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ケーキ屋の開業に必要な設備を解説
ケーキ屋を開業する際の設備は、初期費用をおさえるために最低限必要なものに絞ることになります。その際、導入する設備で営業許可の基準を満たせるかどうかも確認しなければなりません。
当記事では、ケーキ屋の開業に必要な設備を解説します。必要な設備の種類や費用、導入方法も紹介するため、ケーキ屋の開業を考えている人は参考にしてみてください。
まずは稼働するために必要な最低限の設備を考える
ケーキ屋の開業に必要な設備を検討する際は、まず稼働するために必要な最低限の設備を考えてみましょう。開業してから軌道にのるまで運転資金を手元に残しておくために、開業時の設備投資は必要最低限にしておいた方がよいからです。
【設備の種類の例】
項目 | 例 |
厨房設備 ・オーブン | ・冷蔵庫および冷凍庫 ・ショックフリーザー ・コールドテーブル ・ミキサー ・ガステーブル ・洗浄機 ・作業台 ・ショーケース |
梱包設備 | ・シュリンクラップマシン ・表示シールプリンター |
衛生設備 ・換気扇/排気フード | ・エアコン ・シンク ・手洗い設備 |
たとえば、ムースを作る際に使うショックフリーザーは、ムースを作らない場合は必要ない可能性もあります。また、冷凍庫や冷蔵庫は必ず準備することになるものの、個数や大きさは最低限にすることで費用を抑えることもできます。
ケーキ屋を開業するために必要な設備は、提供するケーキの種類によっても変わります。ケーキ屋を実際に開業してから追加で購入することもできるため、開業前は稼働するために最低限必要の設備を考えてみましょう。
営業許可を取得できるように設備の条件を確認しておく
ケーキ屋を開業するための設備を考えるときは、管轄の保健所から営業許可を取得できるように設備の条件を確認しておく必要があります。営業許可の設備における基準を満たせていない場合は、営業許可がおりず開業できなくなるからです。
【設備の条件と導入設備の例】
項目 | 条件 | 導入設備の例 |
適切な温度管理のできる設備 | 冷蔵や冷凍設備が適切に機能しているかを常に確認し、温度管理を徹底する | 温度計付きの冷蔵庫や冷凍庫を導入する |
材料を適切な温度で保管できる設備 | 材料の特性に適した温度で汚染されないように保管する | 温度管理のための冷蔵庫やエアコンを導入する |
十分な作業スペースの確保 | 食品の衛生を保つために、前処理や製造、包装などの工程ごとに作業区画を分ける | 工程ごとに作業台や間仕切りを導入する |
適切な容器と機械器具の使用 | 機械器具は適正に洗浄、保守及び点検をすることのできる構造にする | オーブンやミキサーなどの厨房機器は耐水性のあるものを導入する |
十分な換気をできる設備 | 食品の品質を損なう原因となる結露を防ぐ | 換気のための設備を導入する |
衛生環境を保てる洗浄設備 | 共用による汚染を防ぐため、食材用と器具洗浄用でシンクを分ける | 2層シンクを導入する、器具洗浄用に洗浄機を導入する |
手指を洗浄消毒する装置 | 水栓は洗浄後の再汚染を防止できるものを選ぶ | センサー式やレバー式、足踏み式、プッシュ式の水栓を導入する |
たとえば、ケーキの製造では、原材料の保管や製品の保管において適切な温度が保たれる必要があります。そのため、冷蔵や冷凍設備が適切に機能しているかを常に確認できるよう、温度計付きの冷蔵庫や、温度管理を徹底するためのエアコンなどを導入することになります。
ケーキ屋を開業するための設備を考えるときは、導入する設備が営業許可の条件を満たせるかどうか確認することになります。営業許可における設備の基準は管轄する保健所によって異なる可能性があるため、開業予定地の保健所に営業許可の条件を確認しましょう。
なお、営業許可の申請をするときは、設備の配置図を提出することになります。導入する設備を検討する際は、実際に配置できる大きさかどうかや、導線が作れるかどうかなどの配置もあわせて考えてみてください。
設備にかかる費用の概算を把握しておく
ケーキ屋の開業に必要な設備にかかる費用の概算を把握しておきましょう。ケーキ屋を開業する人は、開業資金を準備する際に設備や備品などの費用を把握して、計画的に資金調達をしていく必要があるからです。
【設備にかかる費用の目安】
項目 | 購入費用の目安 |
オーブン | 50万円~100万円程度 |
冷蔵庫および冷凍庫 | 20万円~50万円程度 |
ショックフリーザー | 50万円~100万円程度 |
コールドテーブル | 10万円~20万円程度 |
ミキサー | 10万円~100万円程度 |
ガステーブル | 5万円~20万円程度 |
洗浄機 | 10万円~100万円程度 |
作業台 | 2万円~5万円程度 |
シュリンクラップマシン | 5万円~50万円程度 |
ショーケース | 30万円~40万円程度 |
表示シールプリンター | 5千円~3万円程度 |
換気扇 | 1万円~20万円程度 |
エアコン | 30万円~100万円程度 |
シンク | 5万円~10万円程度 |
手洗い設備 | 5千円~3万円程度 |
たとえば、オーブンの価格帯は50万円~100万円程度でした。平焼きやコンベクションなどの形状や、温度調節やスチームなどの機能によっても相場が異なるため、提供するケーキの種類に適したオーブンの仕様で価格を確認する必要があります。
ケーキ屋の開業に必要な設備はそれぞれの機能や大きさなどの仕様により、価格に幅があります。ケーキ屋の開業に必要な設備費用の目安を確認したい人は、まず仕様を決めてから複数の取扱業者に見積もりを依頼してみてください。
なお、設備にかかる費用には、設置費用も含まれます。空調設備や給水排水設備、配電設備など、設備ごとに設置費用がかかるため、見積もりを取る際は、それぞれの設置費用もあわせて確認しておきましょう。
設備の導入手段を考えてみる
ケーキ屋の開業に導入する設備を検討した後は、導入手段を考えることになります。導入手段によって、費用や製品の質が異なるためそれぞれの導入方法の特徴を確認しておきましょう。
【導入方法の種類と特徴】
項目 | 特徴 |
新品を購入する | 価格は他と比較して高くなるものの、品質は担保される |
中古品を購入する | 新品と比較して価格は抑えられるものの、品質はさまざま |
リースする | 新品と比較して初期コストは抑えられるものの、継続的にコストがかかる。品質は担保される。利用時に審査がある。 |
居抜きで備え付けのものを使う | 新品と比較して価格は抑えられるものの、品質はさまざま。物件に適した仕様の設備を得られる |
たとえば、冷蔵庫やオーブンなど、故障すると営業への影響が大きいものは、品質を優先して新品を購入するという考え方もできます。一方で、作業台やシンクなどの壊れにくいものは価格を優先して中古を購入することもできます。
また、新品で80万円のエアコンの場合、6年リースで契約すると月額1万5千円で利用できるものがあります。そのため、新品で購入するよりも、リースで契約した方が初期費用を抑えられます。
導入手段によって価格や品質などの特徴が変わります。ケーキ屋を開業したい人は、設備ごとにどの導入手段を用いるのかを考えてみてください。
なお、中古品を購入する場合、良い商品と出会うまでに時間がかかることもあります。そのため、良い商品が入荷したら連絡をもらえるよう、メーカーの担当者と連絡をとっておきましょう。
まとめ
ケーキ屋の開業に必要な設備は、提供するケーキの種類によって異なります。そのため、品揃えを検討して、それぞれのケーキの製造工程を確認してから、どんな設備を導入するかを検討することをおすすめします。
また、同じ設備でも、購入やリースなどの導入方法によって設備の費用や品質は異なります。故障すると営業できなくなるものや営業への影響がでにくいものなど、設備の性質によって導入方法を検討してみましょう。
設備の費用の目安を把握すると、自己資金や融資などの資金調達の計画もたてやすくなります。設備の種類や導入方法が決まったら、早めに見積もりをとってみてください。
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この記事の監修者
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
田原 広一(たはら こういち)
平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。
【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)
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