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猫とお客さんを幸せに!猫カフェの開業に必要な手続きや資格
猫カフェの開業を考えているけど、どのような手続きが必要なのか知りたい人もいるでしょう。猫カフェの開業に必要な資格について知りたい人もいますよね。猫カフェを開業するためには、第一種動物取扱業の登録をしたうえで、衛生管理と健康管理が重要となります。
当記事では、猫カフェの開業に必要な手続きと資格を解説します。
猫カフェを運営するうえで衛生管理と健康管理が重要
猫カフェを運営するうえでは、店舗の衛生管理と猫の健康管理が重要です。環境次第で猫が病気になってしまう可能性があるからです。
店舗の衛生管理としては、とくに猫のトイレへの対策が必要です。猫はトイレがきれいでないとストレスを感じてしまい、うまく排泄できない場合もあります。
また、トイレの臭いが原因で周辺住民や店舗とのトラブルや苦情につながる可能性があります。そのため、猫のトイレは定期的に掃除をし、合わせて換気も行いましょう。
なお、猫の健康管理や感染症対策として、定期的にワクチン接種や健康診断を行えるように、動物病院や獣医師と提携しておくと良いでしょう。
動物を扱う覚悟が必要
猫カフェを運営していくためには、動物を扱う覚悟が必要です。お店が休みでも、命を預かる責任を果たさなければならないためです。
猫の世話をする体力や時間に加えて、猫が病気やけがをしてしまった際には、数万円~数十万円の入院費や手術費などがかかります。
仮に猫カフェが閉店したとしても、最期まで責任をもつ覚悟をしたうえで開業しましょう。
営業時間は22時までと決まっている
猫カフェの営業時間は22時までと決まっています。動物愛護管理法で定められているからです。
猫カフェを22時まで営業するためには、次の3つの条件を満たしていなければなりません。
- 生後1年以上であること
- 午後8時から午後10時までの間に、休息できる設備に自由に移動できる状態で展示されていること
- 1日の展示時間が合計12時間を超えないこと
営業時間は、猫の健康管理を優先して設定するようにしましょう。
猫カフェのコンセプトを決める
猫カフェのコンセプトを決めましょう。猫カフェの主なコンセプトとしては、猫と触れ合うことが挙げられますが、他にも「猫と一緒に飲食できる」「猫関連の雑貨を販売する」「子猫の販売も行う」「里親を探す」場合もあります。
里親を探すことを目的とした猫カフェは保護猫カフェとも呼ばれ、保護された野良猫や捨て猫に触れ合えるだけでなく、里親を探す役割を担っています。
コンセプトが定まると、猫の集め先や必要な内装工事が決まりますので、自身のイメージと近い猫カフェを参考にしてみるのも良いでしょう。
お店で働いてもらう猫をどこから集めるかを決める
お店で働いてもらう猫をどこから集めるかを決めましょう。猫の集め先としては、主に4つが挙げられます。
- 保護猫
- ブリーダー
- ペットショップ
- 捨て猫
特定の品種を集めたい場合にはブリーダーに依頼をするのが良いでしょう。
動物が入居できる店舗物件を探さなければならない
動物が入居できる店舗物件を探さなければなりません。猫カフェとして利用できる物件が限られているからです。
仮に動物が入居できる物件が見つかったとしても、通常よりも保証金(敷金)が高額に設定される場合があります。さらに、契約内容も通常よりも制約を受けることがあるため、理想とする店舗を見つけるのに時間がかかる傾向があります。
開業を決めたら、まず不動産屋に相談し、情報収集を行いましょう。
なお、開業予定の地域によって猫カフェを開業できない場合もあります。物件の用途地域によっては、第一種動物取扱業を営むことができない、あるいは建築物の飼養スペースに制限がかかる地域があるからです。そのため、事前に店舗予定地の自治体に相談してみてください。
猫の安全に配慮した内装工事をする
猫の安全に配慮した内装工事をしましょう。猫が逃げ出してしまったり、怪我をしてしまったりすると、命に関わる危険性があるからです。
猫が逃げ出せないような構造にするだけでなく、換気のための空調設備やお客さん用の手洗い場など猫カフェをオープンする上で、必要な設備があります。
また、床や壁を猫が怪我をしにくい素材を使い、電気コードにはカバーをつけるといった工夫をしなければなりません。猫が怪我をしないような店舗内装を心掛けましょう。
猫のための什器や備品を揃える
猫のための什器や備品を揃えましょう。主に「ゲージ」「トイレ」「猫の食器」「キャットタワー」「爪とぎ」「ベッド」「おもちゃ」が必要です。
猫カフェは「不特定多数の人が来店する」「他の猫との共同生活」といったように、猫にとってストレスを感じやすい環境です。そのため、トイレや食器は清潔を保ち、猫がくつろげる場所(キャットタワーやベッド)を提供してあげましょう。
食べ物を提供する場合は厨房機器も必要
猫に触れ合えるだけでなく、飲食を提供する場合には厨房機器も必要です。「冷蔵庫」「コンロ」「製氷機」「食器棚」「シンク」「作業台」など、提供する料理によって、必要な厨房機器は異なります。
厨房機器が増えてしまうと、動線が確保できず、オペレーションに影響してしまう場合があります。とくに厨房スペースが限られている場合は、必要最低限の厨房機器に絞りましょう。
猫カフェを開業するのに必要な資格と許認可
猫カフェを開業するのに必要な資格や許認可としては、主に次の4つが挙げられます。
- 第一種動物取扱業
- 飲食店営業許可
- 防火管理者選任届
- 開業届
他にも必須ではありませんが、猫の健康管理に関する資格もあるので、取得の際に参考にしてみてください。なお、開業に必要な書類や届出のお役立ち資料を無料でお配りしていますので、これから猫カフェの開業を検討している人はダウンロードしてみてください。
猫カフェを開業するためには第一種動物取扱業の登録が必要
猫カフェを開業するためには第一種動物取扱業の登録が必要です。動物愛護管理法によって、動物の管理の方法や飼養施設の規模や構造などの基準を守ることが義務づけられているためです。
店舗地を管轄する保健所または動物愛護センターに申請して、第一種動物取扱業の登録を行いますが、登録に際しては動物取扱責任者を選任しなければなりません。
動物取扱責任者になるためには、次のいずれかを満たす必要があります。
- 獣医師の免許を取得していること
- 愛玩動物看護師の免許を取得していること
- 半年以上の実務経験又は実務経験と同等の1年間以上の飼養経験があって、かつ知識及び技術について1年間以上教育する学校等を卒業
- 半年以上の実務経験又は実務経験と同等の1年間以上の飼養経験があって、かつ公平性、専門性のある団体が行った試験により資格等を得ていること
資格については、自治体によって独自に要件として認めているものがあるので、事前に保健所または動物愛護センターに確認するのが良いです。
なお、動物取扱責任者は動物取扱責任者研修を1年に1回以上受講しなければならないことを覚えておきましょう。
飲食物を提供する場合は管轄の保健所に飲食店営業許可を申請する
飲食物を提供する場合には、管轄の保健所に飲食店営業許可を申請しなければなりません。食品衛生法によって定められているからです。
飲食店営業許可を申請するためには、食品衛生責任者の資格が必要です。食品衛生責任者の資格は、各都道府県の食品衛生協会が主催している養成講習会を受講すると取得できます。
講習会は毎月開催されていますが、定員になり次第締め切られるため、受けたくても受けられない場合があります。食品衛生責任者の資格には有効期限がないため、早めに取得しておくと良いでしょう。
最寄りの食品衛生協会は、日本食品衛生協会の公式サイトにある「全国の食品衛生協会」から探すことができます。
なお、猫と触れ合うことが主目的であり店舗内で調理を行わない場合には、飲食店営業許可が不要な場合もあることを覚えておきましょう。
管轄の消防署に防火管理者選任届を届け出る
収容人数が30人を超える場合、管轄の消防署に防火管理者選任届を届け出なければなりません。消防法によって防火管理が義務付けられているからです。
防火管理者選任届を提出するためには、防火管理者の資格が必要です。防火管理者の資格は、消防庁が開催している講習会を受講すると取得できます。
最寄りの講習会は、日本防火・防災協会の公式サイトにある「講習会検索画面」から探すことができます。
管轄の税務署に開業届も出す
管轄の税務署に開業届を提出しましょう。所得税法によって、開業届を提出する義務が定められているからです。
開業届のフォーマットは、国税庁の公式サイトからダウンロードできます。
また、管轄する税務署は国税庁の公式サイト「税務署の所在地などを知りたい方」で調べられるので、確認してみてください。
猫カフェを開業するためには開業届の他にも提出しなければいけない書類があります。必要書類や提出期限などをまとめたお役立ち資料は下記よりダウンロードしてみてください。
必須ではないが猫の健康管理に関する資格もとっておくことも検討
必須ではありませんが、猫の健康管理に関する資格もとっておくことも検討してみましょう。猫の健康管理ができる資格を取得する、または有資格者を雇うことで、カフェで働いてもらう猫の健康や衛生面において改善につながる場合があるからです。
猫の健康管理に関する資格には、主に次の3つが挙げられます。
- キャットケアスペシャリスト
- 猫健康管理士
- 愛玩動物飼養管理士
キャットケアスペシャリストは、日常の飼育管理方法など、猫と暮らすために必要な基礎専門知識を学ぶことができます。
猫健康管理士は、グルーミングなどのお手入れから病気や予防策などの知識を学ぶことができます。
愛玩動物飼養管理士は猫だけでなく、「ペットの習性」「正しい飼い方」「動物関係法令」「動物愛護の精神」などを学ぶことができ、全国に約20万人の有資格者がいます。
なお、動物取扱責任者になるための要件のうち動物関係の資格のひとつとして、国や多くの自治体から認められているため、資格の取得を検討している場合は愛玩動物飼養管理士を選択するのが良いでしょう。
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この記事の監修者
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
田原 広一(たはら こういち)
平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。
【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)
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