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フランチャイズ

ハウスクリーニングを開業するための方法を解説

これからハウスクリーニングの事業を始めたいと思い、どのような方法で開業すればいいのか知りたい人もいますよね。ハウスクリーニングを開業するには、いくら資金が必要なのかを知りたい人もいるでしょう。

ハウスクリーニングは車両や掃除用具があれば開業することができます。しかし、ハウスクリーニングに関する知識や技術を身に付けていないとうまくいかない場合があります。

当記事では、ハウスクリーニングを開業するための方法を解説します。ハウスクリーニングの開業に関心がある人は、当記事を参考に検討してみてください。

ハウスクリーニングを始めるときに資格は不要

ハウスクリーニングを始めるときに、原則として資格は不要です。そのため、車両や掃除用具があれば、ハウスクリーニングを開業することができます。

たとえば、清掃業の中でも建築物清掃業として登録する場合には、清掃作業監督者を選任しなければならず、清掃作業監督者になるためにはビルクリーニング技能士または建築物環境衛生管理技術者の国家資格が必要です。

一方、ハウスクリーニングの場合は原則として資格が不要となるため、清掃業の中でも開業しやすい傾向があり、ハウスクリーニング業界での勤務経験がなくても始められます。

なお、ハウスクリーニングを開業する際の資格は不要ですが、ハウスクリーニング技能士を取得することにより、ハウスクリーニングに関する知識や技術があることを国から認められます。自身のスキルアップやアピールの一環として、ハウスクリーニング技能士の取得を検討してみましょう。

個人事業主の場合は開業届を出す

個人事業主の場合は開業届を税務署に提出しなければなりません所得税法によって開業届の提出が義務付けられているからです。

開業届は国税庁の公式サイトからダウンロードできます。開業届は開業地を管轄している税務署に提出しますが、管轄の税務署は「税務署の所在地などを知りたい方」で探すことができるので、確認してみてください。

法人の場合は法務局で申請する

ハウスクリーニングの企業や協会を設立する場合は、法務局で法人設立の登記を行います。法人設立の登記は、実印・定款の作成、出資金の払い込みを行いなど複数の手続きがあるので、計画的に準備しましょう。

法人設立には登記の費用として、最低22万円~24万円がかかります。また、法人を設立すると社会保険の加入義務や事務手続きが増えるといったデメリットがあります。

一方、ハウスクリーニングの法人は、個人事業主と比べて社会的地位を得られると可能性があります。また、消費税が2年間免除となる、経費にできる費用が増える、といった点はメリットとなります。

ハウスクリーニングを最初に個人事業主で開業し、収入が安定したら法人化するという手段もあります。法人設立するにはメリットとデメリットの両方があるので、法人設立をする前に将来どのような事業にしたいのかを計画してみましょう。

掃除に関する経験と専門知識が必要

ハウスクリーニングのサービスとしては、主に「エアコン、室外機の清掃」「キッチン、換気扇の清掃」「トイレ、浴室などの水回りの清掃」が挙げられますが、サービスを提供するには掃除の経験と専門知識が必要です。十分な掃除の経験と専門知識がないと、トラブルにつながる可能性があるためです。

たとえば、エアコンを掃除する際には分解して、内部のカビやほこりを取り除きますが、メーカーや機種によって分解と組み立て方法は異なります。掃除後にエアコンが動かない場合には、クレームや損害賠償につながる恐れがあります。

開業前にハウスクリーニングの経験と専門知識を一から身に付けるのに不安がある人は、業務内容を絞って開始するか、フランチャイズに加盟してハウスクリーニングの研修を受けることを検討してみてください。

フランチャイズに加盟すると専門的な技術を学べる

フランチャイズに加盟すると、ハウスクリーニングに関する専門的な技術を学ぶことができます。フランチャイズ本部は加盟した人に向けて、開業前に研修を行っているためです。

ハウスクリーニングを開業するにあたって、フランチャイズに加盟することは必須ではありません。しかし、今までにハウスクリーニング業界での勤務経験がない場合はフランチャイズに加盟することにより、知識と技術を身に付ける機会を得ることができます。また、研修にはこれから開業を目指す人が集まっているため、加盟店同士のつながりもでき、案件の紹介や情報交換を行える場合があります。

ただし、フランチャイズによっては加盟金とは別に研修費が必要となります。フランチャイズによって研修費は異なるため、自身が学びたい内容かどうかも含めて事前にフランチャイズ本部に確認するようにしましょう。

知名度を生かした集客もできる

フランチャイズに加盟することによって、開業直後から知名度を生かした集客ができます。大手企業と比較された場合に、開業当初で知名度がないハウスクリーニング業者は集客しにくい傾向があるからです。

利用者がハウスクリーニング業者を選ぶ際には、「料金」「口コミ」「実績」「知名度」などを基準に選ぶ傾向があります。とくに在宅清掃では業者を家に上げるため、信頼できる業者に頼みたいというニーズがあり、結果として複数店舗を展開している企業が選ばれることがあります。

フランチャイズに加盟することにより、知名度がある看板を掲げて営業をすることができます。そのため、集客に不安を感じている場合は、フランチャイズに加盟することを検討してみましょう。

ハウスクリーニングを開業するために必要な開業資金

ハウスクリーニングを開業するために必要な開業資金は、数十万円~300万円程度です。フランチャイズに加盟するかどうか、どのフランチャイズに加盟するか、またはサービスを提供するためにどのような掃除用具を購入するかによって、必要な開業資金は異なります。

【ハウスクリーニングを開業するために必要な資金の一例】

  • フランチャイズに加盟する場合は加盟金
  • 車両の購入費用
  • 掃除用具の購入費用
  • 広告宣伝費用

ハウスクリーニングを始めるにあたって、事務所は必須ではないため、自宅兼事務所として事業を行うと、初期費用を抑えることができます。従業員を雇い、事業を拡大させていく中で、事務所を構えることを検討するようにしましょう。

フランチャイズに加盟する場合は加盟金

フランチャイズに加盟する場合には、原則として加盟金が必要です。各フランチャイズごとに異なりますが、加盟金として30万円~100万円以上かかります。

フランチャイズに加盟するためには、加盟金だけでなく「保証金」「研修費」「機材費」「システム導入費」「販促費」などもかかる場合があります。そのため、加盟金を含めていくらかかるのかをフランチャイズ本部には確認するようにしましょう。

なお、毎月一定額または売上に応じたロイヤリティが必要になることがあります。ロイヤリティは利益に影響を与えるため、フランチャイズ本部にどのくらいのロイヤリティがかかるかどうかを確認するようにしましょう。

車両の購入費用

掃除用具とともに移動するため、車両が必要です。住宅街を主に移動するのであれば、軽バンが適していて、100万円前後から購入できます。軽バンは普通車と比較すると維持費を抑えることができ、限られたスペースでも駐車できるといった特徴があります。

初期費用を抑えるために、自家用車を代用する場合があります。しかし、掃除用具を取り扱うために車内が汚れやすくなるので、自家用車を代用するよりも軽バンを購入することを検討するのが良いです。

掃除用具の購入費用

掃除用具を購入するには、数万~100万円程度が必要となります。掃除用具としては洗剤、シャワーホース、バケツ、ブラシ、雑巾、掃除機、噴霧器、脚立、長靴、ヘラ、ドライバー、ほうき、ワイパー、ゴム手袋などが挙げられます。提供するサービスによっては、高圧洗浄機やポリッシャーなどの業務用の清掃機器も必要となります。

掃除用具は、ホームセンターやネット通販で購入できます。フランチャイズによっては、加盟費用の中に掃除用具一式の購入代金が含まれている場合があります。また、フランチャイズ本部と掃除用具メーカーが提携していることもあるため、掃除用具を購入する前にフランチャイズ本部に相談してみましょう。

広告宣伝費用

ハウスクリーニングをしていることを宣伝するために、広告宣伝費用が必要です。どんなに掃除の技術があったとしても存在を知ってもらわなければ、お客さんからの依頼は来ません。主な集客方法としては、「ポスティング」「折込チラシ」「くらしのマーケットなどのポータルサイトへの掲載」「Web広告」が挙げられ、数万~数十万円程度が必要となります。

何から行えばいいか分からない場合は、まずホームページを準備しましょう。ハウスクリーニングを依頼するときに、ホームページを調べて、料金やサービス内容を確認する場合があるためです。

また、不動産管理会社やリフォーム会社などから空室清掃の案件を獲得したいときにも、ホームページがあることによって相手からの信用を得られる場合があります。

ホームページ制作は業者によりますが、数万円~100万円以上かかる場合があります。加盟するフランチャイズによっては、ホームページ制作の支援を受けることができる場合があるため、フランチャイズ本部にホームページについて確認してみましょう。

ハウスクリーニングを開業しても失敗してしまう要因

ハウスクリーニングを開業しても失敗してしまう要因はいくつか挙げられます。とくに、ハウスクリーニング業界での勤務経験がない人に見受けられる傾向があるため、注意が必要です。

【ハウスクリーニングの開業において失敗してしまう原因の一例】

  • 掃除ならできそうだと安易な気持ちで始めた
  • フランチャイズ本部の言う通りにすれば大丈夫だと思った

失敗してしまう原因は職務経歴などの状況により異なるため、あくまで一例です。ハウスクリーニングを開業予定の人は、それぞれの原因を参考にしてみてください。

掃除ならできそうだと安易な気持ちで始めた

掃除なら自身でもできそうだからと、安易な気持ちでハウスクリーニングを始めてしまい、失敗してしまう場合があります。自身が経営者であることを意識できていないためです。

会社員時代の気持ちが抜けず、受け身になってしまい、結果として繫忙期以外に仕事がないという状況に陥る場合があります。その場合は、まず自身が経営者であることを意識し、1年を通して仕事が来るように仕組みづくりを行わなければなりません。

仕事がないと売上にならず、結果として事業を続けられなくなることを理解しておきましょう。今までやっていなかった広告を出したり、不動産管理会社やリフォーム会社に営業したり、新たなお客さんを獲得するための施策を打ちましょう。

フランチャイズ本部の言う通りにすれば大丈夫だと思った

フランチャイズ本部の言う通りにすれば大丈夫だと思っていたが、実際にはうまくいかずに失敗してしまう場合があります。フランチャイズに加盟したからといって、成功できるとは限りません。

想定していたよりもフランチャイズ本部から案件の紹介がない、フランチャイズの言った通りにしたけど利益が出ないといった状況に陥る場合があります。事業を続けていくには、フランチャイズ本部に頼るだけでなく、技術を向上させるための研修に参加したり、サービスや料金設定を見直したりするなど、自身でも改善を図っていく必要があります。

ただし、加盟するフランチャイズによっては、ブランドイメージを守るために運営方法が制限されている場合があります。加盟する前に、何が制限されているかをフランチャイズ本部に確認するようにしましょう。

この記事の監修者

田原 広一(たはら こういち)

株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者

田原 広一(たはら こういち)

平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。

【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)

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