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接骨院の開業に失敗する原因と対策を解説

接骨院が開業した後に、経営が軌道に乗らない場合はいくつかの原因が考えられます。「事業戦略」「市場調査」「財務管理」など、なにかしらの要素が欠けていると、集客や資金繰りに苦戦し、開業が失敗に終わる可能性があります。

 接骨院を開業予定の人は、接骨院の開業に失敗する原因と対策を確認してみてください。開業前に失敗する原因と対策を確認することにより、開業後に失敗するリスクを減らせる可能性があるため、接骨院の開業に失敗したくない人は原因と対策を押さえておきましょう。

 まずは失敗する原因を押さえる

接骨院の開業に失敗したくない人は、まずは開業に失敗する原因を押さえてみましょう。失敗する原因を想定することにより、開業後に失敗してしまうリスクを減らせる可能性があるため、まずは接骨院の開業に失敗する原因を押さえてみましょう。

 【接骨院の開業に失敗する原因】

  • 店舗づくりに課題があった
  • 資金繰りに課題があった

 接骨院の開業に失敗する原因として「店舗づくり」「資金繰り」に課題があったことが挙げられます。個々の状況によって失敗の原因は他にも考えられますが、接骨院の開業に失敗したくない人はまずはそれぞれの課題を確認してみましょう。

 店舗づくりの課題

接骨院の開業に失敗する原因のひとつとして「店舗づくりに課題があったこと」が挙げられます。店舗づくりに課題がある場合、接骨院の開業後に集客が難航するおそれがあるため、接骨院の開業に失敗したくない人は店舗づくりの課題を確認してみましょう。

 【店舗づくりに課題がある例】

課題 具体例
運営方針が定まっていない
  • 店舗のコンセプトや専門分野が定まっていない
  • 施術メニューや施術価格がターゲット層のニーズと合っていない
  • 運営方針がスタッフに伝わっていない
広告宣伝が足りていない
  • ターゲット層に合わせたホームページを作成していない
  • SNSやブログを活用していない
  • 近隣住民へのチラシ配りをしていない
市場調査が足りていない
  • 競合店のコンセプトを調査していない
  • 店舗付近の人通りを調査していない
  • 店舗近隣エリアの人口比率を調査していない

 たとえば、店舗づくりの課題として挙げられるのは「運営方針が定まっていないこと」です。「首こり専門」「骨盤矯正が得意」など、接骨院のコンセプトや専門分野が定まっていない場合はターゲット層に店舗の特徴が伝わらず、集客につながらない可能性があります。

 また、店舗づくりの課題として挙げられるのは「広告宣伝が足りていないこと」です。「ホームページ」「SNS」「ブログ」「チラシ」など、さまざまな媒体からターゲット層への宣伝を試みない場合は店舗の認知度が向上せず、集客につながらない可能性があります。

 なお、「市場調査が足りていないこと」も店舗づくりの課題のひとつです。競合する接骨院や人口比率などの市場調査が足りていない場合は集客が難航し、開業後の失敗につながるおそれがあるため、接骨院の開業に失敗したくない人は市場調査を行うことも検討しましょう。

 資金繰りに課題

接骨院の開業に失敗する原因のひとつとして「資金繰りに課題があったこと」が挙げられます。資金繰りに課題がある場合、接骨院の経営に必要な資金が不足するおそれがあるため、接骨院の開業に失敗したくない人は資金繰りの課題を確認してみましょう。

 【資金繰りに課題がある例】

課題 具体例
運転資金が少ない
  • 経営が軌道に乗るまでの運転資金を用意していない
  • 保険請求した療養費が入金されるまでの運転資金を用意していない
  • 広告宣伝費の比率が売上に対して大きい
固定費が高い
  • 家賃比率が売上に対して大きい
  • 人件費率が売上に対して大きい
  • 経費比率が売上に対して大きい
毎月の収支を把握していない
  • 毎月の支出を把握していない
  • 毎月の売上を把握していない
  • 毎月の利益を把握していない

 たとえば、資金繰りの課題として挙げられるのは「運転資金が少ないこと」です。保険請求した療養金は入金までに3か月から4か月かかるため、療養金の入金を待つ間の運転資金を用意していない場合は資金が不足する可能性があります。

 また、資金繰りの課題として挙げられるのは「固定費が高いこと」です。「家賃」「人件費」「物療機器のリース代」「レセコン費」などの固定費は毎月支払う必要があるため、売上に対して固定費の割合が大きい場合は資金が不足する可能性があります。

 なお、「月々の収支を把握していないこと」も資金繰りの課題のひとつです。毎月の「売上」「支出」「利益」などを把握していない場合は、資金の不足に気づかないおそれがあるため、接骨院の開業に失敗したくない人は月々の収支を把握することも留意しておきましょう。

 原因を押さえた人は失敗しないための対策を考える

接骨院の開業に失敗する原因を押さえた人は、失敗しないための対策を考えてみてください。対策を講じることにより、開業後の失敗を防げる可能性があるため、接骨院の開業に失敗したくない人は失敗しないための対策を検討してみましょう。

 【失敗しないための対策の例】

  • 事業計画書を作成する
  • 相談先を探す

 失敗しないための対策として「事業計画書を作成すること」「相談先を探すこと」が挙げられます。これらの対策を講じることにより、開業後の経営の失敗リスクを減らせる可能性があるため、接骨院の開業に失敗したくない人はそれぞれの項目を確認してみましょう。

 事業計画書を作成する

接骨院の開業に失敗しないための対策のひとつは、事業計画書を作成することです。接骨院の開業前に事業計画書を作成することにより、開業後の失敗を防げる可能性があるため、接骨院を開業したい人は事業計画書を作成することを検討してみましょう。

 【接骨院における事業計画書の例】

項目 具体例
開業目的
  • 開業の目的は?
  • 開業の動機は?
  • 経営理念は?
事業実績
  • 柔道整復師としての勤務歴は?
  • 接骨院の経営経験は?
  • 取得した資格や免許は?
施術内容
  • 店舗のコンセプトは?
  • 保険診療と自費診療の割合は?
  • 導入する物療機器は?
ターゲット層
  • ターゲットの年齢層は?
  • ターゲットの性別は?
  • ターゲットの職業は?
市場分析
  • 競合店のコンセプトは?
  • 競合店のターゲットは?
  • 開業予定地の人口比率は?
販売方法
  • ホームページの有無は?
  • チラシ配布の有無は?
  • 予約システムは?
従業員数
  • 柔道整復師の数は?
  • 正社員の数は?
  • パート従業員の数は?
資金計画
  • 開業資金の総額は?
  • 自己資金の額は?
  • 借り入れの額は?
事業の見通し
  • 開業後の売上は?
  • 開業後の経費は?
  • 開業後の利益は?

 事業計画書を作成するときのポイントは強みを明確にすることです。とくに、施術内容の項目は「得意な施術」「知識のある分野」など、開業者の強みを活かした施術内容を設定することにより、競合する接骨院との差別化を図れる可能性があります。

 事業計画書を作成するときのもうひとつのポイントは実現可能性の高い見通しを立てることです。とくに、事業の見通しの項目は「売上高」「経常利益」など、実現可能性の高い具体的な額を設定することにより、開業後の資金繰りが安定する可能性があります。

 事業計画書を作成することにより、接骨院の事業を客観的に考えることができます。想定している接骨院の課題を発見できる可能性もあるため、接骨院の開業に失敗したくない人は事業計画書を作成することを検討してみましょう。

 相談先を探す

接骨院の開業を失敗しないための対策のひとつは、相談先を探すことです。開業支援の経験を持つ専門家や接骨院に関する団体などに相談することにより、開業後の失敗を防げる可能性があるため、接骨院を開業したい人は相談先を探すことも検討してみましょう。

 【接骨院の開業における相談先の例】

項目 概要
商工会議所 「税理士」「社会保険労務士」「ITコンサルタント」などの専門家に相談できる。「法律」「税務」「金融」などの分野ごとに助言を受けられる。
よろず支援拠点 「中小企業診断士」「行政書士」「ファイナンシャルプランナー」などの専門家に相談できる。チーフコーディネーターを中心とした専門家による支援を受けられる。

 たとえば、「商工会議所」は相談先のひとつです。商工会議所は商工業の改善と発展を目的としている関係上、起業したい人に向けた無料相談窓口を設けているため、接骨院の開業に関する不安や疑問を相談できます。

 また、「よろず支援拠点」は相談先のひとつです。よろず支援拠点は国が設置している関係上、起業前の人も対象となる無料相談窓口を設けているため、接骨院の開業に関する不安や疑問を相談できます。

 なお、各地にある柔道整復師会に相談する方法もあります。柔道整復師会は加入している接骨院の保険請求の代行業務に加え、開業希望者への相談窓口を設けている場合もあるため、接骨院に特化した相談先を探す場合は検討してみましょう。

 まとめ

接骨院の失敗する原因のひとつとして「店舗づくりの課題」「資金繰りの課題」などの経営課題を抱えていたことが挙げられます。接骨院の開業に失敗したくない人は失敗につながる経営課題を押さえておきましょう。

 接骨院の開業に失敗しないための対策のひとつは、事業計画書を作成することです。接骨院の開業前に事業計画書を作成することにより、開業後の失敗を防げる可能性があるため、接骨院を開業したい人は事業計画書を作成することを検討してみましょう。

 接骨院の開業を失敗しないための対策のひとつは、相談先を探すことです。開業支援の経験を持つ専門家や接骨院に関する団体などに相談することにより、開業後の失敗を防げる可能性があるため、接骨院を開業したい人は相談先を探すことも検討してみましょう。

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この記事の監修者

田原 広一(たはら こういち)

株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者

田原 広一(たはら こういち)

平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。

【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)

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