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焼き鳥屋の開業に必要な設備の種類と費用を解説

焼き鳥屋の開業には、焼き鳥を焼くための焼き機に加え、排煙フードや排煙ダクトなど、さまざまな設備が必要です。また、キッチンカーで焼き鳥の移動販売を始める場合は、キッチンカーの車両と焼き機、冷蔵庫などが必要です。

当記事では、焼き鳥屋の開業に必要な設備の種類と、その費用を解説します。設備費用を節約する方法も紹介するので、焼き鳥屋を開業したい人は当記事を参考にしてみてください。

開業に必要な設備の種類と費用を確認する

焼き鳥屋を開業したい人は、あらかじめ開業に必要な設備の種類と費用を確認しておきましょう。焼き鳥屋に必要な設備の種類や費用を確認しておくと、より具体的に開業までのスケジュールや予算を考えられるためです。

【店舗での開業に必要な設備の種類と費用の目安】

作業工程 設備の種類 費用
鶏肉を焼く 手洗い用シンク 1万円~2万円/1台
調理台 4万円~15万円/1台
焼き機 <ガス式>
1万円~10万円/1台
<遠赤外線 下火式>
3万円~24万円/1台
<耐火レンガ式>
6万円~31万円/1台
<電気式>
12万円~76万円/1台
排煙フード 4万円~18万円/1台
排煙ダクト 5万円~50万円/1台
焼き鳥以外のメニューを調理する

コンロ 15万円~20万円/1台
電子レンジ 8万円~14万円/1台
フライヤー


<電気式>
4万円~70万円/1台
<ガス式>
10万円~95万円/1台
食材を保管する 冷蔵庫 <縦型>
30万円~50万円/1台
<横型/コールドテーブル>
10万円~40万円/1台
冷凍庫 4万円~40万円/1台
ラック/棚

 

<ステンレス吊戸棚>
2万円~5万円/1台
<ステンレス置き棚>
2万円~10万円/1台
ビールを提供する ビールサーバー 1万円~6万円
食器を洗う 食洗器 30万円~480万円/1台
シンク <2層式>
3万円~13万円/1台
合計: 92万円~889万円

まず、焼き鳥屋で最も欠かせない設備は、焼き台とも言われる「焼き機」です。たとえば、炭火で焼き鳥を作る場合は、遠赤外線の下火式か耐火レンガ式が適しています。

また、焼き鳥を焼く際は煙が出るため、排煙フードと排煙ダクトの設置も必要です。一般的な焼き鳥屋の場合は、内装業者に排煙フードとダクトの設置工事を依頼するので、本体購入代金の他に内装工事の費用もかかります。

焼き鳥屋の開業に最低限必要な設備は、焼き機、排煙設備、手洗い用シンク、冷蔵庫、保管庫などです。焼き鳥屋のメニューや席数により必要な設備は異なるため、必要に応じて、電子レンジやフライヤーなどの調理設備も検討してみましょう。

なお、焼き機は一度買えばずっと使える設備ではなく、一定期間で切り替えの必要な消耗品となります。焼き鳥を毎日焼き機で焼くと、約1年で次の台に買い換えることになるので、覚えておきましょう。

キッチンカーでの開業に必要な設備を確認する

焼鳥屋を移動販売で開業したい人は、キッチンカーに必要な設備を確認しましょう。キッチンカーに必要な設備は店舗と異なる場合があるので、あらかじめ設備の種類と費用を確認しておくと、移動販売の計画をスムーズに立てることができます。

【キッチンカーでの開業に必要な設備の種類と費用の目安】

軽トラック
作業工程 設備の種類 費用
移動する 軽トラック小型キッチンカー <新品>
完成車:210万円~300万円
製作車:180万円~240万円
(車両本体価格:75万円~140万円)
<中古>
完成車:180万円~200万円
製作車:135万円~160万円
車両本体価格:35万円~60万円
普通車トラック中型キッチンカー <新品>
完成車:350万円~570万円
製作車:250万円~480万円
車両本体 150万円~330万円
<中古>
完成車:220万円~400万円
製作車:100万円~350万円
車両本体 50万円~200万円
合計: 最安値 軽トラック小型キッチンカー:
135万円
普通車トラック中型キッチンカー:
200万円
最高値 軽トラック小型キッチンカー:
300万円
普通車トラック中型キッチンカー:
570万円
厨房
作業工程 設備の種類 費用
鶏肉を焼く 電源装置 <発電機>
8万円~15万円/1台
<ポータブル電源>
10万円~30万円/1台
<インバーター>
1万円~6万円/1台
焼き鳥を並べる  保温ショーケース 5万円~10万円
調理道具を洗う 給湯機 2万円~12万円
ガスボンベ 3万円~5万円
給水タンク <40L>約2万円
<80L>2万円~4万円
<200L>2万円~5万円
排水タンク <100L>約8,000円
<200L>約11,000円
合計:

13.8万円~65.1万円

キッチンカーを購入する際は、「新品」「中古」の商品の状態や「完成車」「製作車」の商品の種類から、予算や希望に合う車両を選択します。完成車は最低限必要な設備がそろっていて、製作車は希望の設備を注文できます。そのため、納品までの時間や価格に差があります。

また、キッチンカーは車両に厨房設備が搭載されているため、追加で厨房設備を購入する必要はありません。キッチンカーの販売業者によっては、パッケージとして給水タンクやガスボンベ、調理台など移動販売に必要な設備がすべて標準装備された車両もあります。

キッチンカーで焼き鳥屋を開業する際、最低限必要な設備は軽トラック、焼き機、電源装置、保温ショーケースなどの設備です。利益が出れば後から設備を追加することもできるので、まずは最低限の設備で焼き鳥屋の開業準備をすすめてみましょう。

なお、キッチンカーを入手する際に確認しておく点として、車検があります。車検切れの場合、本体価格が安いとしてもすぐに移動販売をすることができず、別途車検の費用もかかるので、キッチンカーを選ぶ際は留意してください。

設備の初期費用を抑える方法を確認する

開業したいものの設備費用が高いと悩んでいる人は、設備の初期費用を抑える方法を確認しましょう。中古品の購入やレンタルなど、設備の導入方法を変えると初期費用を抑えられる場合もあります。

【開業時の設備費用を抑える方法の例】

店舗の厨房設備費用を抑える方法
費用を抑える方法 具体例
設備付きの物件を選ぶ
  • 居抜き物件を探す
費用の安い代替製品や安い手段を利用する
  • 中古設備を利用する
  • 食洗器を使わず手洗いする
  • 使用に支障ない場合は、家庭用の設備を選ぶ
  • メニューの種類をシンプルにして、コンロやフライヤーを購入しない
キッチンカーの厨房設備費用を抑える方法
費用を抑える方法 具体例
格安のキッチンカーを選ぶ
  • 中古車を探す
  • レンタルかリースを利用する
  • 外装や内装に凝りすぎない
費用の安い代替製品や安い手段を利用する
  • コンロをカセットコンロにする
  • アウトドア用の湯沸かし器を使う
  • 電気式や耐火レンガ焼き機でなく、ガス式の焼き機を選ぶ
  • メニューの種類をシンプルにして、焼き鳥とビールのみにする
自ら作業する
  • 軽トラックを購入し、工具やペンキ、板などを使ってDIYで自作する

たとえば、棚や調理台の中古品の場合、外観の状態が良い中古品であれば特に使用上の問題はありません。一方、焼き機や冷蔵庫の中古品の場合、外観の状態が良い中古品でもひび割れや水漏れが確認できるなら焼き鳥屋での使用は差し控えます。

また、移動販売を一時的に試してみたい場合は、キッチンカーのレンタルやリースを利用できます。レンタル料金は月額30万円から、リース料金は月額15万円〜25万円程度なので、ローンや一括払いよりも初期費用を抑えられます。

焼き鳥屋の開業で設備を安くするには、中古品を利用する、メニューをシンプルにする、事業者自らDIYする、といった方法が考えられます。開業まで時間がある場合は、より安い設備を検索したり問い合わせる事もできるので、時間に余裕をもって開業準備を始めましょう。

飲食業営業許可を得られる設備を購入する

焼き鳥屋を開業する際は、飲食業営業許可を得られる設備を購入することになります。飲食店営業許可の条件を満たさない設備を購入しても、焼き鳥屋を開業できないため、あらかじめ保健所から確認される条件を確認しておきましょう。

【飲食店営業許可に対応する設備の例】

店舗営業する焼き鳥屋の場合
  • 水とお湯が使えるか
  • 電気とガスが使えるか
  • トイレと調理場が離れているか
  • フードや換気扇を設置しているか
  • 食材用の扉付きの保管庫はあるか
  • 新基準の水栓付きの手洗い場があるか
  • 清掃や検査がしやすい照度の照明が使われているか
  • 作業場を清掃する専用の用具が必要数備わっているか
  • 冷蔵庫や冷凍庫などの機器には温度計がついているか
  • 調理スペースと客席を仕切るための間仕切りがあるか
キッチンカーで営業する焼き鳥屋の場合
  • 換気扇がついているか
  • 運転席と調理場は完全に仕切られているか
  • 容量が十分の扉付きの収納棚が設置されているか
  • 衛生的食品を保存するための冷蔵庫と冷凍庫はあるか
  • 十分な数のシンクはついているか、シンクに耐久性はあるか
  • 保健所で定められた規定数値以上の照明であるか(例.50ルクス以上)
  • 最低40リットル以上の給水・排水タンクは設定されているか

店舗営業の場合は、電気や水道、ガスといった基本的な設備が備わっているか、感染症を予防する衛生的な設備であるかどうかを確認されます。たとえば、感染症対策のできる設備として、レバーハンドル付きやセンサー機能のある水栓があります。

飲食店営業許可の基準は、キッチンカーで営業する場合にも一部同じ基準が適用されます。たとえば、キッチンカーの手洗い場の水栓は新基準である必要があり、また、シンクは2層以上で保健所から許可を取れるサイズである必要があります。

焼き鳥屋の開業で店舗やキッチンカーを取得したら、開業前に保健所から飲食店営業許可の申請をすることになります。その際、保健所は各設備のサイズや機能、位置などを細かく確認するので、設備を購入する前に飲食店営業許可のルールを把握しておくようにしましょう。

なお、焼き鳥屋の開業には、設備の他に営業許可も必要です。焼き鳥屋を開く際の営業許可について知りたい人は「焼き鳥屋が開業するときの営業許可を解説」も参考にしてみてください。

まとめ

焼き鳥屋の開業に最低限必要な設備は、焼き機、排煙設備、手洗い用シンク、冷蔵庫、保管庫などです。また、キッチンカーで焼き鳥屋を開業する場合は、厨房設備のついた軽トラックを購入することになり、いずれの場合も営業許可が下りるかどうかを確認する必要があります。

焼き鳥屋の設備にかかる費用は、店舗の場合で約90万円〜890万円、キッチンカーの場合で約192万円〜755万円程度がかかります。設備費用を抑えるには、「中古品を利用する」「焼き鳥屋のメニューをシンプルにする」「自作DIYで対応する」などの方法があります。

焼き鳥屋の設備の確認ができたら、次のステップとして備品や内装についても調べます。焼き鳥屋を開業するには「物件の契約」「内装工事業者の選定」「備品の購入」といった段取りも必要なので、合わせて情報収集しておきましょう。

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この記事の監修者

田原 広一(たはら こういち)

株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者

田原 広一(たはら こういち)

平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。

【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)

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