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ネイルサロンを開業するときの資格の要否を解説
「ネイルサロンは無資格でも開業できるのか?」「ネイルサロンは資格なしでも始められるのか?」など、ネイルサロンを開業するときの資格の要否が気になる人もいますよね。
当記事では、ネイルサロンを開業するときの資格の要否を解説します。ネイルサロンを開業するときの必要な資格が知りたい人は参考にしてみてください。
ネイルサロンは資格を保有していない人でも開業できる
ネイルサロンは資格を保有していない人でも開業できます。美容業を行う美容室の場合は美容師免許の有資格者が必要ですが、ネイルアート(通称:ネイル)は美容業に含まれないため、資格を取得せずともネイルサロンを開業することは可能です。
【職種ごとの資格の要否の例】
職種 | 必要となる資格 |
美容師 | 美容師免許 |
理容師 | 理容師免許 |
アイリスト | 美容師免許 |
ネイリスト | 不要 |
たとえば、美容師の場合は国家資格の「美容師免許」が必要です。美容師法の定めにより、美容を業として行うときは厚生労働省が管轄する美容師免許が必要となるため、美容師免許を持たない人は「カット」や「カラー」などの美容業を行うことはできません。
一方、ネイリストの場合は資格が不要です。ネイルは美容業に含まれず、ネイルサービス業に含まれる関係上、国家資格や国家検定を必要としないため、ネイルサロンは美容師免許や理容師免許を持たない人でも開業することができます。
ただし、今後法律が改正されることも考えられます。美容業の定義が見直され、法律が改正されることになれば、ネイリストも資格が必要になることは考えられるため、ネイルサロンを開業したい人は法律が改正される可能性においても留意しておきましょう。
防火管理者の資格は必要になる可能性がある
ネイルサロンは資格を保有していない人でも開業できますが、防火管理者の資格は必要になる可能性があります。建物の収容人数が消防法の規定にあたる場合は防火管理責任者として防火管理者の選任が必要となるため、該当するときは防火管理者の有資格者をネイルサロンに配置しなければなりません。
【防火管理者の概要】
項目 | 概要 |
収容人数 | ・飲食店や病院などの複数の施設が入る建物の場合は30人以上 ・ネイルサロンのみの建物の場合は50人以上 |
選任条件 | ・管理的地位や監督的地位にある人 |
取得方法 | ・防火管理講習を受講して効果測定試験に合格すること ・一定の学識経験があること……など |
収容人数の規定は建物全体の状況によっても異なります。飲食店や病院などの複数の施設が入る建物の場合は30人以上ですが、ネイルサロンのみの建物の場合は50人以上となるため、収容人数の規定は建物全体の状況次第となります。
また、防火管理者の資格を取得する方法はいくつかありますが、そのうちのひとつは各自治体が実施する「防火管理講習」を受講する方法です。1日~2日間の防火管理講習を受講し、効果測定試験に合格すれば、防火管理者の資格を取得できます。
なお、防火管理者に関する規定は消防署ごとに異なる可能性があります。収容人数の定義や資格の取得方法が消防署ごとに異なる可能性もあるため、ネイルサロンを開業予定の人は開業予定地を管轄する消防署の担当者に確認することも検討してみましょう。
開業後の経営に活かせる資格と検定
ネイルに関する資格や検定を有するということは、ネイルに関する専門知識を有するということです。開業後の経営に活かせる可能性があるため、ネイルサロンを開業したい人はネイルに関する資格や検定を押さえておきましょう。
【ネイルに関する資格と検定の例】
- ネイリスト技能検定
- JNAジェルネイル検定
- JNAフットケア理論検定
- ネイルサロン衛生管理士
ネイルに関する資格や検定として挙げられるのは「ネイリスト技能検定」「JNAジェルネイル検定」「JNAフットケア理論検定」「ネイルサロン衛生管理士」です。いずれもネイルに関する資格や検定となるため、まずはそれぞれの概要を確認してみましょう。
ネイリスト技能検定
ネイルに関する検定として挙げられるのは「ネイリスト技能検定」です。ネイリスト技能検定は内閣総理大臣に認定された「公益財団法人日本ネイリスト検定試験センター(JNEC)」が主催し、ネイルに関する正しい知識や技術を身に付けられます。
【ネイリスト技能検定の概要】
等級 | 受検資格 | 概要 |
1級 | ネイリスト技能検定2級合格者 | トップレベルのネイリストに必要となる技術と知識を学べる。 |
2級 | ネイリスト技能検定3級合格者 | サロンワークに必要となるネイルケアやリペアなどの技術と知識を学べる。 |
3級 | 義務教育修了者 | ネイルケアやネイルアートに関する基本的な技術と知識を学べる。 |
ネイリスト技能検定には、3級から1級の等級があります。それぞれ受検資格が定められ、1級と2級の受検資格は下位検定に合格していることが条件となるため、ネイリスト技能検定を受ける人は、まずは3級の受検から始めることになります。
また、ネイリスト技能検定は筆記試験と実技試験を受けることになります。筆記試験はマークシート方式が採用され、実技試験は「消毒管理」「ラウンド仕上がり」「ニッパーハンドリング」「ネイルアート」などの採点項目から構成されています。
なお、ネイリスト技能検定には、合格を目指すための「通信講座」や「ネイルスクール」があります。所定の費用はかかりますが、講師の指導を受けられるため、ネイリスト技能検定を受けたい人は通信講座やネイルスクールを受講することも検討してみましょう。
JNAジェルネイル検定
ネイルに関する検定として挙げられるのは「JNAジェルネイル検定」です。JNAジェルネイル検定は「NPO法人日本ネイリスト協会(JNA)」が主催し、ジェルネイルに特化した専門的な知識や技術を身に付けられます。
【JNAジェルネイル検定の概要】
等級 | 受検資格 | 概要 |
上級 | JNAジェルネイル検定中級合格者 | ジェルネイルのスペシャリストとして必要とされる総合的な知識と技術を学べる。 |
中級 | JNAジェルネイル検定初級合格者 | ネイルケアとジェルネイルを施術するためのサロンワークに必要な専門知識と技術を学べる。 |
初級 | 義務教育修了者 | ネイルケアとジェルネイルを施術するための基礎的な知識と技術を学べる。 |
JNAジェルネイル検定には、初級から上級の等級があります。それぞれ受検資格が定められ、上級と中級の受検資格は下位検定に合格していることが条件となるため、JNAジェルネイル検定を受ける人は、まずは初級の受検から始めることになります。
また、JNAジェルネイル検定の試験形式は等級ごとに異なります。初級と中級は筆記試験と実技試験を受けることになりますが、上級は筆記試験がなく、「ファイリング」や「カラーリング」などの総合的な実技試験から合否を判断されることになります。
なお、ネイリスト技能検定の合格者はJNAジェルネイル検定の一部の課題が免除される場合があります。免除の対象者は一部の課題が免除される可能性があるため、複数の検定を受けたい人は検定を受ける順番を考えることも検討してみましょう。
JNAフットケア理論検定
ネイルに関する検定として挙げられるのは「JNAフットケア理論検定」です。JNAフットケア理論検定は「NPO法人日本ネイリスト協会」が主催し、フットケアに特化した専門的な知識を身に付けられます。
【JNAフットケア理論検定の概要】
受検資格 | 概要 |
・ネイリスト技能検定試験3級以上 ・JNAジェルネイル技能検定試験初級以上 ・JNAネイリスト技能検定国際試験3級以上 ※上記いずれかに該当する人 |
プロとしてフットケアを施術するために必要な理論を学べる。 |
JNAフットケア理論検定には、初級や上級などの等級がありません。ネイルに関する知識や技術がある人を対象にしているため、JNAフットケア理論検定を受けたい人は、まずは受検資格を満たすところから始めることになります。
また、JNAフットケア理論検定は全国のJNA認定校が会場となる120分間のセミナーを受講したのち、マークシート方式による筆記試験から合否が判断されます。合格基準は「100点満点のうち80点以上」とされ、80点以上の点数を取れた人が合格となります。
なお、JNAフットケア理論検定はフットケアに特化した検定です。ネイルサロンのメニューの幅を広げられる可能性もあるため、フットネイルをメニューに取り入れたい人はJNAフットケア理論検定の受検を検討してみましょう。
ネイルサロン衛生管理士
ネイルに関する資格として挙げられるのは「ネイルサロン衛生管理士」です。ネイルサロン衛生管理士は「NPO法人日本ネイリスト協会」が主催し、器具の消毒や設備の管理など、ネイルサロンの衛生管理に関する知識を身に付けられます。
【ネイルサロン衛生管理士の概要】
受験資格 | 概要 |
18歳以上の人 | ネイルサロンの衛生管理に関する知識を学べる。 |
ネイルサロン衛生管理士には、初級や上級などの等級がありません。受験資格は18歳以上の条件のみとなるため、ネイルサロンの実務経験を問われることはなく、18歳以上の人ならば、ネイルサロン衛生管理士を受験することが可能です。
また、ネイルサロン衛生管理士は全国のJNA認定校が会場となる180分間の講習会を受講したのち、マークシート方式による筆記試験から合否が判断されます。合格基準は「100点満点のうち80点以上」とされ、80点以上の点数を取れた人が合格となります。
なお、厚生労働省の「ネイルサロンにおける衛生管理に関する指針」に基づき、ネイルサロンを営業する場合は衛生管理の向上に努めることになります。衛生管理に関する知識が必要となるため、ネイルサロンを開業したい人はネイルサロン衛生管理士の資格を取得することを検討してみましょう。
まとめ
ネイルサロンは資格を有していない人でも開業できます。ネイルに関する資格や検定は存在しますが、それらの資格を取得せずとも開業することはできるため、ネイルサロンを開業したい人は予備知識として覚えておきましょう。
ただし、防火管理者の資格は必要になる可能性があります。建物の収容人数が消防法の規定にあたる場合は防火管理責任者として防火管理者の選任が必要となるため、該当するときは防火管理者の有資格者をネイルサロンに配置しなければなりません。
なお、ネイルに関する資格や検定を取得することにより、開業後の経営に活かせる可能性があります。ネイルサロンのメニューの幅を広げられる可能性もあるため、ネイルサロンを開業したい人はネイルに関する資格や検定を取得することも検討してみましょう。
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この記事の監修者
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
田原 広一(たはら こういち)
平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。
【書籍】
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