- ホーム
- 介護事業者が利用できる助成金には何がある?
接骨院・介護・福祉・医療
介護事業者が利用できる助成金には何がある?
介護事業者が利用できる助成金といえば職場定着助成金の「介護労働者雇用管理制度助成コース」や「介護福祉機器助成コース」が知られていますが、平成30年の4月1日から職場定着助成金が人材確保等支援助成金に統合されることになりました。 人材確保等支援助成金を含め、介護事業者にオススメの助成金をご紹介します。
1.人材確保等支援助成金(介護労働者雇用管理制度コース/介護福祉機器助成コース)
4月1日以降、職場定着支援助成金が人材確保等支援助成金に統合されることになりました。統合に伴い、変更となっている箇所もあります。それぞれのコースの概要をご紹介しておきます。
(1)介護労働者雇用管理制度コース
従来の職場定着助成金から大きな変更はありません。介護業界の人材不足の解消の介護に従事する労働者の賃金制度の整備等により離職率の低下や職場への定着率を高める事を目的としています。
助成金の概要
助成金でよく見る「生産性要件」とは、1人(雇用保険被保険者が対象)当たりの労働生産性を向上されると助成額が高くなりますよという要件です。
生産性の判断は、助成金の支給申請を行う直近の会計年度における生産性が下記のいずれかに該当する場合を言います。
下記の算出しきを利用して、生産性がどのようになっているか確認してみましょう。生産性が上がっていれば20万円近く助成金額が高くなりますよ。
助成金支給までの流れ
(2)介護福祉機器助成コース
介護福祉機器助成コースは、助成金の対象となる介護福祉機器の部分が変更となりました。それ以外に大きな変更はありません。
介護福祉機器助成コースは、介護福祉機器の導入により、雇用管理改善を促進し、労働差の視力率の低下や職場への定着率を高めることを目的としています。
助成金の概要
助成金対象となる介護福祉機器
新たに、装着型移乗介助機器が含まれました。
助成金支給までの流れ
2.キャリアアップ助成金
上記でご説明した助成金は主に、介護事業者向けの助成金ですが、介護事業者向け以外にも利用した助成金があります。そのひとつがキャリアアップ助成金です。
キャリアアップ助成金は非正規雇用者のキャリアアップを促進し、労働者の意欲や能力の向上を目的とし、事業主側にとっても事業の生産性の向上や優秀な人材の確保に役立つという側面を持っています。
基本的な申請要件等は厚生労働省によるパンフレットをご確認ください。
キャリアアップ助成金の詳細「キャリアアップ助成金のご案内」厚生労働省
平成30年4月1日から一部要件の変更が予定されているキャリアアップ助成金の3つのコースをご紹介します。
(1)正社員化コース
有期契約の労働者等を正規雇用労働者に転換した場合や直接雇用に切り替えた場合などに条件に応じて最大57万円の助成金が支給されます。
平成30年4月1日に変更となった箇所は以下の通りです。
変更点1:支給申請の上限人数が拡充
1年度に支給申請を行える上限人数が1事業所あたり15名でしたが、20名に拡充されました。
変更点2:支給要件の追加
支給要件が2つ追加されました。
(2)賃金規定等共通化コース
有期契約労働者等に対し、正規雇用労働者と同じ賃金規定を新しく設定し、適用した場合に助成金が支給されます。
平成30年4月1日以降は助成額に対する加算措置が加えられました。
賃金規定共通化の適用を受ける対象労働者の二人目以降(上限20人まで)については、対象労働者1人あたり、中小企業で20,000円(生産性要件を満たす場合24,000円)、中小企業以外で15,000円(生産性要件を満たす場合18,000円)が加算されます。
(3)諸手当制度共通化コース
有期契約行動者等に対し、正規雇用労働者と同じ諸手当制度を新しく設定し、適用した場合に助成金が支給されます。
平成30年4月1日以降は新たに、2つの加算措置が設定されました。
追加1:共通化の対象となる労働者2人目以降、人数に応じて助成額が加算されます。(上限20人まで)対象労働者1人あたり、中小企業で15,000円(生産性要件を満たす場合18,000円)、中小企業以外で12,000円(生産性要件を満たす場合14,000円)
追加2:正規雇用労働者と同じ諸手当の数に応じて2つ目以降の諸手当に対して助成額が加算されます。諸手当数1つあたり、中小企業で160,000円(生産性要件を満たす場合192,000円)、中小企業以外で120,000円(生産性要件を満たす場合144,000円)
キャリアアップ助成金は事前にキャリアアップ計画の提出が必要となりますが、従業員のモチベーションアップにも役立つ内容となるため、是非活用していただきたいと思います。
3.女性の活躍が多い介護業界むけ「両立支援等助成金」
介護業界は女性の活躍が多い職種と言えます。また、近年では、男性の育児参加も当たり前になっていますよね。また、ご家族の介護をされている方も多くなっています。
そこで、活用したい助成金が「両立支援等助成金」です。両立支援等助成金には6つのコースがあります。
「育児休暇等支援コース」「出生時両立支援コース」「介護離職防止支援コース」は比較的取り組みやすいコースではないでしょうか?
こちらの助成金は4月1日の変更要件に大きな変化はありませんが、短時間正社員も適用対象となります。
【短時間正社員とは】
下記の要件にすべて該当している労働者を短時間正社員と言います。ただし、社内で短時間正社員の制度があることを前提としていますのでご注意ください。
両立支援等助成金の詳細に関しては厚生労働省のパンフレットをご確認ください。
まとめ
厚生労働省が取り扱う助成金は雇用保険に加入している事業者で、要件を満たしていれば申請することでお金を支給してもらうことが出来ます。
返済の必要もありませんし、雇用保険を納めているならば絶対に利用したほうが良いですよね。ただし、助成金はすぐにお金が入ってくる訳ではありませんので注意してください。
また、支給申請の手続が少し難しいと感じることがあるかもしれません。助成金申請については社労士に依頼すると手続をおこなってくれます。
助成金に詳しい社労士を探したい!という方は下記のサイトでお近くの社労士を探すことができます。是非ご活用ください。
関連記事
接骨院・介護・福祉・医療
この記事の監修者
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
田原 広一(たはら こういち)
平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。
【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)
開業に関するお悩みサポートします!
- どの金融機関から、いくらくらい資金調達すればいいか知りたい
- 開業時に必要な届出や書類を知りたい
- 開業に関する手続きをスムーズに行いたい
開業支援ガイドを運営する株式会社SoLabo(ソラボ)は、
事業用融資や補助金の申請支援をはじめとした、起業家支援を行う会社です。
6,000件以上の融資支援、1,300件以上の補助金支援の実績と専門知識で、あなたの開業をサポートいたします。