焼き鳥屋の開業で失敗する原因を解説 | 開業支援の相談なら「開業支援ガイド」

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焼き鳥屋の開業で失敗する原因を解説

焼き鳥屋の初期費用は居酒屋よりも安く、原価率も焼き肉屋よりは低い傾向がありますが、十分に準備をしないと経営に失敗して廃業する可能性もあります。そのため、これから焼き鳥屋の開業を考えている人は、焼き鳥屋の成功だけでなく、焼き鳥屋の失敗についても知ると良いでしょう。

当記事では焼き鳥屋の開業で失敗する主な原因を3つに分けて解説します。失敗する原因に応じた解説策も紹介しますので、焼き鳥屋を開きたいけれど失敗が気になるという人は、当記事を参考にしてください。

焼き鳥屋は安易に開業すると失敗する可能性がある

焼き鳥屋は安易に開業すると失敗する可能性があります。居酒屋や焼肉屋など他の飲食店が多く競合としていることや、物価上昇による外食控えのため顧客が減っていることから、焼き鳥屋の集客の難易度が上がっているからです。

【焼き鳥屋の開業で失敗する原因】

原因 具体例
事業計画や情報収集の不足による失敗 経費をかけすぎていて儲けが出ない
焼き鳥があまり美味しくない
競合の調査不足や訴求力が低いことによる失敗 近くに繁盛している店があるのに対策をしていない
これ!という競合との差別化ポイントがない
ニーズの把握不足や広告宣伝不足による失敗 お客さんが来にくい立地だった
効果のある広告宣伝ができない

焼き鳥屋は飲食店の中で開業しやすい、原価率が低いから稼げるといった声もありますが、準備や差別化をせずに開業すると失敗する可能性があります。これから焼き鳥屋を開業する人は、どのような原因で失敗するのか内容を確認し、該当する部分がないかどうかを振り返ってみましょう。

事業計画や情報収集の不足による失敗

焼き鳥屋の開業はれっきとした事業なので、事業計画を立てずにお試しでの開業や、情報収集をせずに行き当たりばったりでの開業は失敗する可能性が高まります。事業計画や情報収集における準備不足がなぜ焼き鳥屋の失敗に関係するのか、失敗例をみて確認してみましょう。

【事業計画や情報収集の不足による失敗の例】

項目 詳細
失敗例1 おしゃれな焼き鳥屋にしたいと、設備と備品にお金をかけすぎて、開業後の運転資金が足りなくなった。
解決策1 事前に設備と備品にかける費用や、開業後の運転資金の計画を立てる。
失敗例2 鶏肉の取り扱いに対する知識がなく、鮮度が悪くてまずいとクレームが入った。
解決策2 焼き鳥を作る際の基本動作を確認する。
失敗例3 焼き鳥屋のフランチャイズに入れば集客ができそう、と自分で市場調査をせず、フランチャイズからの資料を鵜呑みにして開業準備を進めたら集客できなかった。
解決策3 飲食店を開くために必要な売上、費用、利益、仕入れ、マーケティングを開業者自身で調査する。

たとえば、フランチャイズで開業する場合、集客や仕入などの失敗の原因に「経営者自らが事業計画を立てない」ことが挙げられます。フランチャイズの本部から配布された経営に関する資料と実態は異なることがあるものの、経営者が主体的に計画を立てないと差異に気づけないためです。

焼き鳥屋の経営は簡単なものではないので、事業計画を立て、情報収集をしないと失敗します。これから焼き鳥屋を開業する予定の人は、事業計画を立てるためのコンセプトを考え、コンセプトに沿った市場調査や商圏調査を忘れずに行いましょう。

なお、焼き鳥屋のコンセプトとは、どのような焼き鳥屋を開くのか、大まかな方向性を記したものです。焼き鳥屋のコンセプトの種類や考え方を知りたい人は「焼き鳥屋の開業時に必要なコンセプトを解説」を確認してみてください。

競合の調査不足により訴求力が弱いことによる失敗

競合の調査が不十分だと、焼き鳥屋を訴求する力が弱くなるため、焼き鳥屋を開業しても失敗することがあります。外食をするお客さんは焼き鳥を絶対に食べると決めているお客さんばかりではないので、焼き鳥以外の店に魅力を感じると焼き鳥屋には来店しなくなるためです。

【競合対策と差別化不足による失敗の例】

項目 詳細
失敗例1 近くに評判の焼鳥屋があるのに出店してしまった。
解決策1
  • 集客できるかを考えて物件を決める。
  • 評判の焼鳥屋を分析し、メニューやクーポンなどで差別化する。
失敗例2 競合店に合わせて価格競争したら利益率が悪くなった。
解決策2 価格以外の差別化できるポイントも考えておく。
失敗例3 ランチタイムに会社員が近隣のお弁当屋さんにばかり行く。
解決策3 焼き鳥以外の競合店も価格やメニュー内容などを調査する。

たとえば、フランチャイズに加盟する場合、フランチャイズは無条件で集客できると考え、競合調査をしないことがあります。個人店よりフランチャイズの方が店のブランド力はあるものの、個人店と同様に競合店を調査して自分の店の強みを作る必要があります。

また、競合の価格やメニューを調査する場合、焼き鳥の価格を安くすることが差別化と考えることがあります。焼き鳥の価格を安くすればお客さんは来店する可能性があるものの、安くするには限界があるので、価格以外の味やサービスでも強みを作る必要があります。

焼き鳥屋ができる解決策には「定休日を競合店とずらす」「こだわりの焼き鳥を開発する」「独自のキャンペーンを企画する」などの方法があります。競合のいるエリアで焼き鳥屋を出店する人は、出店場所周辺の特徴を調べ、競合に負けない強みを育てていきましょう。

顧客のニーズの把握不足や広告宣伝不足による失敗

顧客のニーズの把握不足やお客さんへの広告宣伝不足は、開業後の集客で失敗する原因になります。出店場所により顧客のニーズは異なるので、開業場所周辺のお客さんに合ったメニューの開発や広告宣伝をしないと焼き鳥屋に魅力を感じてもらえないためです。

【顧客のニーズの把握不足や広告宣伝不足による失敗の例】

項目 詳細
失敗例1 高齢者ばかりの立地なのに、SNS中心で広告を出していた。
解決策1 高齢者が目にしやすいポスティングやA看板などの広告に切り替える。
失敗例2 開業直後はお客さんの来店が多かったが、数か月たつとお客さんの来店が途絶えてしまった。
解決策2 毎月や隔週などで新しいメニューを打ち出す、LINEでお友達になってくれた人の割引をする、などのリピーターを増やす施策を行う。
失敗例3 A看板を出せない、ビラ配りをする費用が出せない等、焼き鳥屋を宣伝するのに苦戦する。
解決策3
  • 店舗から呼びかける、ビラ配りをする、店舗の外壁におすすめメニューを貼る。
  • InstagramやGoogleビジネスプロフィールなどのネット媒体を試してみる。
失敗例4 ビジネス街で土日は集客できないのに、土日も一日中営業していた。
解決策4 土日のうち1日は休みにし、平日の夜の営業時間を延ばすといったように営業時間を調整する。

たとえば、焼き鳥屋を開業する場所で市場調査をしない場合、どのような人が住んでいて、ランチやディナーにいくらの費用をかけているか分かりません。そのため、焼き鳥の値段をつけても、お客さんは「高い」と感じて来店しない可能性があります。

また、市場調査をして家族世帯が多いエリアだった場合、広告宣伝の方法が家族世帯が目にしない広告だと来店につながりにくくなります。そのため、駅前や公園など家族が目にすると思われる動線を選定し、「家族のご来店で〇〇をプレゼント」といった家族世帯向けの広告で訴求してみましょう。

飲食店の選択肢が多いエリアの場合、顧客のニーズを把握して広告宣伝をしないと、お客さんは焼き鳥屋に来店しません。ニーズを把握するにはアンケートをすることも有効なので、ニーズが分かりづらいエリアの場合はアンケート調査会社の利用も検討してみましょう。

まとめ

焼き鳥屋は居酒屋に比べメニュー数は少なく、焼き肉屋よりも設備投資が少ないという面はありますが、開業して失敗しないというわけではありません。焼き鳥屋が失敗する原因には「スキル不足」「競合との差別化不足」「集客のための施策不足」などが挙げられます。

また、フランチャイズで焼き鳥屋を開いて失敗する人もいます。フランチャイズは本部の認知度が活かせ、サポートがあるというメリットがありますが、ロイヤリティが発生し、仕入先が限定されるなどのデメリットもあるので、フランチャイズを利用するか検討する際は契約内容も調べてみましょう。

この記事の監修者

田原 広一(たはら こういち)

株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者

田原 広一(たはら こういち)

平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。

【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)

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