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自宅で居酒屋を開業するときのポイントを解説

居酒屋を開業する場合、自宅での開業は選択肢のひとつです。しかし、居酒屋を開業するときは満たさなければならない基準があるため、「立地」「構造」「設備」など、自宅の状況によっては基準に適合せず、居酒屋を開業できないおそれがあります。

自宅で居酒屋を開業したい人は、まずは開業するときのポイントを確認してみてください。ポイントを確認することにより、自宅で居酒屋を開業するときの条件や相談先を把握できるため、自宅での開業を考えている人はポイントを押さえることから始めてみましょう。

ポイントは条件を満たせるかどうか

自宅で居酒屋を開業するときのポイントは、条件を満たせるかどうかです。開業するための条件はいくつかありますが、条件を満たせない場合は自宅で居酒屋の開業ができないため、まずは条件を確認してみましょう。

【自宅で居酒屋を開業するための条件】

  • 地域に関する条件
  • 施設に関する条件

自宅で居酒屋を開業するためには、「地域に関する条件」「施設に関する条件」を満たすことになります。両方の条件を満たせなければ自宅で開業できないため、自宅で居酒屋を開業予定の人はそれぞれの項目を確認してみましょう。

地域に関する条件

自宅で居酒屋を開業するときは地域に関する条件があります。都市計画法により地域ごとに用途を制限する「用途地域」が定められているため、まずは自宅の所在地の用途地域を確認することになります。

【居酒屋を開業できる用途地域の例】

項目 用途地域
原則として居酒屋を開業できる用途地域 ・第一種低層住居専用地域
・第二種低層住居専用地域
・第一種中高層住居専用地域
・第二種中高層住居専用地域
・第一種住居地域
・第二種住居地域
・準住居地域
・田園住居地域
・近隣商業地域
・商業地域
・準工業地域
・工業地域
原則として居酒屋を開業できない用途地域 ・工業専用地域

用途地域は「住居系用途地域」「商業系用途地域」「工業系用途地域」に分類され、全13種類あります。種類ごとに建物の用途が制限されていますが、「工業専用地域以外」の用途地域では、原則として自宅で居酒屋を開業できます。

また、用途地域によっては店舗面積に制限があります。「床面積が50㎡以下かつ建築物の延べ面積の2分の1以下」「店舗の床面積が150㎡以下」など、居酒屋部分の面積に制限が定められている用途地域があるため、自宅を居酒屋にするときは面積に留意することになります。

なお、用途地域は各自治体の公式サイトで確認できます。少子高齢化や建物老朽化など、地域の課題に応じて用途地域が見直される場合もあるため、自宅の用途地域を知りたい人は各自治体の公式サイトを確認することも考えてみましょう。

深夜の営業が認められない用途地域もある

居酒屋を開業する場合、深夜の営業が認められない用途地域があります。午前0時から午前6時までの時間帯に、主にお酒を提供する飲食店は警察署から許可を得る必要がありますが、自宅の所在地によっては深夜の営業が認められないおそれがあります。

【深夜に居酒屋を営業できる用途地域の例】

項目 用途地域
深夜に居酒屋を営業できる用途地域 ・近隣商業地域
・商業地域
・準工業地域
・工業地域
深夜に居酒屋を営業できない用途地域 ・第一種低層住居専用地域
・第二種低層住居専用地域
・第一種中高層住居専用地域
・第二種中高層住居専用地域
・第一種住居地域
・第二種住居地域
・準住居地域
・田園住居地域

深夜に居酒屋を営業できる用途地域は「近隣商業地域」「商業地域」「準工業地域」「工業地域」です。これらの用途地域に自宅がある場合は、原則として深夜の時間帯の営業が可能です。

一方、深夜に居酒屋を営業できない用途地域は「第一種低層住居専用地域」「第一種中高層住居専用地域」「第一種住居地域」「田園住居地域」です。これらの用途地域に自宅がある場合は、原則として深夜の営業が認められないため、留意が必要です。

なお、深夜に居酒屋を営業する場合は「深夜における酒類提供飲食店営業営業開始届出書」を警察署に提出することになります。用途地域以外の要件もあるため、深夜の営業を検討している人は、自宅の所在地を管轄する警察署に問い合わせることも検討してみましょう。

施設に関する条件

自宅で居酒屋を開業するときは施設に関する条件があります。食品衛生法や各都道府県の条例により、居酒屋は構造や設備に関する「施設基準」が定められているため、自宅で居酒屋を開業したい人はまずは自宅の状況を確認することになります。

【施設基準の例】

項目 概要
区画 ・作業区分に応じ、間仕切り等により必要な区画がされていること。

・住居その他食品等を取り扱うことを目的としない室または場所が同一の建物にある場合は、これらと区画されていること。

床・内壁・天井 ・床面は不浸透性の材質で作られ、排水が良好であること。

・内壁は床面から容易に汚染される高さまで、不浸透性材料で腰張りされていること。

照明設備 ・作業、検査及び清掃などに支障ない照度を確保できる機能を備えること。
換気設備 ・結露によるカビの発生や、結露による食品等の汚染を防止するために、換気が適切にできる構造または設備を有すること。
駆除設備 ・必要に応じて、ねずみ、昆虫等の侵入を防ぐ設備及び侵入した際に駆除するための設備を有すること。
手洗設備 ・従事者の手指を洗浄消毒する装置を備えた流水式手洗い設備を必要な個数有すること。

・水栓は、洗浄後の手指の再汚染が防止できる構造であること。

洗浄設備 ・食品等を洗浄するため、必要に応じて熱湯、蒸気等を供給できる使用目的に応じた大きさ及び数の洗浄設備を有すること。

・飲食店の場合は原則として、洗浄槽は2槽以上とすること。

冷蔵冷凍設備 ・食品又は添加物を衛生的に取り扱うために、必要な機能を有する冷蔵又は冷凍設備を有すること。

・法第13条第一項の基準又は規格に冷蔵又は冷凍について定めがある食品を取り扱う営業にあっては、その定めに従い必要な設備を有すること。

保管設備 ・原材料を種類及び特性に応じた温度で、汚染の防止可能な状態で保管することができる十分な規模の設備を有すること。

・施設で使用する洗浄剤、殺菌剤等の薬剤は、食品等と区分して保管する設備を有すること。

添加物取扱設備 ・添加物を使用する施設にあっては、それを専用で保管することができる設備又は場所及び計量器を備えること。

たとえば、「区画」は施設基準のひとつです。自宅で居酒屋を開業する場合、食品を取り扱うことを目的としない場所と居酒屋を区画することが定められているため、自宅の間取りは区画が可能かどうかを確認することになります。

また、「洗浄設備」は施設基準のひとつです。自宅で居酒屋を開業する場合、原則として「シンク」や「流し台」といった洗浄槽を2槽以上設置することが定められているため、自宅の構造は2槽以上の洗浄設備の設置が可能かどうかを確認することになります。

なお、施設基準の内容は都道府県ごとに異なります。食品衛生法と各都道府県の条例に基づく関係上、施設基準の内容は都道府県ごとに異なるため、気になる人は開業予定地を管轄する保健所の担当者に施設基準の内容を確認することを検討してみましょう。

居酒屋の開業における設備の情報を知りたい人は「居酒屋の開業における設備を導入するときの流れを解説」 を参考にしてみてください。

営業許可を取得するときは施設検査を受けることになる

営業許可を取得するときは、保健所の担当者による施設検査を受けることになります。施設検査を通過できない場合は、自宅で居酒屋を開業できないおそれがあるため、自宅での開業をしたい人は営業許可を取得する流れを押さえておきましょう。

【営業許可を取得する流れ】

  1. 保健所に事前相談する
  2. 保健所に営業許可申請書を提出する
  3. 施設検査を受ける
  4. 営業許可書の交付を受ける

営業許可を取得したい場合、最初の工程は保健所の担当者に事前相談することです。保健所の担当者に施設の図面を提示することにより、構造や設備の計画に不備がないかどうかの確認ができるため、内装工事を始める前に保健所の担当者に相談することになります。

また、2つめの工程は保健所に営業許可申請書を提出することです。営業許可申請書の提出時に施設検査の日程を決めることになるため、施設が完成する10日ほど前に営業許可申請書を提出し、内装工事の完了後に施設検査を受けることになります。

施設検査を通過した場合は営業許可書が交付されます。営業許可書の交付には、数日間かかることも考えられるため、交付までの期間を知りたい人は保健所の担当者に交付にかかる日数を問い合わせることも検討してみましょう。

ポイントを押さえた人は開業後の留意点を確認する

自宅で居酒屋を開業するときのポイントを押さえた人は、開業後の留意点を確認してみてください。留意点を押さえておかなければ、居酒屋の経営を続けられなくなるおそれもあるため、自宅での開業を目指している人は開業後の留意点も押さえておきましょう。

【開業後の留意点】

  • 苦情の予防
  • 集客の工夫

開業後の留意点には「苦情の予防」と「集客の工夫」が挙げられます。これらの留意点は居酒屋の経営を左右する可能性があるため、自宅で居酒屋を開業したい人はそれぞれの項目を確認してみましょう。

苦情の予防

開業後の留意点のひとつとして挙げられるのは「苦情の予防」です。自宅で居酒屋を開業する場合、近隣住民から苦情が寄せられることにより、営業が継続できなくなるおそれもあるため、自宅で開業する人は開業後の留意点として念頭に置いておきましょう。

【苦情の例】

項目 具体例
異臭 「調理」「ごみ」「排水」などの異臭
騒音 「調理の音」「客の大声 」「業者の出入り」などの騒音
害虫 「ハエ」「ゴキブリ」「蚊」などの害虫

たとえば、「調理」「ごみ」「排水」など、異臭に対する苦情が寄せられる可能性があります。居酒屋は食品の調理を行う関係上、異臭が発生するおそれがあるため、「ゴミ容器の密閉」「脱臭装置の設置」「清掃の徹底」などの予防策を講じることになります。

また、「ハエ」「ゴキブリ」「蚊」など、害虫に対する苦情が寄せられる可能性があります。居酒屋は害虫のエサとなる食品を扱う関係上、害虫の侵入や繁殖が発生するおそれがあるため、「ゴミ処理の徹底」「侵入経路の封鎖」などの予防策を講じることになります。

居酒屋の開業前に内装工事をする場合、工事の騒音や振動に対する苦情も考えられます。工事に対する苦情が寄せられた場合は計画通りに開業できないおそれがあるため、居酒屋を開業するときは工事を開始することを近隣の方に伝えることも検討してみましょう。

集客の工夫

開業後の留意点のひとつとして挙げられるのは「集客の工夫」です。自宅で居酒屋を開業する場合、立地を選べないことにより、開業後の集客が難航する可能性があるため、自宅で開業する人は開業後の留意点として念頭に置いておきましょう。

【集客方法の例】

項目 具体例
オフライン ・看板
・ポスティング
・ショップカード
オンライン ・SNS
・Web広告
・ホームページ

たとえば、オフラインでの集客方法には「ポスティング」が挙げられます。「おつまみメニュー」「ドリンクメニュー」「価格」「営業時間」など、居酒屋の情報を紹介したチラシを自宅周辺にポスティングすることにより、近隣に住む人に認知される可能性があります。

また、オンラインでの集客方法には「SNS」が挙げられます。「人気メニューの写真」「内装の動画」「予約方法の解説」など、居酒屋の情報を紹介した写真や動画をSNSに投稿することにより、居酒屋の情報を収集したい人に認知される可能性があります。

居酒屋の集客方法は工夫次第です。自宅での開業は立地を選べない関係上、認知度の向上を目指すことになるため、自宅で居酒屋を開業したい人は複数の集客方法を試すことも検討してみましょう。

まとめ

自宅で居酒屋を開業するときのポイントは条件を満たせるかどうかです。「地域に関する条件」と「施設に関する条件」を満たせなければ自宅での開業ができないため、自宅で居酒屋を開業予定の人はそれぞれの条件を確認してみましょう。

条件に関する相談は各自治体に問い合わせる方法があります。「警察署」や「保健所」など、問い合わせの内容ごとに担当部署が異なる可能性があるため、条件に関する相談をしたい人は相談内容に応じた部署に問い合わせることも考えてみてください。

なお、自宅で居酒屋を開業する場合、開業後の留意点には「苦情の予防」と「集客の工夫」が挙げられます。居酒屋の経営を左右する可能性があるため、自宅で居酒屋を開業したい人は開業後の留意点を念頭に置いておきましょう。

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この記事の監修者

田原 広一(たはら こういち)

株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者

田原 広一(たはら こういち)

平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。

【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)

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