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未経験者がバーを開業する際の流れを解説
バーの開業までには、物件探しや内装工事の手配、許認可の手続きなど多岐にわたる準備項目があるため、効率よく進めていく必要があります。
当記事では、バーの開業を目指す未経験者の方に向けて、バーを開業する際の流れを解説します。開業に至るまでの全体像や必要項目が順に思い浮かばない場合や、抜けている項目がないか確認したい人は参考にしてみてください。
バーを開業する流れを確認する
開業準備の流れは、まずコンセプトを決めることから始め、その後は物件の選定や資金調達などの準備を同時並行で進めていくことになります。最初にコンセプトを決めることで、バーの具体的なイメージが明確になり、方向性がブレずに効率的に開業準備を進めることができます。
【開業準備の流れの一例】
バーを開業する際、最初にコンセプトを考えると、店舗の場所や規模、導入する設備や備品などを選ぶ「軸」にできます。一方で、コンセプトを考えずに準備を始めると、余分なものを購入して予算を上回ったり、購入した設備を買い直したりする可能性があります。
バーの開業準備を始める際は、優先順位を考えつつ、効率よく進めていくための流れを確認しておきましょう。また、開店予定日から逆算し、準備項目の開始時期や終了予定日の目安まで設定しておくことで、より計画的に開業準備を進めていくことが可能です。
コンセプトを決める
バーを開業する場合、まずはバーのコンセプトを明確に決めておきましょう。開業準備の過程における物件選びや設備導入、許可や届出などの手続きは、お店のコンセプトによって内容が変わってくるためです。
【バーのコンセプトによって必要な設備や届出】
コンセプト | 必要な設備、届出や許可 |
スポーツバー、ミュージックバー | <設備> スクリーンや大型テレビ、音響設備など <許可や届出> ・特定遊興飲食店営業許可 ・深夜酒類提供飲食店営業届 |
シガーバー | <設備> ・換気、排煙設備など <許可や届出> ・たばこ出張販売許可 |
ダイニングバー | <設備> 業務用オーブン、業務用冷蔵、冷凍庫 <許可や届出> ・火を使用する設備等の設置届出書 ・防火管理者選任届出書 ・雇用保険適用事業所設置届 |
たとえば、たばこやシガーを喫煙できるバーを開業する場合は「喫煙目的室」として営業できるようにするための換気設備や手続きが必要です。また、ダイニングバーを開業する場合、様々なメニューを提供するための業務用調理機器や大型の冷凍冷蔵庫などの導入が必要です。
バーを開業する際は、まずどんなコンセプトのお店にするかを軸として明確に設定しておく必要があります。また、コンセプトは開業者の趣向や希望のみならず、お客様の需要に合ったお店にするため、飲食業界のトレンドや利用客の動向も調べつつ検討してみましょう。
事業計画を策定する
バーのコンセプトが決まったら、つぎは開業に向けて事業計画を策定しましょう。事業計画を考えることで、バー開業の実現性を検証しつつ、事業内容を具体化していくことができるためです。
【事業計画書に記載する項目の例】
- 営業計画
- 仕入計画
- 売上計画
- 資金計画
事業計画を策定する際は、近隣の競合店や自店の強みを分析しつつ、開業前の資金計画や開業後の営業計画、売上計画などを具体化しておきます。また、開業準備中は物件や設備などを決めていく段階で、事業計画書の内容を書き変えていくことも必要になります。
バーを開業する際は、事業計画を策定することで事業内容を明確にしつつ、目標や行動計画を立てることができます。加えて、融資や助成金に申請する際は事業計画書の提出が求められる傾向にあるため、他者が読んでもわかりやすい計画書を作成しておきましょう。
許認可の概要を確認し開店まで手続きを済ませておく
バーの開業には、「資格」「届出」「許可」などの許認可をとる必要があるため、あらかじめ要件を確認し、お店の開店までにそれぞれの手続きを済ませておきましょう。必要な手続きを済ませていない場合、バーの営業を開始できず、無許可での営業は処罰の対象になる可能性もあるためです。
【バーの開業に必要な手続き】
項目 | 必要な手続きの例 |
資格の取得 |
|
届出の提出 |
|
許可の取得 |
|
たとえば、バーを開業する際は、食品衛生責任者の資格を持つ人をお店に1人以上設置する必要があります。また、届出は必須のもの以外にも、お店の状況によって消防関連や雇用関連の届出を提出する必要があるため、開業するバーに必要な届出を確認しておきましょう。
バーをオープンさせる前には、済ませておく必要のある手続きがあります。各手続きには、必要書類の取り寄せや審査期間に時間を要する場合もあるため、優先順位も確認しつつ手続きを進めていきましょう。
バーの開業に必要な資格は2つ
バーの開業に必要な資格は「食品衛生責任者」と「防火管理者」の2つです。食品衛生責任者と防火管理者は、食品衛生法や消防法の定めによって飲食店開業の際には取得が義務付けられています。
【食品衛生責任者と防火管理者の概要】
項目 | 食品衛生責任者 | 防火管理者 |
概要 | ・食品の安全と衛生管理を監督する責任者 ・飲食店や食品関係の営業を行う場合に必要 |
・火災予防と消火活動を管理し、施設の安全を確保する責任者 ・店舗の収容人数が30人以上となる場合に必要 |
資格取得方法 | ・各都道府県の食品衛生協会が開催する講習を受講する ・栄養士、調理師などの有資格者は講習が免除される |
・各都道府県の日本防火・防災協会が開催する講習を受講する ・消防設備点検資格者、消防職員管理職経験者などの有資格者は講習が免除される |
法的根拠 | 食品衛生法 | 消防法 |
講習時間 | 6時間 | ・甲種防火管理者 約10時間 ・乙種防火管理者 約5時間 |
講習形式 | ・集合型講習会 ・eラーニング型養成講習会 |
・集合講習会 ・eラーニング型養成講習会 |
費用 | 10,000円~12,000円 | ~8,000円 |
食品衛生責任者と防火管理者の資格は、講習を受講することで取得できます。また、一部の有資格者は講習が免除され、保有の資格で食品衛生責任者や防火管理者として認められます。
また、集合講習会の日程は都道府県によって異なり、早いうちに定員に達してしまう場合があるため、日程を確認して早めに予約しておくことがお勧めです。一方、eラーニング講習の場合は、パソコンやスマートフォンから都合の良い時間に受講することが可能です。
バーを開業する際は、食品衛生責任者と防火管理者の資格を取得しておきましょう。なお、食品衛生責任者の資格証明書は、飲食店営業許可を申請する際に必要となるため、開業に向けた手続きを進める中でも優先して手配しておきましょう。
食品衛生責任者や防火管理者の資格取得に関する詳細が気になる人は「バーの開業に必要な資格を解説」の記事も参考にしてみてください。
バーの開業に必要な届出は5つ
バーの開業には、開業届や防火管理に関する届出など、取得しておく必要のある届出が5つあります。特にバーの場合は、深夜にお酒を提供する場合に必要な届出を提出する必要性があるため、詳細を確認しておきましょう。
【バーの開業やコンセプトによって必要となる届出】
開業に必要な届出 | |||
届出の項目 | 届出先 | 提出期限 | 手続きに必要なもの |
開業届 | 税務署 | 開業日から1ヶ月以内 | 開業届、マイナンバーの確認できるもの |
所得税の青色申告承認申請書 | 税務署 | 青色申告を行う年の3月15日まで | 所得税の青色申告承認申告書 |
事業開始等申告書 | 都道府県税事務所 | 開業日から1ヶ月以内 | 事業開始等申告書、本人確認のできる書類 |
防火対象物使用開始届出書 | 消防署 | 建物を使用する日の7日前まで | 届出書、防火対象物の配置図、平面図立面図など |
深夜における酒類提供飲食店営業開始届出書 | 警察署 | 営業開始の10日前まで | 届出書、飲食店営業許可書、営業方法を記した書類、各種図面、住民票など |
状況によって必要な届出 | |||
<店舗の規模や設備によって必要な届出> ・防火対象物工事等計画届出書 ・防火管理者選任届出書 ・火を使用する設備等の設置届 <従業員を雇う場合に必要な届出> ・給与支払い事務所等の開設届出書 ・青色事業専従者給与に関する届出書 ・源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 ・保険関係成立届 ・概算保険料申告書 ・雇用保険適用事業所設置届 ・雇用保険被保険者資格取得届 |
届出の手続きを進める際は、届出によって異なる提出先や提出期限などを確認し、効率よく手続きを進める方法を考えます。たとえば、開業届と所得税の青色申告承認申請書は、管轄が同じ税務署であるため、それぞれの必要書類を揃えて一度に申請できるよう準備すると効率的です。
また「深夜における酒類提供飲食店営業営業開始届出書」は、店舗の場所や設備などの申請要件があるうえ、他の届出よりも必要書類が多いため、物件を探し始める段階から準備しておかなければなりません。
バーを開業する際は、開業届をはじめとする必須の届出と、お店の規模や従業員を雇う場合などよって必要となる届出の両方を把握し、準備しておきましょう。
なお、必要な届出に関する詳細を知りたい人は「バーの開業に必要な届出を解説」の記事も参考にしてみてください。
飲食店営業許可を取得する
バーを開業するには、飲食店営業許可を取得しておく必要があります。また、お店のコンセプトによって取得しておく必要のある許可もあるため、手続きが必要な許可を確認しておきましょう。
【飲食店営業許可の概要とコンセプトによって必要な許可】
飲食店営業許可 | |
申請要件 |
|
申請先 | 保健所 |
必要書類 | 営業許可申請書、設備構造と設備を示す図面、食品衛生責任者手帳、水質検査成績書など |
申請方法 | 保健所窓口もしくはオンライン申請 |
申請から交付までの期間 | 約2~3週間 |
申請費用 | 15,000円~19,000円程度(地域によって異なる) |
申請の流れ |
|
コンセプトや営業形態によって必要な許可の一例 | |
|
飲食店営業許可を取得するためには「食品衛生責任者の設置」と「食品衛生法に基づく設備基準の順守」の申請要件を満たす必要があります。設備基準を満たしているかどうかは、許可申請後の保健所による設備検査の際に確認され、基準を満たせていない場合は改善するまで営業許可がおりません。
また、コンセプトバーを開業する場合は「特定遊興飲食店営業許可」や「たばこの出張販売許可」の取得が必要な場合があるため、必要な許可を調べておきましょう。
バーの開業に必要な資格の手続きは、オープン日の10日前までには済ませておきましょう。無許可で営業していた場合は処罰の対象になる場合もあるため、お店のコンセプトや営業形態によって許可が必要かどうかに悩む場合は、管轄の警察署に確認しておきましょう。
なお、バーの開業に必要な許可に関する情報は「バー開業に必要な許可を解説」の記事も参考にしてみてください。
開業する場所を決める
開業するバーのコンセプトや事業計画が固まったら、出店する場所を決めましょう。 バーを出店する場所は、お店の規模やターゲットにする客層などのコンセプトに合った立地を探すことになります。
たとえば、スポーツバーやダイニングバーのような、にぎやかな雰囲気の中でお酒を楽しむお店であれば、幅広い客層に向けて入りやすさを重視した立地が理想的です。その場合、駅近のビルのテナントの一角にお店があれば通る人の目に留り、入りやすくなります。
一方で、静かな雰囲気の中でシガーやお酒を楽しむバーを好む客層がターゲットの場合は、街の喧騒から離れて一歩奥まった場所でも好立地となることもあります。
開業する場所を決める際は、お店のコンセプトや営業形態によって集客したい客層の需要に沿った場所選びをしましょう。なお、集客したい客層の来客数や人通りの多い時間帯などを把握するためにも、何度か出店候補地に出向き、動向を観察してみることをおすすめします。
物件を決める
バーを開業する物件を検討する際は「居抜き物件」「スケルトン物件」のどちらの物件で契約するのかがポイントとなります。居抜きとスケルトンにはそれぞれメリットやデメリットがあるため、資金や条件などを踏まえて考えつつ、目的に合った物件を契約する必要があります。
【居抜き物件とスケルトン物件の概要】
物件の種類 | 概要、検討するポイント |
居抜き物件 | <概要> 以前の店舗の内外装や設備、什器などが残っており引き継いで使用できる物件 <特徴>
|
スケルトン物件 | <概要> 内装や設備を撤去し、建物の骨組みだけになっている物件 <特徴>
|
居抜き物件を契約する場合は設備や什器備品をそのまま使えるため、開業費用を押さえて開業できることが特権です。一方、なぜ以前の店舗が撤退したのかを確認しておくことがポイントです。たとえば、駅から遠い場合や入口がわかりづらいなどの問題がある場合は、解消できるかどうか検討が必要になります。
スケルトン物件を契約する場合、店づくりを1から始めたい人やコンセプトによって特別な設備導入や工事が必要な際には自由度が高く使えます。一方で水道や電気などの基礎工事や厨房設備、備品に至るまでの自己負担がかかるため、資金計画を入念に検討することが必要です。
開業するバーの物件を選ぶ際は、居抜き物件とスケルトン物件のどちらかを選び契約することになります。物件を選ぶ際の条件をあらかじめ決めておき、開業資金とのバランスを見て検討しましょう。
開業資金の目安を把握する
バーの開業資金の目安を把握しておきましょう。 開業資金の目安がわかることで、自己資金だけでは足りない場合の資金調達にいくら必要なのかが想定できるためです。
【8坪と15坪の店舗を想定した開業資金の内訳の例】
項目 | 概要 | 費用の目安(8坪) | 費用の目安(15坪) |
物件取得費 | 物件の契約に必要な費用 | 192万円~ | 360万円~ |
内装工事費 | お店の内装デザインや施工工事に必要な費用 | 160万円~ | 300万円~ |
什器備品費 | 設備導入や什器、備品の購入費用 | 240万円~ | 270万円~ |
宣伝広告費 | お店の宣伝や集客のための費用 | 25万円程度 | 25万円程度 |
採用費 | 従業員を雇う場合の求人にかかる費用 | 0円~10万円程度 | 10万円程度 |
運転資金 | 開業後半年分の運転資金+生活費 | 373万円程度 | 780万程度 |
合計 | 1,000万円 | 1,745万円 |
たとえば、初期費用の項目の1つである物件取得費は、家賃の12か月分を保証金として納めることを想定した金額を設定します。また、運転資金はバーの経営が軌道に乗るまでの6か月分ほどを準備しておくことが理想的です。
バーの開業資金としてかかる費用の目安は、契約する店舗の条件によって幅があるものの、1,000万円以上かかります。十分な開業資金を確保するため、自己資金以外の資金調達が必要な場合は、金融機関や申請方法などを調べておきましょう。
なお、開業資金について詳細を知りたい人は「バーの開業資金はいくら必要なのか?内訳と金額の目安を解説」を参考にしてみてください
資金調達方法を決める
バーの開業に向けて、資金調達方法を決めましょう。資金調達に金融機関からの融資を受ける場合、一定の要件や審査があるため、入念な準備が必要です。
【資金調達方法】
- 自己資金
- 金融機関への融資申請(銀行、信用金庫)
- 日本政策金融公庫への融資申請
- 補助金、助成金の申請
たとえば、資金調達方法の1つとして日本政策金融公庫へ融資申請があります。申請には事業計画書で開業資金の用途や収支計画を明確に示し、面談にて計画の妥当性や事業の見通しを説明することが必要です。審査に通ると無担保で低金利の融資を受けることができます。
バーを開業する際の資金調達方法は、自己資金と金融機関からの融資の両方をあわせて準備することもできます。資金調達の方法ごとに、手続きをしてから交付までの時間は異なるため、資金調達を計画したい人は、資金調達の方法ごとに特徴を確認しておきましょう。
なお、融資や補助金などの資金調達方法には利用条件があり、場合によっては利用できないこともあります。自分が利用できる資金調達方法を知りたい人は、「無料相談」から相談してみましょう。
導入する設備や什器を決める
開業するバーに導入する設備や什器を決めましょう。特に厨房設備の導入に関しては、食品衛生法の定める設備基準を満たすものを揃え、目安として開店日の10日前までには設置しておく必要があります。
【バーの開業に必要な設備の一例】
必要な設備の項目 | 設備基準にあわせて導入する設備の例 |
屋外からの汚染を防止する設備 | 換気扇、防塵フィルター |
空気の流れや温度を管理、結露を防止するための設備 | エアコン、換気扇、温度計、湿度計 |
異なる作業が交替で行われる場合に適切な洗浄消毒を行う設備 | 2層シンク、給湯機、洗浄機 |
酒類や食品を衛生的かつ適切な温度でに取り扱うための冷蔵または冷凍設備 | 温度計付き業務用冷蔵冷凍庫、コールドテーブル、ワインセラー |
従業員の手洗いのための手洗い設備 | レバー式またはセンサー式水栓、消毒剤用ディスペンサー |
たとえば、グラスの収納棚には埃や汚染を防ぐため扉の設置が義務付けられており、設置されていない場合は改善されるまで営業許可が下りない可能性があります。設備基準が守れているかどうかは、お店のオープン前に保健所の立ち入り検査で確認されます。
お店に設置する設備は、営業許可の基準を満たすものを導入しましょう。また、作業中の怪我や事故防止のため、導入する設備のサイズや扉の開き方などもあらかじめ確認しておき、導線を考えて設備を設置しましょう。
なお、紹介している設備の情報は一例のため、設備に関する情報が気になる人は「バーの開業に必要な設備を解説」の記事も参考にしてみてください。
備品を準備する際はリストを使うと便利
バーで使用する備品を準備する際は「備品リスト」を作成し、備品の項目や必要数、購入先などを検討していきましょう。バーで使用する備品は多岐に渡り、抜け漏れが生じた場合には営業や売上げに支障が出る可能性があるため、リストを作成して効率よく準備することがおすすめです。
【席数20席のバーを想定した備品リストの一例】
項目 | 品例 | 必要数 | 優先順位 |
開店準備 | ドアマット | 1 | |
おしぼり | 60匁 | ||
立て看板 | 1 | ||
仕込み、カクテル調製 | アイスピック | 2 | |
メジャーカップ | 3 | ||
シェイカー | 3 | ||
ガーニッシュケース | 10 | ||
提供 | グラス各種 | 60 | |
食器各種 | 40~60 | ||
カトラリー各種 | 20 | ||
レジ | 伝票差し | 2 | |
キャッシュトレー | 1 | ||
レシートロール | 1ロット | ||
事務 | PC | 1 | |
プリンター | 1 | ||
電話 | 1 |
必要な備品を揃える際は、開業後のバーの1日の流れを想定しつつ、場面ごとに必要な備品を書き出します。また、備品の必要数を計算する際に、グラスや食器類は洗浄が追い付かない場合や割れることなども想定し、客席数の2倍から3倍の数を目安に用意することになります。
バーの開業に向けて備品を準備する際は、作成したリストに沿って抜け漏れなく備品を揃えていきましょう。なお、グラスや食器類などを購入する際は、価格を押さえて大量に仕入れられる「飲食店向けの業務用サイト」などの利用も検討してみましょう。
お酒の仕入れ先を決める
バーの開業までにお酒の仕入れ先を決めておきましょう。仕入れ先を決める際は、商品の「品質」「料金」「納品の速さや正確さ」のバランスや優先順位によって検討することがポイントです。
【仕入れ先ごとの特徴の例】
仕入れ先 | 特徴 |
地元の業務用酒販店 | <品質>
<料金>
<納品>
|
ディスカウントショップ | <品質>
<料金>
<納品>
|
通販、ネット | <品質>
<料金>
<納品>
|
たとえば、地元の業務店向け酒販店の場合、商品の単価は高めに設定されているものの、必要であれば欲しい商品を即日でも届けてもらえる安心感があります。
一方、近くのお店では手に入らない商品がある際は、ネットや通販で見つけて購入することができるものの、手元に届くまでに時間を要する場合があります。
バーで使用するお酒を仕入れる際は、商品の質や納品の速さと正確さ、価格のバランスなどを検討しながら決めることになります。仕入れる商品の重点を置くポイントによって、地元の酒販店やディスカウントショップ、通販などを使い分けましょう。
お店の開店前から宣伝と集客を始めておく
お店の開店前から宣伝と集客を始めておきましょう。はじめてバーを開店する場合は知名度が低く、口コミも見込めないため、SNSやチラシによる早いうちからのアピールで1人でも多くの集客を目指しましょう。
【宣伝集客方法の例】
- GoogleビジネスプロフィールやSNSなどのウェブサービスを利用する
- HPを制作する
- ポスティングチラシや看板などを利用する
- 飲食系情報サイトに登録する
- グルメ雑誌のオープン情報に掲載する
- インバウンド向けのサイトや雑誌に掲載する
たとえば、バーのオープンを周知するには、GoogleビジネスプロフィールやSNSでの情報掲載、飲食系情報サイトへの掲載が効果的です。開業準備からオープンまでの様子をSNSで紹介していくことでシェアや口コミが広がり、集客へとつながることが期待できます。
また、ポスティングチラシの配布によって近隣からの集客を目指し、開業後に来店されたお客さまが将来的に常連になれば理想的です。
未経験者がバーを開業する際は、早いうちからの集客を開始し、オープン初日から1人でも多くのお客さまに来店してもらえるように努めましょう。なお、掲載した情報サイト経由での予約も増えていくよう、サイトから直接予約可能な設定ができるかどうかの確認もしておきましょう。
まとめ
バーの開業準備を進める際は、必要な準備項目と流れを確認してから進めていきましょう。まずは開業準備において軸となるコンセプトを明確にしてから、その後の物件選びや設備導入、届出や許可の手続きなどを順に進めていくことになります。
流れに沿って設定する準備項目は、バーのコンセプトや開業予定のお店の状況によって必要な項目があれば都度追加します。記事の中で紹介した項目以外にも、メニューの作成や、従業員を雇う場合の求人に関する項目なども追加しつつ、効率よく進めていきましょう。
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この記事の監修者
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
田原 広一(たはら こういち)
平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。
【書籍】
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