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バーの開業に必要な許可を解説
バーを開業する際は、開店の日までに「飲食店営業許可」を取得しなければ営業を開始することができません。また、開業するバーのコンセプトによっては他にも必要な許可があります。
当記事では、バーを開業する際に必要な許可の概要や申請の流れを解説します。バーの開業準備で必要となる許可を調べている人は参考にしてみてください。
バーの開業には飲食店営業許可を取得する必要がある
バーを開業する際は、飲食店営業許可を取得する必要があります。食品衛生法の定めにより、バーを営業するためには、開業前に飲食店営業許可を取得しておくことが定められているからです。
【飲食店営業許可の概要】
項目 | 概要 |
申請要件 |
|
申請先 | 管轄の保健所 |
申請に必要なもの | 営業許可申請書、施設構造と設備を示す図面、食品衛生責任者手帳、水質検査成績書 など |
申請方法 | 保健所窓口での申請もしくはオンライン申請 |
申請から交付までにかかる期間 | 約2~3週間 |
申請費用 | 15,000円~19,000円程度(地域によって異なる) |
飲食店営業許可の申請手続きは、バーを開業する地域の保健所の窓口での申請か、「食品衛生申請等システム」によるオンライン申請の方法を選べます。
また、申請後は保健所の担当者が立ち合いのもと、店舗の設備検査を受けることになります。検査後の審査期間も含め、申請から交付までには約2週間から3週間の期間を要すると考えておきましょう。
バーの開業には飲食店営業許可の取得が必須です。営業許可を取得することにより、開業後のバーで調理された料理やお酒を提供することが可能になります。飲食店営業許可を申請する際の流れや要件を確認し、申請の準備を進めていきましょう。
なお、深夜0時以降にお酒を提供する場合は、深夜営業に関する届出も別途必要になります。バーの開業に向けて必要な届出の種類や詳細を知りたい人は「バーの開業に必要な届出を解説」の記事も参考にしてみてください。
あらかじめ飲食店営業許可の申請の流れを確認しておく
飲食店営業許可を申請する際は、申請の流れを確認してから進めていきましょう。飲食店営業許可を取得するまでには書類の準備や審査期間も含めると1ヶ月以上の期間を要するため、開店日に間に合うように進めておく必要があります。
【申請の流れ】
- 申請要件の詳細を確認する
- 店舗の図面を持参し、保健所へ相談に出向く
- 申請手続きを行う
- 保健所による設備検査を受ける
- 飲食店営業許可証を受け取る
飲食店営業許可の申請を進める際は、申請の要件や店舗における設備の基準などを確認しておく必要があります。要件を満たしていない場合は申請自体ができないことに加え、店舗の設備が基準を満たさない場合は、申請しても許可が下りないためです。
また、内装工事の前には一度「店舗の設計図」や「厨房設備の配置図」などを持参し、保健所への事前相談に出向きます。持参した書類は保健所の担当者に確認され、もし問題点がある場合は、問題点を改善してから着工することになります。
持参した書類に問題がないかを保健所の担当者に確認してもらうことにより、問題がある場合は事前に改善した状態で設備検査に進めます。
飲食店営業許可の申請は、申請の流れに沿って進めていくことになります。まずは、要件を確認しつつ、必要な書類や設備を準備しておきましょう。
なお、保健所の事前相談には予約が必要な場合もあるため、管轄の保健所に予約が必要かどうかを確認してみてください。
食品衛生責任者を設置する
「食品衛生責任者」を設置することは、飲食店営業許可を申請する際の要件の1つです。食品衛生法の定めにより、飲食店営業許可を取得するためには、開業する店舗に1人以上の「食品衛生責任者」を設置する必要があるためです。
【食品衛生責任者の概要】
食品衛生責任者の役割 |
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資格取得方法 |
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食品衛生責任者は、食品の製造や販売を行う場合に必要な資格であり、資格を取得するためには講習を受け、食品衛生の知識を身につけることが必要です。講習は、会場に出向いて受講する集合型講習と、eラーニングによるオンライン講習を選ぶことが可能です。
飲食店営業許可を申請する際は、開業予定の店舗において食品衛生責任者を1人以上選任しておく必要があります。申請前に食品衛生責任者がいない場合は、食品衛生責任者養成講習を受講し、資格を取得しておきましょう。
なお、食品衛生責任者の概要や講習に関する詳細は「バーの開業に必要な資格を解説」の記事のなかで紹介しています。食品衛生責任者の情報が気になる人は参考にしてみてください。
定められた設備基準を満たす
開業する予定のバーで使用する設備の基準を満たすことは、飲食店営業許可を申請する際の要件の1つです。食品衛生法の定めにより、飲食店営業許可を取得するためには、設備基準の順守が必須であるためです。
【食品衛生法に基づき確認される設備基準の一例】
検査項目 | 内容 | 具体例 |
塵埃、排水、廃棄物の汚染防止 | じん埃、排水、廃棄物による汚染を防ぐための構造や設備を有していること |
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結露防止 | 作業エリア上部の結露を防ぎ、カビや水滴による汚染を防ぐために適切な換気設備を要すること |
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不浸透性の材質 | 床と内壁が不浸透性で、特に水を使用する設備では清掃が容易なこと |
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照明 | 作業、検査、清掃が適切に行える照度が確保されていること |
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排水設備 | 効果的な排水機能と適切な配管があり、施設がいに適切に排出されること |
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保管設備 | 原材料を適切な温度で保管する設備および食品等と区分して保管する薬剤の設備を有していること |
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手洗い設備 | 従業者の手洗いのための流水式手洗い設備を適切な数有していること |
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たとえば、食材や調理器具を清潔に保つため、収納棚には扉を設置して外部からの汚染を防ぐ必要があります。また、共用による汚染を防ぐため、食材用と器具洗浄用で分けられる2層シンクや食洗器の導入などが必要になります。
店舗の設備基準を満たすことは、飲食店営業許可の取得において必須の要件です。保健所の検査を受ける際に、店舗の設備が基準に満たない場合は営業許可が下りないため、基準を満たす設備を整えておきましょう。
バーのコンセプトによって必要となる許可がある
飲食店営業許可以外にも開業するバーのコンセプトによっては取得が必要となる許可があります。無許可で営業していた場合は処罰の対象や営業停止となる可能性もあるため、コンセプトバーを営業する際は必要な許可があるかどうかを確認しておきましょう。
【コンセプトによって必要な許可の一例】
コンセプト・営業形態 | 許可の項目 |
スポーツバー、カラオケバー、生演奏やショーが開催されるお店など | 特定遊興飲食店営業許可 |
シガーバー、たばこの喫煙が可能なお店など | たばこの出張販売許可 |
たとえば、ピアノの生演奏やダンスショーが楽しめるようなコンセプトのバーには「特定遊興飲食店営業許可」という許可が必要です。また、お酒と一緒に葉巻やたばこを楽しめるバーには「たばこの出張販売許可」という許可が必要になります。
コンセプトバーの開業を予定している人は、飲食店営業許可のほかにも必要な許可があるかどうかを確認しておきましょう。その際、許可の取得には必要書類の取り寄せや申請後の審査期間に一定の時間を要するため、早めに申請できるように準備を進めていきましょう。
なお、主にお客様の隣に座って接待をする営業形態の場合に必要な「風俗営業許可」は、0時〜6時までの営業ができません。そのため、深夜0時以降もお酒を提供するバーを開業する場合は風俗営業許可の対象外となることを留意しておきましょう。
特定遊興飲食店営業許可
特定遊興飲食店営業許可は、お客様とお店側が共にコンセプトを楽しむ営業形態のバーを開業する場合に必要な許可です。生演奏やマジックなどを開催するバーや、スポーツ観戦で盛り上がりながらお酒を楽しむバーの場合には取得しておく必要があります。
【特定遊興飲食店営業許可の概要】
対象 | 以下の要素をすべて満たす店舗
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要件 | <人的要件> 定められた欠落事由に当てはまる場合は許可が受けられない 例:倒産手続きを受けてから復権を得ない人 <場所的要件>保全対象施設からの距離制限 例:住居系の用途地域からの距離が20m以下の場合は営業不可<構造・設備的要件> 例:客室の床面積が33㎡以上であること、見通しを妨げる1mを超える間仕切りや衝立を設けないこと、照度が10ルクス以下とならないこと |
法的根拠 | 改正風営適正化法(=風営法) |
管轄 | 警察署 |
申請時の必要書類 | 許可申請書、営業の方法を記載した書類、営業所の平面図、周辺の概略図、住民票、身分証明書、定款、誓約書、飲食店営業許可証のコピー など |
申請の流れ |
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特定遊興飲食店営業許可を申請するには、まず3つの要件を満たして必要書類を抜け漏れなく揃えなければなりません。その際、要件の詳細や必要書類は多岐にわたるため、申請の前には一度警察署へ出向き、不明点の確認をしておくことで流れ良く申請手続きを進められます。
コンセプトバーを開業する場合は、特定遊興飲食店営業許可が必要かどうかを確認し、必要な場合は開業に間に合うように早めに準備しましょう。なお、相談や申請のために警察署へ出向く際には、予約が必要かどうかをはじめに確認しておくことがおすすめです。
ダーツバーは特定遊興許可の対象ではなくなった
「デジタルダーツ」や「シュミレーションゴルフ」などを置くコンセプトバーは、特定遊興飲食店営業許可の対象ではなくなりました。以前は特定遊興許可やゲームセンターの許可が必要だったダーツバーは、2016年の風営法の改正により、特定遊興飲食店の対象ではなくなったためです。
たとえば、遊興の対象であったダーツやビリヤードなどは法改正の際に「競技」として規制方法が見直されました。これにより、特定遊興飲食店営業許可は不要でダーツやビリヤードを設置するお店を開業できます。
ダーツバーを開業する際に特定遊興飲食店営業許可は基本的に不要になりました。ただし、日常的に従業員と客が一緒にスコアを競って楽しむような営業をする場合は「遊興」とみなされるため、特定の許可が必要になることもあることを留意しておきましょう。
製造たばこの小売販売業の出張販売の許可
開業するバーで喫煙を可能にしたい場合やシガーバーを開業する場合は、製造たばこの小売り販売業の出張販売の許可(=たばこ出張販売許可)の取得が必要です。バーで喫煙するためには、基準を満たして許可を得る必要があるため、許可の概要を確認しておきましょう。
【喫煙が可能なバーの要件とたばこの出張販売許可の概要】
喫煙が可能なバーの要件 | |
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たばこの出張販売許可の概要 | |
手続根拠 | たばこ事業法 |
管轄 | JT(日本たばこ産業株式会社) |
申請時の必要書類 | 出張販売許可申請書、たばこ出張販売に係る業務委託に関する覚書、出張販売先の平面図、未成年喫煙防止にかかる誓約書 など |
申請費用 | 登録免許税3,000円を納付する |
申請の流れ |
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開業するバーで葉巻やたばこの喫煙を可能にするためには「喫煙目的室」として営業する際の要件を満たす必要があります。たばこの出張販売許可は、喫煙目的室を営業する要件の1つであるため、取得しておかなければなりません。
シガーバーの開業やたばこの喫煙が可能なバーを開業する際は、たばこの出張販売許可が必要です。また、たばこの出張販売許可の取得とともに、喫煙目的室の要件として定められた設備基準や提供するメニューに関する基準も満たしておきましょう。
まとめ
バーを開業する際は、飲食店営業許可の取得が必要です。飲食店営業許可の申請には「食品衛生責任者の設置」と「店舗の設備基準を満たす」ことが要件として定められています。
また、開業するバーのコンセプトや営業形態によって必要となる許可もあるため、コンセプトバーを開業する人は許可の取得が必要かどうかを確認しておきましょう。
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この記事の監修者
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
田原 広一(たはら こういち)
平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。
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