人分の施術に使用する備品×3日から4日分」の個数が必要との試算になります。

また、施術台が2台の場合、1日に16人程度の施術を目標と仮定します。1日に16人の施術を目標とした場合は「16人分の施術に使用する備品×3日から4日分」の個数が必要との試算になります。

なお、使用頻度が分からない備品は少なめに用意しておく方法もあります。「包帯」「テーピング」「消毒液」「洗剤」など、使用頻度は開業後の集客状況次第となるため、備品の個数を決めるときは少なめに用意しておき、開業後に買い足すことも検討してみましょう。

届出

接骨院を開業するときは届出が必要です。必要となる届出は想定している接骨院次第ですが、すべての接骨院が必要となる届出があるため、接骨院を開業したい人はすべての接骨院が必要となる届出を確認してみましょう。

【すべての接骨院が必要となる届出】

届出 提出先
開設届 保健所
開業届 税務署
事業開始等申告書 都道府県税事務所
防火対象物使用開始届出書 消防署

接骨院の開業に必要な届出のひとつは「開設届」です。開設届は接骨院を開設したことを申告する書類となるため、接骨院を開業する場合は開設後10日以内に保健所に開設届を提出しなければなりません。

また、接骨院の開業に必要な届出のひとつ「開業届」です。開業届は所得税を納める関係上、事業を開始したことを申告する書類となるため、接骨院を開業する場合は事業開始日から1か月以内に開業届を税務署に提出しなければなりません。

なお、接骨院の条件によっては今回紹介した届出以外の届出が必要になる場合があります。必要となる届出は接骨院の条件次第となるため、不安な人は開業予定地を管轄する自治体に確認することも検討してみましょう。

接骨院の開業における届出の情報が知りたい人は「接骨院の開業に必要な届出を解説」を参考にしてみてください。

原則として受領委任に関する届出も必要となる

接骨院を開業する場合、原則として受領委任に関する届出も必要となります。受領委任を取り扱う場合は届出が必要となるため、接骨院を開業したい人は受領委任に関する届出も押さえておきましょう。

【受領委任に関する届出】

届出 提出先
柔道整復施術療養費の受領委任の取扱いに係る申し出 地方厚生局
柔道整復療養費の受領委任の取扱いに係る申出書 防衛省
柔道整復療養費の受領委任の取扱いに係る申出書 地方公務員共済組合協議会

受領委任を行う場合は「柔道整復施術療養費の受領委任の取扱いに係る申し出」の提出が必要です。地方厚生局に書類を提出することにより、「健康保険組合」「国民健康保険」「船員保険」などの保険請求をする際に必要な契約記号番号を取得できます。

また、地方厚生局から付与される契約記号番号では対応できない保険者は個別に届出が必要です。「防衛省」「地方公務員共済組合協議会」などの保険者は個別に届出が必要となるため、各保険者に書類を提出し、保険請求する際に必要な番号を取得することになります。

なお、提出期限や番号の付与日は保険者によって異なります。受領委任の取り扱いを開始する前に番号を取得することになるため、受領委任を行う場合は各保険者に届出の規定を確認することも検討してみましょう。

必要なものを準備するときはチェックリストを作成する

接骨院の開業に必要なものを準備するときはチェックリストを作成してみましょう。接骨院の開業には、あらゆるものが必要となるため、チェックリストを作成することにより計画的に開業準備を進められる可能性があります。

【接骨院の開業に必要なもののチェックリストの例】

項目 チェックの内容 チェックの有無 備考
免許
  • 施術管理者の要件は満たしているか?
  • 防火管理者の選任は必要か?
   
資金
  • 開業資金の総額は?
  • 資金調達の方法は?
   
物件
  • 物件の種類は?
  • 構造設備基準に適合しているか?
   
設備
  • 導入する設備は?
  • 導入する方法は?
   
備品
  • 必要となる備品は?
  • 必要となる個数は?
   
届出
  • 提出する届出は?
  • 届出の提出先は?
   

チェックリストを作成するときは、いくつかの項目に分類することも方法のひとつです。「免許」「資金」「物件」「設備」「備品」「届出」など、項目ごとにチェック内容を設定することにより、開業準備の抜け漏れを防げる可能性があります。

チェックリストを作成するときは、備考欄を作ることも方法のひとつです。「優先順位」「対応日」など、関連する情報を書き残しておくことにより、各項目の進捗状況を把握しやすくなる可能性があります。

なお、チェックリストの作成方法に決まりはありません。今回紹介したチェックリストはあくまでも一例となるため、接骨院を開業予定の人は想定している接骨院に応じた項目を設定することにより、独自のチェックリストを作成することも検討してみましょう。

事業計画書を作成することも考える

チェックリストを作成した人は事業計画書を作成することも考えてみてください。事業計画書を作成することにより、接骨院の開業に必要なものを把握できる可能性があるため、接骨院を開業予定の人は事業計画書を作成することも検討してみましょう。

【接骨院の開業における事業計画書の例】

項目 具体例
開業目的
  • 開業の目的は?
  • 開業の動機は?
事業実績
  • 柔道整復師としての勤務歴は?
  • 接骨院の経営経験は?
施術内容
  • 店舗のコンセプトは?
  • 保険診療と自費診療の割合は?
ターゲット層
  • ターゲットの年齢層は?
  • ターゲットの性別は?
市場分析
  • 競合店のコンセプトは?
  • 開業予定地の人口比率は?
従業員数
  • 柔道整復師の数は?
  • パート従業員の数は?
資金計画
  • 自己資金の額は?
  • 借り入れの額は?
事業の見通し
  • 開業後の売上は?
  • 開業後の経費は?

事業計画書の項目には、「施術内容」が挙げられます。施術内容を決定するときは「接骨院のコンセプト」「強みとなる施術」「施術の価格」などの内容を検討することになるため、これらの内容から開業に必要な設備や備品を把握できる可能性があります。

また、事業計画書の項目には、「資金計画」が挙げられます。資金計画を決定するときは「自己資金の額」「借り入れの額」「売上の目標額」などの内容を検討することになるため、これらの内容から開業に必要な資金を把握できる可能性があります。

なお、金融機関から融資を受ける場合は事業計画書が必要です。第三者に事業内容を共有する資料として活用できる関係上、金融機関に事業計画書を提出することになるため、接骨院を開業予定の人は開業準備のひとつとして事業計画書を作成することも考えてみましょう。

まとめ

接骨院を開業する場合、必要なものは多岐にわたります。計画的に必要なものを揃えていかなければ、接骨院を計画通りに開業できないことも考えられるため、接骨院を開業したい人は必要なものを項目ごとに押さえておきましょう。

接骨院の開業に必要なものには、「免許」「資金」「物件」「設備」「備品」「届出」の項目が挙げられます。実際に必要なものは接骨院の条件次第となるため、「接骨院の規模」「対応する症状」など、想定している接骨院の条件に応じて必要なものを確認してみてください。

接骨院に必要なものを揃えるときはチェックリストを作成する方法があります。チェックリストを作成することにより、計画的に開業準備を進められる可能性があるため、必要なものを揃えるときは独自のチェックリストを作成することも考えてみましょう。

この記事の監修者

田原 広一(たはら こういち)

株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者

田原 広一(たはら こういち)

平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。

【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)

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