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不動産仲介業として開業するときのポイントを解説
不動産仲介業として開業する場合、不動産仲介業特有のポイントがあります。不動産仲介業を始めたい人は、まずそのポイントを押さえておきましょう。
当記事は、不動産仲介業として開業するときのポイントを解説します。不動産仲介業を始めたい人は参考にしてみてください。
まずは開業前のポイントを押さえる
不動産業仲介業を始めるときには、開業前に確認すべきポイントがあります。開業前のポイントを押さえておかなければ、開業することが難しくなる可能性もあるため、不動産業仲介業を始めたい人は開業前のポイントを押さえておきましょう。
【開業前のポイント】
- 事業内容
- 資格取得
- 開業資金
開業前のポイントとして挙げられるのは「事業内容」「資格取得」「開業資金」です。いずれも不動産仲介業における開業前のポイントとなるため、不動産仲介業を始めたい人は各項目を確認してみましょう。
事業内容
開業前のポイントとして挙げられるのは「事業内容」です。不動産業の事業内容は「宅地建物取引業(不動産仲介業)」「不動産管理業」「不動産賃貸業」に大別されるため、まずは想定している事業内容が不動産仲介業に当てはまるかどうかを確認してみましょう。
【不動産業における事業内容の概要】
項目 | 概要 |
宅地建物取引業 (不動産仲介業) |
「宅地や建物の売買」「宅地や建物の売買または賃借の代理」「宅地や建物の売買または賃借の仲介」を行う事業のこと。売買や仲介などの事業を営利目的として不特定多数の人に継続的に行う場合が該当。 |
不動産管理業 | 「不動産を所有するオーナーから管理業務の委託を受ける事業」のこと。オーナー対応や入居者対応などの業務も含まれ、賃貸住宅や分譲マンションの管理業務を行う場合が該当。 |
不動産賃貸業 | 「土地や建物などの不動産を賃貸し賃料を得る事業」のこと。地主や大家と呼ばれ、自らが保有する土地や建物などの不動産を第三者に貸し出し、営利目的として不特定多数の人に継続的に行う場合が該当。 |
不動産仲介業とは、宅地や建物などの不動産における売主と買主または貸主と借主の仲介をする事業のことです。売買や仲介などの事業は宅地建物取引業(略称:宅建業)と呼ばれ、不動産仲介業はその中でも仲介にあたる事業を指します。
「宅地建物取引業」「不動産管理業」「不動産賃貸業」のいずれも不動産を取り扱う点は共通していますが、不動産管理業と不動産賃貸業の場合は不動産の売買や仲介などの事業は行わないため、不動産管理業と不動産賃貸業は不動産仲介業に該当しません。
なお、管理業務の委託を受けたい場合や自己所有の不動産を貸し出したい場合も同様、不動産仲介業に該当しません。不動産仲介業を始めたい人は想定している事業内容が不動産仲介業に当てはまるかどうかを確認してみましょう。
資格取得
開業前のポイントとして挙げられるのは「資格取得」です。不動産仲介業を営む場合は「宅地建物取引士(略称:宅建)」の資格が必要となるため、不動産仲介業を始めたい人は宅地建物取引士の資格の概要を確認してみましょう。
【宅地建物取引士資格試験の概要】
項目 | 概要 |
受験資格 | 日本国内の居住者ならば、年齢や学歴等に関係なく受験可能 |
試験形式 | 四肢択一式(50問/2時間) ※登録講習修了者は45問 |
試験会場 | 原則として居住している都道府県ごとに定められた試験会場 |
試験日時 | 例年10月中旬 |
合格発表 | 例年11月中旬 |
受験手数料 | 8,200円 |
宅地建物取引士の資格を取得するには、不動産適正取引推進機構が年一回実施する宅地建物取引士資格試験に合格する必要があります。宅地建物取引士資格試験の試験形式は50問四肢択一式ですが、所定の登録講習修了者は5問免除されます。
また、宅地建物取引士資格試験の試験科目は「権利関係」「宅建業法」「法令上の制限」「税・その他」です。合格者数を一定数にすることを目的とした「相対評価方式」が採用されている関係上、宅地建物取引士資格試験の合格ラインは毎年変動しています。
なお、宅地建物取引士として活動するには、試験合格後に「宅地建物取引士の登録」と「宅地建物取引士証の交付」が必要です。受験から交付までの流れも掲載されているため、不動産仲介業を始めたい人は不動産適正取引推進機構の公式サイトにある「宅建試験の概要」を確認してみましょう。
開業資金
開業前のポイントとして挙げられるのは「開業資金」です。不動産仲介業を営む場合は事務所の設置が必要となるため、不動産仲介業を始めたい人はその前提を踏まえつつ、開業資金の内訳を確認してみましょう。
【不動産仲介業における開業資金の内訳のイメージ】
内訳 | 費用 |
物件取得費用 | 50万円 |
内装工事費用 | 250万円 |
機械/什器/備品費用 | 100万円 |
家賃(3か月分) | 180万円 |
人件費(3か月分) | 150万円 |
広告宣伝費(3か月分) | 60万円 |
業界団体の加入費用 | 140万円 |
弁済業務保証金分担金 | 60万円 |
その他(宅建業免許の申請費用含む) | 10万円 |
※イメージとなるため、実際の費用とは異なります。
不動産仲介業を営む場合は事務所の設置義務があるため、「物件取得費用」や「内装工事費用」などの物件まわりの費用を考慮することになります。3か月分程度の家賃を用意することになれば、物件まわりの費用が開業資金の半分程度を占める可能性もあります。
また、不動産仲介業を営む場合は「営業保証金」を国に供託する必要があります。営業保証金は1,000万円かかりますが、全日本不動産協会や全国不動産協会に加入する場合は免除され、その代わりとして弁済業務保証金分担金を60万円支払うことになります。
なお、宅地や建物などの不動産を仕入れる場合はその分の費用を開業資金に含めることになります。仕入れにかかる費用を含めることになるため、宅地や建物などの売買も検討中の人はその前提を踏まえつつ、開業資金の目安を算出することを検討してみましょう。
次は開業後のポイントを押さえる
開業前のポイントを押さえた人は、次は開業後のポイントを確認してみてください。とくに、実務経験がない人は開業後の経営を左右するポイントになるため、不動産仲介業を始めたい人は開業後のポイントも押さえておきましょう。
【開業後のポイント】
- 人脈づくり
- 集客方法
- 独自性
開業後のポイントは「人脈づくり」「集客方法」「独自性」です。これらのポイントは開業後の経営を左右することも考えられるため、不動産仲介業を始めたい人はそれぞれの項目を確認してみましょう。
人脈づくり
開業後のポイントとして挙げられるのは「人脈づくり」です。不動産仲介業として開業する場合、人脈づくりは開業後の経営を左右する可能性もあるため、不動産仲介業を始めたい人は開業後のポイントとして押さえておきましょう。
【人脈を広げられる場の例】
- 同じ業種の人が集まる勉強会に参加する
- 業界団体が主催するイベントに参加する
人脈を広げられる場として挙げられるのは「勉強会」です。民間企業や公的機関などの不動産関連の勉強会に参加することにより、不動産仲介業者の方々と知り合うきっかけになるため、不動産に関する知識を学びつつ、人脈を広げられる可能性があります。
また、人脈を広げられる場として挙げられるのは「イベント」です。全日本不動産協会や全国不動産協会などのイベントに参加することにより、業界団体の方々と知り合うきっかけになるため、経営に関する知識を学びつつ、人脈を広げられる可能性があります。
なお、勉強会やイベントに参加することにより、税理士や行政書士などの不動仲介業に関連する士業種の方々と出会える可能性もあります。不動産仲介業を始めたい人は勉強会やイベントに参加することも検討してみましょう。
集客方法
開業後のポイントとして挙げられるのは「集客方法」です。不動産仲介業として開業する場合、集客方法は開業後の経営を左右する可能性もあるため、不動産仲介業を始めたい人は開業後のポイントとして押さえておきましょう。
【集客方法の例】
- ホームページやSNSの活用
- セミナーや無料相談会の開催
集客方法の候補として挙げられるのは「ホームページやSNSの活用」です。ホームページやSNSを活用することにより、不動産の売買や賃貸の仲介を依頼したい人に向けた情報を発信できるため、集客方法のひとつとして検討の余地があります。
また、集客方法の候補として挙げられるのは「セミナーや無料相談会の開催」です。セミナーや相談会を開催することにより、不動産の売買や賃貸の仲介を依頼したい人に向けた情報を発信できるため、集客方法のひとつとして検討の余地があります。
なお、集客方法を考えるときは「オンライン商談」を取り入れることも方法のひとつです。オンライン商談を取り入れることにより、遠方の顧客に対しアプローチできるため、集客方法を考えるときはオンライン商談を導入することも検討してみましょう。
独自性
開業のポイントとして挙げられるのは「独自性」です。不動産仲介業として開業する場合、独自性は開業後の経営を左右する可能性もあるため、不動産仲介業を始めたい人は開業後のポイントとして押さえておきましょう。
【独自性を高められる例】
- 特定の事業内容に強くなる
- 所縁のある地域を開業場所にする
たとえば、特定の事業内容に強くなることにより、独自性を高められる可能性があります。一人暮らしの女性向けの賃貸物件を中心に扱うなど、特定の事業内容に強くなることにより、数ある仲介業者との差別化を図ることができるかもしれません。
また、所縁のある地域を開業場所にすることにより、独自性を高められる可能性があります。土地や建物の所有者とネットワークが築けている地域など、所縁のある地域を開業場所にすることにより、数ある仲介業者との差別化を図ることができるかもしれません。
なお、独自性を考えるときは、仲介業以外の事業内容を掛け合わせることも方法のひとつです。住宅管理を行うなど、仲介業以外の事業内容に手を広げることにより、数ある仲介業者との差別化を図れる可能性もあるため、不動産仲介業を始めたい人は仲介業以外の事業内容も検討してみましょう。
まとめ
不動産仲介業として開業する場合、いくつかのポイントがあります。ポイントを押さえておかなければ、開業することが難しくなる可能性もあるため、不動産仲介業を始めたい人は開業前のポイントを確認してみてください。
また、開業後のポイントを押さえることにより、開業後の経営を軌道に乗せるヒントを得られる可能性があります。開業後のポイントは「人脈づくり」「集客方法」「独自性」となるため、不動産仲介業を始めたい人はそれぞれのポイントを押さえておきましょう。
なお、開業に関する不安や悩みがある人は専門家に相談することも検討してみてください。専門家に相談することにより、開業後の経営に関するヒントを得られる可能性もあるため、開業に関する不安や悩みがある人は専門家に相談することも検討してみましょう。
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不動産(販売・仲介・内外装・リフォーム)
この記事の監修者
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
田原 広一(たはら こういち)
平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。
【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)
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