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不動産業の開業におけるコンセプトとは?作るときの手順を解説

不動産業の開業を検討している人の中には、事業のコンセプトを決めたい人もいますよね。また、コンセプトを作るときの手順が知りたい人もいるでしょう。

当記事では、不動産業の開業におけるコンセプトを解説していきます。コンセプトを設計するときの手順に加え、不動産業におけるコンセプトの具体例も紹介しているため、不動産業のコンセプトを考えている人は参考にしてみてください。

コンセプトはその事業が提供する価値や方向性を示したもの

不動産業におけるコンセプトはその事業が提供する価値や方向性を示したものです。事業コンセプトとも呼ばれ、事業が提供する価値や方向性を示し、顧客に対してのメッセージにもなるため、コンセプトの設計は不動産業を開業するときの第一歩となります。

たとえば、「不動産を活かして地域を豊かに」をコンセプトにした場合、その事業が示す価値と方向性は「不動産を活かして地域を豊かにすること」です。顧客に対してのメッセージにもなるため、目指すのは「不動産を活かして地域を豊かにすること」です。

また、「不動産を活かして地域を豊かに」をコンセプトにした場合、そのコンセプトは決めるべき事項の判断軸になります。判断に迷ったときは「不動産を活かして地域を豊かにすること」を起点にして考え、決断することにより、事業の一貫した方向性を保つことができます。

不動産業におけるコンセプトはその事業が提供する価値や方向性を示し、顧客に対してのメッセージにもなります。コンセプトを設計せずとも開業できますが、目指すべき方向が明確になるため、不動産業を開業したい人はコンセプトの作成を検討してみましょう。

コンセプトはテーマやキャッチコピーとは異なる

それぞれは似ていますが、コンセプトはテーマやキャッチコピーとは異なります。それぞれの違いを押さえておかなければ、コンセプトを設計できないことも考えられるため、不動産業を開業したい人はテーマやキャッチコピーとの違いを押さえておきましょう。

【テーマやキャッチコピーとの違い】

項目 意味
テーマ 主題のこと
コンセプト 全体を貫く観点や考え方のこと
キャッチコピー 人の注意を引く宣伝文句のこと

テーマとは、主題のことです。「文学や映画などの芸術作品を通じ、作者が伝えたいことを短く言い表したもの」と説明されることもありますが、不動産業におけるテーマは「その事業を通じ、実現したい主題」を意味します。

コンセプトとは、全体を貫く観点や考え方のことです。「骨格となる発想や一貫した構想」と説明されることもありますが、不動産業におけるコンセプトは「その事業が提供する価値や方向性を示し、全体を通しての一貫した構想」を意味します。

キャッチコピーとは、人の注意を引く宣伝文句のことです。キャッチフレーズと同じ意味として扱われ、「客を引きつけるうたい文句」と説明されることもありますが、不動産業におけるキャッチコピーは「その事業のコンセプトを伝えるために工夫された宣伝文句」を意味します。

なお、不動産業のコンセプトを作るときは、まずは事業のテーマから決める方法があります。その場合はテーマをコンセプトに落とし込むことになるため、不動産業を開業したい人は予備知識としてテーマやキャッチコピーとの違いを押さえておきましょう。

不動産業のコンセプトを作るときの手順

コンセプトの作り方に決まりはないですが、いくつかの工程に分けることにより、段階的にコンセプトを設計することができます。不動産業のコンセプトを設計したい人は、まずはコンセプトを作るときの手順としてそれぞれの工程を確認してみましょう。

【不動産業のコンセプトを作るときの手順】

  1. 主題となる事業のテーマを決める
  2. テーマをコンセプトに落とし込む
  3. 設計したコンセプトを見直す

いくつかの工程に分けることにより、段階的にコンセプトを設計することができます。各工程が前後することや並行することもありますが、段階を踏みながらコンセプトを設計したい人はひとつの参考としてそれぞれの工程を確認してみましょう。

①主題となる事業のテーマを決める

段階を踏みながらコンセプトを作る場合、主題となる事業のテーマから決めることになります。テーマを起点にしてコンセプトを設計することになるため、不動産業のコンセプトを作るときは自由にテーマを書き出すところから始めてみましょう。

【不動産業におけるテーマの例】

開業の動機 テーマの例
活用されていない土地を有効的に活用することにより、空き地問題を解決しつつ、その地域の方々に頼られる不動産屋になりたい 不動産の活性化から地域を活性化する不動産会社
築古の中古マンションをリノベーションマンションとして提供し、売主と買主のどちらの役にも立てる不動産屋になりたい 築古マンションに新たな価値を付与する不動産会社
予算の条件に合った物件を売るだけではなく、その物件が買う人の資産になるよう手助けできる不動産屋になりたい 物件を買いたい人の資産コンサルティングもできる不動産会社

テーマを書き出すときのポイントは、開業の動機や理由を振り返ることです。開業の動機や理由を振り返ることにより、開業の根幹にあたる部分に意識を向けることができるため、テーマとして取り上げたい要素が見えてくることがあります。

また、テーマが思うように出てこないときは、不動産業を通じて叶えたいことをどんどん書き出すこともポイントです。書き出した内容の良し悪しを判断せず、まずは質より量を重視することにより、テーマとなる要素を見つけられることがあります。

段階を踏みながらコンセプトを作る場合、テーマは重要な要素のひとつですが、テーマそのものに正解はありません。不動産業のコンセプトを作るときは自由にテーマを書き出すところから始めてみましょう。

テーマを決めるときは事業内容を組み合わせる方法もある

不動産業のテーマを決めるときは、事業内容を組み合わせることも方法のひとつです。不動産業は「宅地建物取引業」「不動産管理業」「不動産賃貸業」に大別されますが、それらを掛け合わせることにより、事業の独自性につながる可能性もあるからです。

たとえば、宅地建物取引業と不動産管理業を組み合わせた場合、「相続した不動産を負動産にしないプロ集団」といったテーマも考えられます。相続した不動産の活用方法を助言し、売却と賃貸の両方に対応できれば、競合店との差別化が図れるかもしれません。

また、宅地建物取引業と不動産賃貸業を組み合わせた場合、「築古物件に新たな価値を創り出す」といったテーマも考えられます。売却が難しい物件をリノベーションし、自社の賃貸物件にすることができれば、不動産を運用する強みを持てるかもしれません。

不動産業のテーマを決めるときのポイントのひとつは、いくつかの事業内容を組み合わせることです。独自のテーマを考えたい人は事業内容を組み合わせることも検討してみましょう。

②テーマをコンセプトに落とし込む

主題となる事業のテーマを決めた後は、そのテーマをコンセプトに落とし込むことになります。コンセプトは顧客に対してのメッセージにもなるため、テーマをコンセプトに落とし込むときは、まずは何を伝えたいのかを言語化してみましょう。

【不動産業におけるコンセプトの例】

テーマの例 コンセプトの例
不動産の活性化から地域を活性化する不動産会社 不動産の活性化から地域の活性化へ。
築古マンションに新たな価値を付与する不動産会社 築古マンションに新たな価値を。
物件を買いたい人の資産コンサルティングもできる不動産会社 不動産の価値をカタチにする。

コンセプトを言語化するときのコツは、誰に何を伝えたいのかを整理することです。コンセプトはその事業が提供する価値や方向性を示すため、顧客となる人物像を想像することにより、コンセプトとして伝えたいメッセージが見えてくることがあります。

また、コンセプトが思うように出てこないときは、他の不動産会社のコンセプトを参考にすることもポイントです。他の不動産会社のコンセプトを参考にすることにより、コンセプトのヒントとなる要素をつかめることがあります。

コンセプトには、事業に対する想いや考えが反映されます。テーマとの整合性が重要になるため、テーマをコンセプトに落とし込むときは、それぞれを照らし合わせながら伝えたいメッセージを言語化するところから始めてみましょう。

テーマを落とし込むときはコンセプトシートを作成する方法もある

テーマをコンセプトに落とし込むときは、コンセプトシートを作成することも方法のひとつです。テーマをコンセプトに落とし込めなかった人はフレームワークの「5W2H」の視点からコンセプトシートを作成してみましょう。

【コンセプトシートのイメージ】

たとえば、事業の根幹となる要素は「why(なぜ)」に該当します。「なぜ不動産業を始めるのか?」「なぜこの事業内容にしたのか?」「なぜこの会社名なのか?」など、事業の根幹にあたる部分は「why(なぜ)」に当てはめることになります。

また、顧客の要素は「who(誰に)」に該当します。「年齢層のターゲットは?」「性別のターゲットは?」「職業のターゲットは?」など、ターゲット層とも言われる顧客の部分は「who(誰に)」に当てはめることになります。

テーマをコンセプトに落とし込めない人はコンセプトシートを作成することも方法のひとつです。コンセプトを落とし込むことに苦戦している人はフレームワークの「5W2H」の視点からコンセプトシートを作成してみましょう。

③設計したコンセプトを見直す

テーマをコンセプトに落とし込めた後は、最後の工程として設計したコンセプトを見直すことになります。設計したコンセプトに違和感がある場合は考え直す余地があるため、コンセプトを見直すときは違和感があるかどうかを確認してみましょう。

【コンセプトを見直すときのポイント】

  • テーマとコンセプトの整合性はとれているか?
  • 事業として実現できるコンセプトになっているか?
  • メッセージとして伝わるコンセプトになっているか?

たとえば、事業として実現できるコンセプトになっているかどうかは、設計したコンセプトを見直すときのひとつのポイントです。事業として実現が難しければ、その価値を顧客に提供できず、非現実的なコンセプトになってしまいます。

また、メッセージとして伝わるコンセプトになっているかどうかは、設計したコンセプトを見直すときのもうひとつのポイントです。コンセプトの内容が難しければ、メッセージが顧客に伝わらず、事業の魅力も伝えきれないかもしれません。

設計したコンセプトに違和感がある場合、その価値を提供できず、メッセージが伝わらないことも考えられます。コンセプトに正解はないですが、設計したコンセプトに違和感がある人はコンセプトを見直すことを検討してみましょう。

設計したコンセプトを見直すときは第三者に相談する方法もある

設計したコンセプトを見直すときは第三者に相談することも方法のひとつです。不動産業の知識や経験がある人に相談することにより、事業の実現性の観点から助言をもらえ、より良いコンセプトを設計できる可能性があるからです。

たとえば、不動産業の経営者が身近にいる場合、その人に設計したコンセプトを見てもらえるかもしれません。経営者の視点からヒントやアドバイスをもらえる可能性もあるため、不動産業の経営者に相談することも方法のひとつです。

また、不動産会社が開催する交流会に参加することにより、参加者の方々に設計したコンセプトを見てもらえるかもしれません。実務の経験からヒントやアドバイスをもらえる可能性もあるため、交流会の参加者に相談することも方法のひとつです。

不動産業の知識や経験がある人に相談することにより、事業の実現性の観点から助言をもらえ、より良いコンセプトを設計できる可能性があります。設計したコンセプトを見直したいときは不動産業の知識や経験のある人に相談することも検討してみましょう。

不動産業のコンセプトの一覧表

今回は不動産会社のコンセプトを一覧表にしました。10社のコンセプトを紹介しているため、不動産業におけるコンセプトの具体例が知りたい人は参考にしてみてください。

【不動産会社のコンセプト一覧表】

会社名 コンセプト
クオリアハウス株式会社 営業(セールス)から提案(コンサルティング)へ
エムズワールド株式会社 時代とともに進み続ける不動産業の新たなスタンダードへ。
株式会社リーフル 総合的な不動産サポートで、お客様の「むこう」へのお手伝いをいたします。
ユナイテッド不動産株式会社 「小規模・築古」物件が、本来持つ真価を掘り起こし、新たな価値を創り出します。
株式会社アーウィン 不動産を通して夢をつくる。つなぐ。
今村不動産株式会社 暮らしを見つめ、課題を紐解き、新しい不動産価値を生み出し、より良い社会をめざす。
株式会社カーマトラスト 不動産価値の再創造
三和エステート株式会社 人生に、経営力。
株式会社創不動産事務所 ヒトとモノをつなぐ、縁を創ります。
株式会社仙台協立 「あったら、いいな」をカタチにする

今回紹介した不動産会社のコンセプトには、事業に対する想いや考えが込められています。いずれも参考になるコンセプトとなるため、気になるコンセプトがあった人は不動産会社の公式サイトを覗いてみることも検討してみてください。

コンセプトは事業の価値を伝えるアピールポイントにもなる

コンセプトは事業の価値を伝えるアピールポイントにもなります。コンセプトを伝える機会はさまざまあるため、不動産業を開業する目的としてコンセプトを設計するときは、事業の価値を伝えるアピールポイントになることも念頭に置いておきましょう。

たとえば、事業を紹介する目的としてホームページを活用する場合、ホームページにコンセプトを載せることも方法のひとつです。メッセージとしてコンセプトを載せることになるため、事業の価値観をアピールすることができます。

また、事業を紹介する目的としてSNSを活用する場合、TwitterやInstagramなどのSNSにコンセプトを載せることも方法のひとつです。広報活動の一環としてコンセプトを載せることになるため、事業の価値観をアピールすることができます。

設計したコンセプトを伝える機会はさまざまです。テレビや雑誌などのメディアに取り上げられ、コンセプトが紹介されることもあるため、不動産業のコンセプトを設計するときはコンセプトを世に発信する可能性においても考えておきましょう。

まとめ

不動産業におけるコンセプトはその事業が提供する価値や方向性を示したものです。事業コンセプトとも呼ばれ、事業が提供する価値や方向性を示し、顧客に対してのメッセージにもなるため、コンセプトの設計は不動産業を開業するときの第一歩となります。

また、不動産業のコンセプトを作るときは事業のテーマから決めることも方法のひとつです。その場合はテーマをコンセプトに落とし込むことになるため、不動産業のコンセプトを考えている人はテーマやキャッチコピーとの違いを押さえておきましょう。

そして、コンセプトは事業の価値を伝えるアピールポイントにもなります。コンセプトを伝える機会はさまざまあるため、不動産業を開業する目的としてコンセプトを設計するときは、コンセプトを世に発信する可能性においても考えておきましょう。

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この記事の監修者

田原 広一(たはら こういち)

株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者

田原 広一(たはら こういち)

平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。

【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)

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