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開業する際に知っておきたい集客方法を解説
飲食店や美容室など、新たに事業を始めたい人の中には、どんな集客方法があるのかを知りたい人もいますよね。集客方法はオンラインとオフラインに分けられ、自身の商品やサービスなどに合わせて選ぶ必要があります。
集客するコツを押さえておかないと、集客にかかる費用や時間を無駄にしてしまうおそれがあるため、注意が必要です。当記事では、開業する際に知っておきたい集客方法を解説していきます。
集客方法はオンラインとオフラインに分けられる
集客方法は、オンラインとオフラインに分けられます。集客方法にはいくつかありますが、今回は一例としてオンラインとオフラインに分けて紹介するため、集客方法を検討している人はそれぞれの項目を参考にしてみてください。
オンラインやオフラインなどの集客方法の中から、自身の商品やサービスなどに合わせて選ぶ必要があります。提供する商品やサービスなどに合う集客ができれば、売上につながる可能性があります。
誰にでも効果が出る集客方法を一概に言うことはできません。オンラインとオフラインの集客方法にはそれぞれ特徴があるため、集客方法を検討している人は自身の状況に合わせたものを選択しましょう。
オンラインの方法
集客方法の中には、オンラインで行うものがいくつかあります。オンラインの集客方法は、インターネットを利用して行う集客を指すため、集客方法を検討している人はそれぞれの項目を確認してみてください。
【オンラインの集客方法の一例】
集客方法 | 概要 |
---|---|
ホームページ | 「会社概要」「商品やサービスの紹介」「利用方法」などのページを活用した集客方法 |
SNS | ソーシャルネットワーキングサービスを略したものであり、インターネット上で、個人同士が繋がれるような場所を提供しているサービスを活用した集客方法 |
Web広告 | Web上のメディアに掲載される広告を活用した集客方法 |
ポータルサイト | さまざまな情報やコンテンツの入り口となるWebサイトを活用した集客方法 |
プレスリリース | 企業や組織が発表する公式文書を活用した集客方法 |
これらはあくまでも一例です。他にもオンラインの集客方法はありますが、これから開業予定の人は、まずは紹介する集客方法を確認してみましょう。
ホームページ
オンラインの集客方法として、「ホームページ」を活用する手段があります。ホームページでは、「会社概要」「商品やサービスの紹介」「利用方法」などの情報を掲載することにより、問い合わせや予約などにつながる場合があります。
ホームページを制作する目的としては「会社案内」「人材募集」「認知拡大」などがあります。ホームページを活用して集客するには、ホームページのデザインやコンテンツなどによって集客効果に差が出る場合があるため、集客を目的としたページ構成が必要となります。
ただし、ホームページを制作するだけで集客はできず、ホームページへのアクセスを増やす必要があります。GoogleやYahoo!などの検索エンジンで検索されたときに、ホームページが上位表示されるような施策が必要になることを留意しておきましょう。
SNS
オンラインの集客方法として、「SNS」を活用する手段があります。「Facebook」「Instagram」「Twitter」「TikTok」「LINE」などのSNSは、原則として無料で利用できます。
SNSを活用して集客するには、フォロワー(ファン)を獲得する必要があります。フォロワーが増えると、継続して商品を購入してもらえたり、サービスを利用してもらえたりする可能性があります。
ただし、フォロワーを獲得するまでに時間がかかることがあります。フォロワーを獲得するために、SNSの利用を検討している人は開業前から情報や写真などを発信することを検討してみてください。
Web広告
オンラインの集客方法として、「Web広告」を活用する手段があります。Web広告には、「Google広告やYahoo!広告のリスティング広告」「Instagram広告やLINE広告のSNS広告」などがあります。
Web広告は「検索キーワード」「年齢」「性別」などの特定の人に対して、広告を配信することができます。Web広告は配信結果が数値として可視化されるため、効果測定がしやすい傾向があります。
ただし、Web広告に関する専門知識がないと、広告を出しても効果が出ない場合があります。Web広告を専門的に取り扱っている代理店もあるため、Web広告を利用したい人はWeb広告の代理店に依頼することを検討してみてください。
ポータルサイト
オンラインの集客方法として、「ポータルサイト」を活用する手段があります。ポータルサイトには、「住所」「電話番号」「メニュー」などの情報を記載できるため、ホームページ代わりに活用できる場合があります。
ポータルサイトに登録することにより、特定のエリアで商品やサービスを探している人に向けて情報を発信することができます。とくに「飲食店」「美容室」「整体院」など、店舗系ビジネスの場合、ポータルサイトを通じて予約を獲得できる可能性があります。
ただし、ポータルサイトに登録したからといって、集客ができるわけではありません。競合他社も登録している場合があるため、その中から選ばれるように掲載する情報には工夫が必要になることを留意しておきましょう。
プレスリリース
オンラインの集客方法として、「プレスリリース」を活用する手段があります。プレスリリースでは、「新商品の発売や新サービスの提供」「キャンペーンの実施」「イベントの告知」「調査報告」などの情報を発信します。
プレスリリースには、「自ら発信する場合」と「プレスリリース会社を利用する場合」があります。発信した情報がニュースサイトや新聞などに取り上げられると、ホームページへのアクセスや問い合わせにつながる場合があります。
ただし、プレスリリースを発信してもメディアに取り上げられるとは限りません。プレスリリース会社によっては、プレスリリースの書き方や活用方法を支援している場合があるため、プレスリリースに興味がある人はプレスリリース会社の利用を検討してみてください。
オフラインの方法
集客方法の中には、オフラインで行うものがいくつかあります。オフラインの集客方法は、インターネットを利用しない手段を指すため、集客方法を検討している人はそれぞれの項目を確認してみてください。
【オフラインの集客方法の一例】
集客方法 | 概要 |
---|---|
ポスティング | 「チラシ」「手紙」「ビラ」などを直接ポストに投函する集客方法 |
新聞折込 | 各家庭に配達される新聞の中に折り込まれている紙媒体の広告を活用した集客方法 |
地域情報誌 | タウン誌やタウン情報誌とも呼ばれ、特定の地域に対象を絞った刊行物に広告を掲載する集客方法 |
看板 | 「屋号」「商品やサービス」「うたい文句」などを書いて、人目につく所に掲げておく集客方法 |
紹介 | 既存顧客から知り合いの人を紹介してもらう集客方法 |
なお、これらはあくまでも一例です。オフラインの集客方法の中には、地域密着型の事業を行う場合に効果が出る傾向があるため、飲食店や小売店などの地域密着型ビジネスを開業予定の人は参考にしてみてください。
ポスティング
オフラインの集客方法として、「ポスティング」を活用する手段があります。チラシや手紙などを直接ポストに投函する方法であり、紙媒体による宣伝のひとつです。
ポスティングは商品やサービスの利用を検討していない潜在顧客に対して、直接的なアプローチを行うことができます。配布するエリアを限定できるため、同じエリアに複数回にわたり行うと効果的な場合があります。
ポスティングはチラシを一軒ずつ配布することから時間と手間がかかるため、業者を利用する場合があります。「業者」「地域」「枚数」「サイズ」などによって必要な費用が異なるため、ポスティングの利用を検討している人はその点を踏まえておきましょう。
新聞折込
オフラインの集客方法として、「新聞折込」を活用する手段があります。新聞を購読している人に向けてチラシを配布する方法であり、紙媒体による宣伝のひとつです。
チラシの配布日を指定できるため、「店舗のオープン日」「キャンペーンやセールの直前」などに折込チラシを配布することにより、来店や問い合わせにつながる可能性があります。
ただし、新聞折込では年齢や性別などを指定して配布することはできません。新聞を定期購読している人に限られるため、自身の商品やサービスによっては効果が出にくい可能性があることを留意しておきましょう。
地域情報誌
オフラインの集客方法として、「地域情報誌」を活用する手段があります。特定の地域に対象を絞った刊行物に広告を掲載する方法であり、紙媒体の宣伝のひとつです。
地域情報誌は、特定の地域に特化した内容となるため、地域密着型のビジネスモデルの場合に効果が出やすい傾向があります。情報誌の種類によって読者層が異なるため、商品やサービスと読者層が合うかどうかを確認して掲載する必要があります。
地域情報誌や掲載枠などによって、費用が異なります。地域情報誌への掲載に興味がある人は、地域情報誌の発行元に問い合わせてみてください。
看板
オフラインの集客方法として、「看板」を活用する手段があります。看板には、「壁面看板」「自立看板」「袖看板」などの種類があります。
看板を設置することにより、通りすがりの人に自身の商品やサービスをアピールすることができます。看板の種類や設置場所によって、記載する内容を変更することにより、効果的な集客につながる場合があります。
ただし、看板を設置するための許可が必要な場合があります。景観の保護を目的として条例を定めている自治体もあるため、看板を設置したい人は事前に自治体の担当者に問い合わせるようにしてみてください。
紹介
オフラインの集客方法として、「紹介」を活用する手段があります。既存顧客や知人など、関係性のある人から紹介してもらうため、前向きに商品やサービスの利用を検討してもらえる傾向があります。
紹介する人にメリットがないと、紹介にはつながらないことがあります。そのため、紹介してくれた人には割引券を配るといった紹介制度を導入することにより、紹介してもらえる場合があります。
紹介してもらうには、既存顧客と信頼関係を構築する必要があります。関係を構築できていない開業当初は、紹介をしてもらいづらい傾向があることを留意しておきましょう。
開業時に集客するためのコツ
開業時に集客するには、いくつかのコツがあります。コツを押さえておかないと、集客にかかる費用や時間を無駄にしてしまうおそれがあるため、集客方法を検討している人はその点も踏まえておきましょう。
【開業時に集客するためのコツ】
- ターゲットを設定する
- 競合他社を調査する
- 市場を調査する
なお、これらはあくまでも一例です。これから開業予定の人は、あくまでも参考としてそれぞれの項目を確認してみてください。
ターゲットを設定する
開業時に集客するには、ターゲットを設定しましょう。どんな人に商品やサービスを利用してほしいのかを考えることにより、集客方法が明確になる場合があるからです。
ターゲットとして「年齢」「性別」「職業」「ライフスタイル」などの属性を設定します。設定するターゲットによって、抱えている悩みや知りたい情報などが異なるため、集客方法だけでなく、訴求内容も異なる場合があります。
ターゲットの設定次第では、効果的な集客ができないおそれがあります。ターゲットが決まると、そのターゲットに対してどのようにアプローチしていくかを考えるため、集客方法を考える際にはまずターゲットを設定することから始めてみましょう。
競合他社を調査する
開業時に集客するには、競合他社を調査しましょう。競合他社の強み、弱み、集客方法などを調査することにより、集客方法を選択しやすくなる傾向があるからです。
競合他社のホームページや口コミなどを確認することにより、「商品やサービスの特徴」「販売戦略」などを調査することにより、自身の商品やサービスの強みや弱みなども明確になり、競合他社との差別化につながる場合があります。
なお、競合他社を調査することにより、自身の商品やサービスや販売戦略などの見直しが必要になることがあります。見直しを行うと、想定していた開業時期がずれてしまうおそれがあるため、競合他社の調査をする際にはその点を踏まえておきましょう。
市場を調査する
開業時に集客するには、市場を調査しましょう。「市場の動向」「顧客ニーズ」「消費行動」などを調査することにより、想定している集客方法が効果的であるかを確かめられる場合があるからです。
市場調査としては「開業予定地の周辺でアンケート調査を行う」「インターネットやSNSでアンケート調査を行う」「質問票を郵送してアンケート調査を行う」などの方法がありますが、市場の動向や顧客ニーズなどは変化するため、定期的に調査を行う必要があります。
市場調査には時間と手間がかかる傾向があります。独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営するJ-Net21の公式サイトでは「市場調査データ」を業種別で公開しているため、自分で市場調査を検討している人は参考にしてみてください。
状況次第で検討してみること
状況次第で検討してみることもいくつかあります。開業後の集客に悩んだ際にも活かせる場合があるため、これから事業を始める予定の人はそれぞれの項目を参考にしてみてください。
【状況次第で検討してみること】
- 複数の集客方法の掛け合わせを検討する
- Googleビジネスプロフィールの活用を検討する
- リピーター戦略を検討する
これらはあくまでも一例です。これから事業を始める予定の人は、自身の状況を活かした集客方法を検討してみましょう。
複数の集客方法の掛け合わせを検討する
広告宣伝費を準備している場合、オンラインやオフラインなど集客方法を複数掛け合わせることを検討してみましょう。特定の方法にこだわらず、オンラインとオフラインを組み合わせることにより、集客効果を高められる可能性があるからです。
とくに、開業当初は集客方法を実施してみないと、効果が出るか分からない場合があります。どれかひとつの方法に限定するのではなく、いろいろな集客方法を試すことにより、商品やサービスを効果的に知ってもらえる可能性があります。
ただし、集客方法を増やせば増やすほど、管理コストがかかる傾向があります。集客ができていても、管理コストが増えることにより、本業に影響を与えるおそれがあるため、複数の集客方法を試す場合は留意しておきましょう。
Googleビジネスプロフィールの活用を検討する
地域密着型ビジネスの場合、Googleビジネスプロフィールの活用を検討してみましょう。Googleビジネスプロフィールとして「所在地」「営業時間」「商品」「写真」などの情報を掲載することにより、集客につながる場合があるからです。
近隣地域で商品やサービスを探している人に対して、自身が提供している商品やサービスをアピールすることができます。ユーザーは口コミを投稿することができるため、口コミを参考にして来店につながる可能性もあります。
ただし、ネガティブな口コミが書き込まれるおそれがあります。ネガティブな口コミが増えると、集客に影響を与える場合があるため、Googleビジネスプロフィールの利用を検討している人は注意が必要です。
リピーター戦略を検討する
定期的に利用してもらえる可能性がある商品やサービスを提供する場合、リピーター戦略を検討してみましょう。リピーターが増えることにより、費用をかけずに安定した売上につながる場合があるからです。
【リピーター戦略の一例】
- クーポンを配布する
- 定期的にメッセージを送る
- ポイントカードを導入する
これらはあくまでも一例です。リピーターを獲得するには、お客さんを満足させる商品やサービスを提供しなければならないため、商品やサービスの改善に取り組む必要があることもあります。
なお、リピーターが増えることにより、お客さんを紹介してもらえる場合があります。リピーターによるSNSでの情報発信も期待できるため、費用を抑えて集客したい人は、リピーター戦略を検討してみてください。
集客に不安がある人はフランチャイズへの加盟を検討してみる
集客に不安がある人は、フランチャイズへの加盟を検討してみましょう。加盟するフランチャイズによっては、集客支援を行っているからです。
フランチャイズに加盟すると、ブランドイメージを守るためにマニュアルに沿った運営をする必要がありますが、集客に関して独自のノウハウを持っている場合があります。実績に基づいた集客支援を受けることにより、効果的な集客ができる可能性があります。
また、テレビCMや新聞広告などを行っているフランチャイズもあるため、知名度があるフランチャイズに加盟することにより、費用をかけることなく、開業当初から集客できる可能性があります。
ただし、フランチャイズに加盟するには、加盟金やロイヤルティが必要になる場合があります。毎月のロイヤルティの支払いにより経営状況が悪化する場合があるため、フランチャイズに加盟予定の人は事前に契約内容を確認しておくようにしましょう。
まとめ
集客方法は、オンラインとオフラインに分けられます。オンラインの集客方法としては「ホームページ」「SNS」などがあり、オフラインの集客方法としては「ポスティング」「新聞折込」などがあります。
開業時に集客するコツとしては「ターゲットを設定する」「競合他社を調査する」「市場を調査する」があります。コツを押さえておかないと、集客にかかる費用や時間を無駄にしてしまうおそれがあることを留意しておきましょう。
また、状況次第では「複数の集客方法の掛け合わせ」「リピーター戦略」などを検討してみましょう。開業後の集客に悩んだ際にも活かせる場合があるため、集客方法を検討している人は参考にしてみてください。
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この記事の監修者
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
田原 広一(たはら こういち)
平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。
【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)
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