たこ焼き屋の開業資金はいくら必要?資金調達方法も解説 | 開業支援の相談なら「開業支援ガイド」

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たこ焼き屋の開業資金はいくら必要?資金調達方法も解説

たこ焼き屋の開業資金は、店舗やキッチンカーなどの営業形態や、店舗の規模によって異なります。また、フランチャイズに加盟して開業する場合は、ブランド力を活かして集客しやすい点や研修サポートを受けられる特権を利用するための費用が別途必要になります。

当記事では、たこ焼き屋の開業資金や運転資金の目安を「店舗」「自宅」「キッチンカー」で開業する形態に分けてそれぞれ紹介します。また、自己資金以外の資金調達方法も紹介するので、たこ焼き屋の開業資金の相場や資金調達方法を知りたい人は参考にしてみてください。

開業資金は営業形態によって異なる

たこ焼き屋の開業資金は、店舗やキッチンカーなどの「営業形態」によって異なります。たこ焼き屋の営業形態の種類ごとに開業資金の特徴を確認しましょう。

【たこ焼き屋の営業形態と特徴】

営業形態 特徴
店舗
  • テイクアウト専門の店舗
  • テイクアウト+飲食スペースのある店舗
  • 固定の場所にお店を構える
  • 物件取得費、家賃がかかる
  • 移動販売に比べ常連客がつきやすい
自宅
  • 自宅の1フロアやガレージを改装
  • 自宅の駐車場内に屋台やコンテナハウスを設置
  • 物件取得費や家賃がかからない
  • 営業許可を取得するための自宅改装や設備導入が必要
  • 人通りのある立地でなければ集客が見込めない
移動販売
  • キッチンカー
  • 屋台
  • さまざまな場所で営業が可能
  • 家賃がかからない
  • 車両、屋台の購入費が必要
  • 営業する場所ごとに営業許可が必要

たとえば、固定の場所にお店を構える「店舗型」のたこ焼き屋では、移動販売に比べ常連客がつきやすい特徴があります。その他に、固定の場所で開業するため、物件取得費や家賃が発生し、一定の人通りを見込める立地でなければ売上を上げるのが難しいという特徴もあります。

一方で、キッチンカーや屋台などの「移動販売型」のたこ焼き屋では、物件取得費や家賃がかからず、さまざまな場所で営業できる自由度の高さが特徴です。また、移動販売型は、車両や屋台の購入費が必要であり、営業場所ごとに許可を取得する手間があることも特徴です。

たこ焼き屋の開業資金や特徴は、店舗や移動販売などの営業形態によって異なります。それぞれの特徴と資金を比較検討し、出店方法を決めましょう。

店舗の開業資金

たこ焼き屋を店舗で営む場合の開業資金は、目安として230万円から1,000万円ほどを準備しましょう。店舗での開業には物件取得費や内装工事費が必要になり、物件の坪数に比例して金額が上がるため、規模の違う店舗の資金を比較してみましょう。

【開業資金の内訳例】

項目 概要 テイクアウト専門店(5坪) テイクアウト+飲食できる店舗(13坪)
物件取得費 物件の契約に必要な費用 100万円~120万円程度 260万円~312万円程度
内装工事費 お店の内装や施工工事に必要な費用 100万円~200万円程度 260万円~520万円程度
設備備品費 たこ焼きを焼くための道具、厨房設備、什器・備品などの費用 20万円~80万円程度 80万円~120万円程度
広告宣伝費 お店の宣伝や集客のための費用 10万円~30万円程度 10万円~30万円程度
採用費 従業員を雇う場合の求人にかかる費用 0~10万円程度 10万円程度
合計 230万円~440万円 620万円~992万円

たとえば、テイクアウト専門の店舗であれば、5坪程度の小規模な物件でも開業が可能で、しばらくは人を雇わずに営業するのであれば、採用費もおさえられます。そのため、開業資金は主に物件取得費や内装工事費、設備費を中心に、230万円から440万円を目安に準備する必要があります。

一方、飲食もできるお店を開業する場合は、テイクアウト専門店の店舗より広い店舗の物件取得取得費がかかります。また、テーブルや椅子、食器類に加え、従業員の採用費もかかるため、620万円から1,000万円を目安に資金を用意することになります。

たこ焼き屋の店舗を開業するには、営業形態や規模に応じて異なる資金が必要であり、テイクアウトのみの店舗と飲食もできる店舗では開業資金に差が出ます。自分に適した営業形態と予算のバランスを見極めながら開業方法を検討しましょう。

店舗の運転資金

たこ焼き屋を開業する際は、開業資金とあわせて6か月分の運転資金を準備することになります。開業後しばらくの間は売上が安定しないことも想定されるため、思うように売上が上がらない時期でも余裕を持って営業を続けられる資金を確保しておく必要があります。

【運転資金の内訳例】

項目 概要 費用の目安
テイクアウト専門店(5坪)
費用の目安
テイクアウト+飲食できる店舗(13坪)
仕入費 食材や原材料の購入費用。たこ焼きの材料費や調味料などにかかる費用 31万円 45万円
家賃 店舗の賃貸料。立地や坪数に応じて異なる 10万円 26万円
減価償却費 設備や内装などの資産の価値を、年数に応じて計上する費用 3万円 3万円
人件費 パートやアルバイトの給与、社会保険料などの経費 26万円 37万円
水道光熱費 電気、水道、ガスなどの光熱費 3万円 6万円
広告宣伝費 ウェブ広告やグルメサイト掲載など、集客のための広告費用 1万円 1万円
旅費交通費 仕入れや業務に関連する交通費や出張費 2万円 2万円
通信費 インターネットや電話代などの通信費用 2万円 2万円
消耗品費 たこ焼きの包材や清掃用品などの消耗品にかかる費用 5万円 7万円
その他 雑費や予備費など、その他必要となる経費 2万円 4万円
合計 85万 133万円

たとえば、テイクアウト専門の店舗の1ヶ月の売上を105万円と考えた時に、仕入費は約3割の31万円ほどかかります。その他の営業に必要な費用を合わせると、1ヶ月の運転資金は約85万円になるため、半年分の運転資金として約510万円程度が必要であることがわかります。

開業後すぐに収入が安定しない可能性も考慮すると、当月の収入で翌月の仕入を十分に賄えるとは限りません。そのため、開業準備の際には、開業資金が230万円であれば、これに加えて半年分の運転資金510万円を合わせた、合計780万円を準備しておきましょう。

なお、運転資金は家賃や仕入れ先の条件によっても変わってきます。事業計画と照らし合わせながら開業準備を進める過程で運転資金を試算してみてください。

自宅の開業資金

自宅でたこ焼き屋を営む場合の開業資金は、目安として130万円から310万円ほどを準備しましょう。自宅での開業には、物件取得に関する費用はかからないものの、営業許可の基準を満たす内装工事や厨房設備を準備する費用が必要です。

【自宅開業に必要な資金例】

項目 概要 費用
内外装工事費 自宅の一部の改装や施工工事に必要な費用 100万円~200万円程度
道具、設備費 たこ焼きを焼くための道具、厨房設備、什器・備品などの費用 20万円~80万円程度
広告宣伝費 お店の宣伝や集客のためのチラシ作成費やネット広告掲載費など 10万円~30万円程度
合計 130万円~310万円

飲食店営業許可を取得するには、通常の自宅のキッチンでたこ焼きの仕込みや調理を行うことはできません。そのため、お店専用のシンクや冷蔵庫の導入、換気設備の設置などが必要となります。

たこ焼き屋を自宅で営業するには、保健所の設備基準を満たす内外装工事費や厨房設備費が必要であり、目安として130万円から310万円の開業資金を準備することになります。また、お客さんへの周知を広げるために、チラシ作成やウェブ広告などの広告宣伝費も考慮しましょう。

なお、たこ焼き屋の開業に必要な道具や設備にかかる費用の詳細は「たこ焼き屋の開業に必要な道具の種類と費用を解説」の記事も参考にしてみてください。

自宅の運転資金

自宅でたこ焼き屋を営業するための1ヶ月の運転資金の目安は20万円程度です。また、開業後に売上が安定するまでの間、余裕を持って営業を続けるためには、6か月分の運転資金として120万円程度の運転資金を準備することが必要です。

【運転資金の内訳例】

項目 概要 費用の目安
仕入費 食材や原材料の購入費用。たこ焼きの材料費や調味料などにかかる費用 12万円
減価償却費 設備や内装などの資産の価値を、年数に応じて計上する費用 1万円
水道光熱費 電気、水道、ガスなどの光熱費 1万円
広告宣伝費 ウェブ広告やグルメサイト掲載など、集客のための広告費用 1万円
通信費 インターネットや電話代などの通信費用 1万円
消耗品費 たこ焼きの包材や清掃用品などの消耗品にかかる費用 2万円
その他 雑費や予備費など、その他必要となる経費 2万円
合計 20万円

自宅で営業するのであれば家賃がかからないため、店舗で営業するたこ焼き屋に比べて運転資金を大幅におさえられます。運転資金の内訳は主に仕入費が占めており、その他には集客のための費用や水道光熱費、広告宣伝費が含まれます。

たこ焼き屋を自宅で開業する場合の運転資金は、仕入費とその他の経費を合わせて20万円程になります。その他の雑費や予備費の項目には、キャッシュレス決済の手数料の費用なども加味しておきましょう。

なお、自宅でたこ焼き屋の開業を検討している人は「たこ焼き屋を自宅で開業する際のポイントは?必要な準備も解説」の記事も参考にしてみてください。

キッチンカーの開業資金

キッチンカーでたこ焼き屋を営むための開業資金は、目安として200万円から620万円ほどを準備しましょう。キッチンカーの営業には、まずは車両を購入する必要があり、中古と新車では価格に差が出るため、車両の価格やその他の費用とあわせて確認しましょう。

【開業資金の内訳例】

項目 概要 費用の目安
車両購入費 キッチンカーの購入に必要な費用 160万円~500万円程度
道具、設備費 たこ焼きを焼くための道具、設備・備品、視認性を高めるのぼりや看板などの費用 20万円~80万円程度
宣伝広告費 お店の宣伝や集客のための費用 10万円~30万円程度
その他 駐車場や許認可取得費、保険料など 10万円程度
合計 200万円~620万円

キッチンカーで営業許可を取得する際の条件の1つとして、車内で仕込みを行うためには、200リットル以上の給水排水タンクが設置されていることが必要です。タンクのサイズが200リットル以下の場合、別途料金を支払い仕込み場所を確保する必要があるため、200リットル以上の給水排水タンクを搭載した車両の購入がおすすめです。

たこ焼き屋をキッチンカーで開業する資金の目安は、200万円から620万円です。車両購入費や設備費のほか、視認性を高めるための看板やのぼりなどの広報用品の購入費用も必要です。また、キッチンカーの購入費をおさえるために中古車を検討する際は、走行距離や設備の状態をよく確認しましょう。

なお、移動販売の営業形態にはキッチンカーの他に「屋台」があり、屋台はキッチンカーよりも開業資金を抑えられ、初期費用の目安は50万円から150万円程度です。また、屋台は天候の影響を受けやすい点を考慮し、屋台本体の購入に加え、屋根やカバーなどの設備も準備する必要があります。

キッチンカーの運転資金

キッチンカーでたこ焼き屋を営業するための1ヶ月の運転資金は、目安として45万円程度必要です。開業後に売上が安定するまでの間、余裕を持って営業を続けるためには、6か月分の運転資金として270万円程の運転資金を準備することになります。

【運転資金の内訳例】

項目 概要 費用の目安
仕入費 食材や原材料の購入費用。たこ焼きの材料費や調味料などにかかる費用 18万円
駐車場代 キッチンカーの駐車場にかかる費用 2万円
減価償却費 設備や内装などの資産の価値を、年数に応じて計上する費用 2万円
水道光熱費 電気、水道、ガスなどの光熱費 2万円
広告宣伝費 ウェブ広告やグルメサイト掲載など、集客のための広告費用 1万円
ガソリン代、出店料 キッチンカーの移動にかかるガソリン代や出店先の管轄に支払う出店料 13万円
通信費 インターネットや電話代などの通信費用 2万円
消耗品費 たこ焼きの包材や清掃用品などの消耗品にかかる費用 3万円
その他 雑費や予備費など、その他必要となる経費 2万円
合計 45万円

キッチンカーの出店場所は、オフィス街や公園、イベント会場など多岐にわたり、出店費用は場所によって異なります。定額制の場合は1日3,000円〜数万円程度、歩合制の場合は売上の10%〜15%程度が一般的で、売上の見込める場所ほど出店料も高くなる傾向があります。

たこ焼き屋をキッチンカーで開業した場合、1ヶ月の運転資金の目安は45万円程度です。運転資金の内訳は、仕入費に次いでガソリン代や出店料が大きな割合を占めるため、開業準備の際は燃費の良い車両を選び、開業後は常に出店場所の調査や選定を入念に行いましょう。

なお、屋台の場合はキッチンカーに比べて運転資金をおさえやすく、1ヶ月の運転資金の目安は20万円〜30万円程度です。ガソリン代がかからず、出店料が比較的低く設定されている場合もある一方で、天候の影響を受けやすいため、営業場所の選定や営業時間の工夫が求められます。

キッチンカーでたこ焼き屋の開業を考えている人は「たこ焼き屋をキッチンカーで開業すべき理由と儲けるコツについて解説」の記事も参考にしてみてください。

フランチャイズには加盟料やロイヤリティが発生する

フランチャイズのたこ焼き屋を開業する際には、個人での開業とは異なり、フランチャイズ本部への加盟料やロイヤリティが発生します。加盟先によって費用の項目は多少異なるものの、ブランドの利用権や経営サポートなどの対価として支払う費用が必要となるため、事前に確認しておきましょう。

【フランチャイズ契約にかかる費用例】

項目 A社 B社 C社
加盟金 180万円 150万円 50万円
加盟保証金 50万円 100万円 30万円
研修費・開店準備金 10万円 50万円 10万円/1人
その他 110万円
(機材、食材、販促、運搬費など)
ロイヤリティ 9万円 売上の5% 売上の3.5%

フランチャイズでたこ焼き屋を開業する場合、確立されたブランド力で集客しやすく、研修や経営サポートも受けられます。その際、サポートを受けるには一定の費用がかかるため、目安として通常の店舗やキッチンカーの開業資金に加えて200万円〜300万円が必要になります。

フランチャイズでたこ焼き屋を開業する際は、フランチャイズ本部に支払う加盟料やロイヤリティが発生します。加盟金や保証金が0円のフランチャイズでは、他の項目で同等の金額が発生している箇所の有無や、ロイヤリティが高すぎないかを確認しておきましょう。

自己資金以外の資金調達も必要に応じて検討する

開業資金を準備する際は、必要に応じて自己資金以外の資金調達方法を検討してみましょう。自己資金のみで開業資金を準備するには時間がかかる可能性があるため、融資や補助金を利用しながら自己資金と組み合わせて資金調達を行うことも1つの方法です。

【資金調達方法の例】

資金調達の種類
自己資金 普通預金、定期預金、積立式の保険など
融資 日本政策金融公庫からの融資、地方・都市銀行からの融資、知人からの借入
出資を受ける クラウドファンディング、家族、知人からの出資
補助金・助成金 地方自治体が実施する補助金

資金調達の1つに、日本政策金融公庫の「新規開業資金」があり、創業者が無担保で金利の優遇措置を受けられることが特徴です。申請には要件や審査があるため、事前に概要を確認しておくことが必要です。

また、日本政策金融公庫の「2023年度新規開業実態調査」によると、開業時の資金調達額の平均は1,118万円で、そのうち「金融機関等からの借り入れ」が平均768万円(全体の65.1%)、「自己資金」が平均280万円(同23.8%)を占めています。

融資を受ける際に自己資金の金額に規定はないものの、調査内容を参考にすると、融資を希望する場合は、借入希望額の3割程度の自己資金を用意することが目安と考えられます。そのため、500万円の融資を受けたい場合は、目安として150万円程度の自己資金を用意しておきましょう。

開業資金を準備する際は、自己資金以外にも、借入や出資、補助金などの資金調達方法があります。各方法の概要を確認し、自分に適した資金調達方法を検討してみてください。その際、補助金や助成金は開業後でなければ申請できないものもあるため、開業後の運転資金の確保に利用することも検討してみましょう。

まとめ

たこ焼き屋を開業する際の資金は、店舗やキッチンカー、自宅営業などの営業形態に応じて異なります。また、フランチャイズを利用する場合は、加盟料やロイヤリティが発生するため、通常の開業資金に加えて追加の費用が必要です。

たこ焼き屋の開業資金の目安は、店舗の場合、230万円から1,000万円程度、自宅の場合、130万円から310万円程度、キッチンカーの場合は200万円から620万円程度です。さらに、フランチャイズの場合は、加盟料やサポート費用などで200万円から300万円の費用が必要です。

たこ焼き屋の開業資金は、必要に応じて自己資金以外の融資や補助金などを組み合わせて資金調達することも検討しましょう。その際、日本政策金融公庫や銀行の融資に申請する際は、目安として借入希望額の3割程度の自己資金を準備しておきましょう。

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この記事の監修者

田原 広一(たはら こういち)

株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者

田原 広一(たはら こういち)

平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。

【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)

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