たこ焼き屋をキッチンカーで開業すべき理由と儲けるコツについて解説 | 開業支援の相談なら「開業支援ガイド」

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たこ焼き屋をキッチンカーで開業すべき理由と儲けるコツについて解説

たこ焼き屋を開業するとき、実店舗を構えるかキッチンカーで移動販売をするのかは経営者として判断に迷うところでしょう。キッチンカーなら、店舗を用意する必要がない分、実店舗を構えるよりも低コストで開業することができます。

しかし、キッチンカーでたこ焼き屋を開業して儲けを出すには、たこ焼きの調理の仕方や出店場所など気をつけなければいけないポイントがあります。 この記事では、たこ焼き屋をキッチンカーで開業すべき理由と儲けるコツについて解説します。

キッチンカーなら実店舗よりも費用を抑えてたこ焼き屋を開業できる

キッチンカーなら、実店舗を構えるよりも費用を抑えてたこ焼き屋を開業することができる場合があります。

たとえば、テイクアウト専門のたこ焼き屋を実店舗で開業する場合、保証金や物件取得費、内装工事費などを含めて総額で500万円程度が必要になります。キッチンカーであれば車両の購入と改造費用を含めても300万円程度から開業できる場合があります。

また、たこ焼きは調理に必要な機材がたこ焼き器に限られるため、設備費用を抑えられるのが特徴のひとつです。キッチンカーを改造するときの費用も、複数の設備が必要なメニューと比べて抑えることができます。

初期費用を抑えてたこ焼き屋を開業したいなら、キッチンカーは有効な手段でしょう。

焼き器は火力と材質や穴の数で選ぶ

たこ焼き器は、火力や材質、穴の数などで選ぶようにしましょう。たこ焼き器の機能によって、調理の方法や提供の仕方が変わってくるからです。

たこ焼き器には、ガス式と電気式の2種類があるので、性能と特徴を考慮して導入するタイプを選ぶようにしましょう。

【たこ焼き器の種類】

ガス式 ガス式は細かい火力の調整ができるのが特徴です。高火力で外側をカリっと揚げることも、じっくりふわトロに焼き上げることもできるので、幅の広いたこ焼きを作ることができます。

費用:5~20万円前後

電気式 電気式はガス式に比べて扱いが簡単なのが特徴です。ガス式に比べて失敗するリスクは少なくなりますが、細かい火力調整を苦手としているケースがあり、たこ焼きの焼き具合を微調整するのは難しいでしょう。

費用:20~80万円前後

また、たこ焼き器の素材にも種類があり、代表的なものは銅板と鉄板があります。材質によってたこ焼きづくりの手間が変わってくるため、技量に合った素材を選ぶようにしましょう。

【たこ焼き器の素材】

銅板 銅板は、熱伝導率が高いため、素早く調理をすることができます。そのため、お祭りやイベント会場など回転率が求められる場所に出店するときに向いている素材です。

ただし、たこ焼きをひっくり返すのに技術が必要になったり、頻繁なメンテナンスをしなければいけなかったりします。

費用:5~20万円前後

鉄板 鉄板は、銅板に比べて費用が安く、メンテナンスが不要なので、用意しやすいのが特徴です。

ただし、銅板に比べて熱伝導率が低く、焼き上がりまでに時間がかかるため、住宅街やサービスエリアなどゆとりを持って提供できる場所に出店するときに向いているでしょう。

費用:1~10万円前後

たこ焼き器を選ぶときは、穴の数も考慮しましょう。穴の数と販売する個数が対応していないと半端が出てしまうからです。一般的な8個入りのたこ焼きを提供するときは24穴や32穴がいいでしょう。反対に、6個などボリュームを少なくするなら18穴や24穴が向いています。

提供数や1舟に入れる量を考慮して、たこ焼き器を選ぶようにしてください。

ランニングコストもキッチンカーなら抑えられる

キッチンカーは、ランニングコストも実店舗より抑えることができる場合があります。店舗を構える必要がないため、実店舗ほど毎月の出費が出ない傾向があるからです。

実店舗では家賃や光熱費に加え、たこ焼きの材料費やたこ焼きを提供する舟の費用などを含めると毎月15万円以上は必要になる場合があります。

キッチンカーでは、ガソリン代や駐車場代、メンテナンス代や水道光熱費などが主なランニングコストとなり、6万円程度まで抑えられることもあります。

キッチンカーのランニングコストは、走行距離や車両のメンテナンスの有無によって変動します。運転次第では燃費がよくなり、車両の持ちもよくなるため、結果的にランニングコストの節約につながることがあります。

キッチンカーのたこ焼き屋の月平均売上は60万円前後

キッチンカーのたこ焼き屋の月平均売上としては、60万円程度が見込まれます。実店舗を構えるたこ焼き屋と比べても収入に開きが出にくい商材だからです。

たとえば、実店舗でたこ焼き1パック450円を10分で1パック販売したとします。同じ間隔で10時間営業を続ければ、1日の売上は27,000円となり、1か月に21日稼働した場合は567,000円の売上を得ることができます。

販売金額を500円にしたり、稼働日を増やすしたりなどすれば、さらに売上を上げることも期待できます。

キッチンカーのたこ焼き屋でも、売上が出やすい場所や時間に出店することができれば、実店舗と同等程度の売上を確保することができます。

キッチンカーのたこ焼き屋が儲かる理由は人気と原価の低さ

キッチンカーのたこ焼きが儲かる理由は、安定した人気と原価の低さの2つが挙げられます。

たこ焼きは、老若男女を問わず高い人気があり、主食とおやつの両方で売りやすいことに加えて、原価も130~150円程度であるのに対して販売価格が450~500円ほどなので、利益が出やすい傾向があるからです。

また、たこ焼きはテイクアウトのニーズがある商品なので、キッチンカーと相性がいいでしょう。イベント会場や観光地など家族連れが集まって、食べ歩きしやすい環境に出店すると売上につながる場合があります。

たこ焼きで儲けるには販売する場所の地域性をおさえる

たこ焼きは老若男女に人気ですが、儲けるには販売する場所の地域性を押さえることが大切です。

たこ焼きは、関東と関西で焼き方に違いがあり、地域性で支持される焼き方が異なる場合があるからです。

【関東と関西のたこ焼きの違い】

関東 関東は油と高火力で一気に焼き上げるタイプのたこ焼きです。外はカリッ、中はトロッとした口当たりが特徴で、紅ショウガや白ネギを生地に混ぜ込んでいるのが一般的です。
関西 関西のたこ焼きはじっくりと焼き上げるため、外も中もふわトロに仕上がるのが特徴です。また、生地に紅ショウガや白ネギはいれない店舗もあります。

関東では揚げてあるたこ焼き、関西では揚げていないたこ焼きが人気です。たこ焼きを売るときは、地域で需要のあるたこ焼きを押さえておくようにしましょう。

調理時間と回転率の特徴も考慮する

たこ焼きの種類を選ぶときは、調理時間と回転率の特徴も考慮しましょう。たこ焼きの焼き方によって、向いている出店場所も異なるからです。

関西風の揚げないたこ焼きは、じっくりと火を通すため15分から20分程度を要します。そのため、作り置きをしておいてもすぐに捌けやすい祭りやイベント会場での出店に向いています。

一方で、関東風の揚げているたこ焼きは、高火力で短時間に仕上げることができるので、注文を受けてから作っても回転率を落とすことがありません。ショッピングモールや住宅街など出来立てのニーズが高い場所に出店するときに向いている作り方です。

たこ焼きは、焼き方で変わる調理時間と回転率によって、向いている出店場所を探すようにしましょう。

キッチンカーのたこ焼きで儲けるための工夫

キッチンカーのたこ焼き屋で儲けるには、工夫が必要です。たこ焼きは、キッチンカーや実店舗を問わずにライバルがいるからです。

キッチンカーの強みは出店場所を移動できることです。キッチンカーのたこ焼き屋を開業するときは、周りにライバルのたこ焼き屋がない場所に出店するのがいいでしょう。

キッチンカーのたこ焼きが売りやすい出店場所はお祭りやサービスエリア

キッチンカーのたこ焼きが売りやすい出店場所は、お祭りやショッピングモール、サービスエリアなどです。家族連れが多く集まったり、間食のニーズがあったりする場所は売りやすい傾向にあるからです。

キッチンカーの出店は、出店場所のオーナーと直接交渉する傾向があります。ただし、ショッピングモールやサービスエリアなどの場合、既存のたこ焼き屋が販売していると出店を断られる可能性があります。

出店場所の交渉をするときは、事前に競合する店舗がないかどうかを調査しておきましょう。

また、キッチンカーと出店場所のオーナーをマッチングさせるサービスもあります。初めてのキッチンカー出店で、自力で出店場所を見つけられないときなどは、利用を検討してみましょう。

SNSでキッチンカーを宣伝する

キッチンカーのたこ焼き屋で儲けるには、SNSを活用してキッチンカーを宣伝することが大切です。キッチンカーは移動することにより固定の顧客に認知してもらいにくい傾向があり、SNSなどを通じてどこに出店しているのかを積極的にアピールしていかなくてはいけないからです。

SNSで宣伝するときは、キッチンカーの外観や看板、実際に提供しているたこ焼きの写真などを一緒にアップすると、見た人のイメージがつきやすく、集客につながります。

美味しそうに見える写真を投稿できるように、レフ版を使ったり、背景に風景を入れたりなど工夫をするといいでしょう。

キッチンカーでたこ焼き屋を開業する流れ

キッチンカーでたこ焼き屋を開業するときの流れは、主に4つに分けられます。

  • 食品衛生責任者の資格を取得する
  • キッチンカーを用意する
  • 仕込み場所を用意する
  • 地域の保健所から営業許可を取得する

これらはキッチンカーでたこ焼き屋を開業するときに満たしておく必要があるため、キッチンカーでたこ焼き屋を開業するときの参考にしてみてください。

食品衛生責任者の資格を取得する

キッチンカーでたこ焼き屋を開業するときは、食品衛生責任者の資格を取得しましょう。

食品衛生責任者は、食品の衛生管理をする責任者の資格で、食品の販売や製造を行うときに最低1人は1店舗に設けなければいけないことが法律で定められています。

食品衛生責任者は、各自治体が開催している講習を受講し、講習の後に実施されるテストに合格すれば取得することができます。料金は10,000円程度です。

開催日程は自治体によって異なりますが、難易度は受講したその日に取得できる程度のものです。月に数回開催しているので、キッチンカーでたこ焼き屋を開業するときは、早めに食品衛生責任者の資格を取得しておきましょう。

キッチンカーを用意する

キッチンカーを開業するときは、店舗となる車両も用意しましょう。たこ焼き屋は、軽トラなど小型の車両でもキッチンカーにすることができます。

たこ焼き屋は必要な設備が少ないため、小型の車両でも十分調理スペースを確保することができるからです。

キッチンカーを用意する方法は3つあります。

  • 新車を購入する
  • 中古車を購入する
  • レンタルする

【車両用意の手段】

新車を購入する ベースとなる車両を購入し、たこ焼きの設備を搭載したキッチンカーにゼロから改造する方法です。車両の購入と改造費を合わせて300万円前後が必要です。
中古車を購入する すでにキッチンカーとして制作されている車両を購入する方法です。たこ焼き屋として設計されていれば改造する手間もありません。200万円前後で購入できますが、ものによっては頻繁なメンテナンスが必要になります。
レンタルする 1日や1か月、1年など一定期間キッチンカーをレンタルする方法です。1日当たり2~5万円程度かかります。手軽キッチンカーを開業できますが、長期間の運用になると車両を購入するよりもコストがかかってしまうケースもあります。

キッチンカーを用意するときは、手持ちの資金や運用機関などを考慮して、自身に適した車両を選ぶようにしましょう。

仕込み場所を用意する

キッチンカーのたこ焼き屋では、仕込み場所の用意が必須です。キッチンカーの車内では、生地を混ぜ合わせたり、タコやキャベツなどの具材を切ったりする仕込み作業を行ってはいけない決まりになっているからです。

仕込み場所は、営業許可を取得している場所でなくてはいけません。そのため、自宅を仕込み場所にしにくい傾向があります。

仕込み場所は、シェアキッチンやレンタルキッチンの利用を検討してみてください。調理に必要な設備が整った施設を、様々な人と共同で利用することができるので、キッチンカーの仕込み場所としても向いています。

シェアキッチンやレンタルキッチンは「東京 シェアキッチン」などで検索すれば、地域で利用できる施設を探すことができます。仕込み場所がないと、キッチンカーの開業はできないことを留意しておきましょう。

地域の保健所から営業許可を取得する

食品衛生責任者の資格やキッチンカー、仕込み場所の準備が整ったら、地域の保健所から営業許可を取得しましょう。

営業許可は、キッチンカーを出店する地域の保健所から取得しなければいけません。複数の都道府県にまたがって営業するときは、それぞれの県の保健所で営業許可を取得する必要があります。

地域の保健所は厚生労働省の「保健所管轄区域案内」で検索することができます。キッチンカーの準備の目途が立ったら、営業地域の保健所で営業許可の審査を受けましょう。

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この記事の監修者

田原 広一(たはら こういち)

株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者

田原 広一(たはら こういち)

平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。

【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)

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