飲食店を経営するならどんな保険に加入するべき? | 開業支援の相談なら「開業支援ガイド」

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飲食店を経営するならどんな保険に加入するべき?

お店の経営では、いつどんなトラブルが起きてしまうか分かりません。

飲食店を経営するなら、「もしも」に備えて保険には入っておきたいですよね。

この記事では飲食店を経営する場合に加入するべき保険をご紹介していますので、「もしも」のときの負担を減らしましょう。

火を使う飲食店には火災保険が必須

飲食店では、火は日常的に使うもの。

いざ火災が発生したときに備え、火災保険には加入しておきましょう。

火災保険の一種である「店舗総合保険」に入っておくと、火災以外にも水災や爆発事故などにも対応してもらえます。

保険会社によりますが、店舗総合保険では建物だけでなく什器や商品も保証の対象です。

飲食店なら、厨房の食洗機などの設備も補償対象に入ります。

火災や爆発などの事故は損害額が大きいので、火災や爆発事故に手厚い補償をしてくれる保険商品を選びましょう。

施設賠償責任保険に入ってお客様が怪我をした時に対応

施設の利用でお客様に損害を与えてしまうことは、お店やお客様が気をつけていても避けられないこともありますよね。

たとえば濡れた床で滑って怪我をする、尖ったインテリアで服に穴が空くなど、施設の利用によってお客様が怪我をしてしまうことや、お客様の持ち物が壊れてしまうことがあります。

ほかにも水漏れのために下の階や隣の建物に損害を与えてしまうことや、お店の看板が倒れてお客様の車を傷つけてしまうこともあります。

施設の利用によって怪我をしたお客様や周囲の人への補償に対応してくれるのが、「施設賠償責任保険」。

施設賠償責任保険に入っておくと、お客様への補償金をしっかりお支払いしながら、店舗の運営を維持できます。

飲食店での食中毒などの賠償には生産物賠償責任保険

飲食店でのトラブルの中で、必ず考えなければならないのは食中毒や料理への異物混入です。

お店で作ったものでお客様に被害があったとき、補償してくれるのが「生産物賠償責任保険」。

食中毒以外にも、料理に入っていたプラスチックでお客様が怪我をしたり、スープや鉄板など熱い料理の配膳中にお客様にやけどをさせてしまったりしたときにも補償の対象になります。

店舗だけでなくお客様のためにも、必ず加入しておくべき保険です。

テナントを借りた飲食店なら借家人賠償責任保険も検討しよう

火災事故などで建物に被害が出たときに、テナントを借りている飲食店ならテナントのオーナーに対して賠償責任が発生します。

このとき保険に入っていないと、全ての賠償金を自己負担で払うことになってしまう可能性があるので心配ですよね。

万が一事故がおきてしまってもオーナーへの補償をしっかり支払えるように、借家人賠償責任保険への加入も検討しましょう。

お客様の人格権侵害への補償特約にも加入すると安心

飲食店の経営では、無銭飲食などのトラブルもありえます。

そのときに違うお客様を捕まえてしまうと、お客様の人格権侵害となってしまうことがあります。

お客様の人格権侵害への補償は店舗総合型保険などの特約として用意されていることが多いので、入っておくともしものときにお客様へのご迷惑を最小限にとどめられます。

飲食店の休業でも店舗休業保険で粗利を補償してもらえる

「店舗休業保険」は、災害などで店舗を仕方なく休業したときに粗利益を補償してもらえる保険です。

補償金額は1日の粗利益がいくらぐらいになるかで変わりますが、保険会社によっても上限金額が違うので、保険会社や代理店に問い合わせて確認しましょう。

ただし、店舗側に重大な過失がある場合は、故意と同じことだと判断されるので補償はされません。

例えば、経営者や従業員が車のアクセルとブレーキを間違えてしまって、誤って車を店舗に衝突させたときも補償はしてもらえません。

ほかにも冷蔵庫のスイッチを切ってしまっていて中身の食材が傷んでしまったために休業するケースも、補償の対象にはなりませんので機器の取り扱いには気をつけましょう。

万引きによる被害での休業は店舗休業保険の対象にはなりませんが、大きな窃盗事件などでやむを得ず休業したときには補償の対象になります。

従業員への社会保険

アルバイトやパートの従業員も、正社員と同じく生活のために仕事をしています。

時給が同じ仕事なら、しっかり保険に入った会社で働きたいと思うのは自然なことです。

非正規社員であっても社会保険に加入できるようにしておくと、「従業員の保険や生活を考えてくれている働き先」として求人に応募してもらいやすくなります。

保険の選び方のポイントは?

掛け金と補償金額の関係

飲食店などの事業のための保険は、「店の面積」と「補償金額」によって掛け金が変わります。

最大の補償額が1,000万円の保険なら大きな損失が出たときにはたくさんの補償金が降りますが、補償金は「損失額」の分しか出ないので、「掛け金に対してそんなに大きい補償金は必要なかった」というケースがあります。

どれくらいの金額を補償してもらうのか、しっかり考えて保険を選びましょう。

オプションとして特約にどんな補償があるかで選ぶ

保険のオプションとして、どんな特約を選ぶことができるかで保険を選ぶこともできます。

火災や爆発事故のあとの片付けに必要な費用を補償する特約や、店舗を復旧できるまで仮の店舗で営業するための費用を補償してくれる特約もあります。

「営業を再開しました!」と宣伝や広告を出すための費用を補償してくれる特約もあり、特約を含めた補償の範囲はかなり手厚いものです。

全ての特約に加入すれば安心ですが、その分掛け金は高くなるので必要な特約のみ選びましょう。

不動産屋がすすめる保険も他の保険と比較検討しよう

テナントを借りて飲食店を経営する場合、テナントを扱っている不動産屋からも「店舗総合保険」のおすすめをされることがあります。

不動産屋は保険の専門家ではないので、おすすめされた店舗総合保険の補償内容や掛け金が自分の飲食店に最適とは限りません。

補償の内容が幅広すぎて、必要な補償内容よりも高い掛け金がかかってしまう可能性もあります。

そのため不動産屋に保険をすすめられたときにもすぐに契約せず、一度は持ち帰って内容をよく確認して、他の保険とも比較して選ぶことが大切です。

保険の加入方法は大きく3つ

保険会社と直接契約する

メリットは、保険会社の社員から詳しい保険内容の説明が受けられること。

デメリットは、他社の保険と比較するためには自分で複数の保険会社の社員と相談をして、説明を受ける必要があることです。

代理店で契約する

大きなメリットは、複数の保険会社の商品を扱っているスタッフに、公平な立場からおすすめの保険の提案が受けられること。

保険の知識に自信がない人や、複数の資料を比較して公平に保険を選びたい人におすすめです。

デメリットとしては、スタッフから保険会社へ問い合わせる必要がある場合、手続きに少し時間がかかることです。

代理店は歴史がまだ短く、閉店してしまう可能性もあります。

ただし保険の契約は保険会社との締結になるので、代理店が閉店してしまっても保険会社との契約は有効です。

インターネットから契約する

メリットは、問い合わせや相談を自宅から送れることと、人件費がかかりにくいために保険料が安くおさえられること。

デメリットとしては、営業の担当者がついてくれないことです。

保険に対する知識に自信がない場合などは、何を相談すればいいかもまとめにくいので相談自体が難しいことがあります。

問い合わせも基本的には電話で行うので、目の前で資料などを見せてもらえないのもデメリットです。

まとめ

飲食店の経営では、火災や爆発など、店舗に被害をもたらすさまざまなトラブルにそなえなくてはなりません。

「店舗総合型の火災保険」に加入しておくと、爆発事故や水災などにも対応してくれるので安心です。

お客様や周囲の人へ被害を与えてしまった場合の補償をしっかりお支払いできるように備えるために、「施設賠償責任保険」と「生産物賠償責任保険」にも入っておくべきでしょう。

さらに保険に入っておくことは、被害を与えた相手や店舗だけでなく、飲食店で働く従業員へきちんと給与を支払い、その生活を「もしも」のときでも支え、守ることにも繋がります。

自分の飲食店ではどの補償を選べば良いのか迷ったら、保険の代理店などでスタッフさんにたずねると適切な保険を勧めてくれるので相談してみましょう。

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この記事の監修者

田原 広一(たはら こういち)

株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者

田原 広一(たはら こういち)

平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。

【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)

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