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キッチンカー(移動販売)のホットドッグ屋で儲かる秘訣とは

ショッピングモールや高速道路のサービスエリアなどに足を運ぶと、ホットドッグを販売しているキッチンカーを見かけたことがある人もいるでしょう。 ホットドッグは知名度と一定の人気があるので、キッチンカーで販売するメニューとして選ばれやすいですが、買ってもらうための施策を積極的に打っていかなければ儲けを出しにくい商材です。

この記事ではホットドッグをキッチンカーで販売するときに儲けるための方法について解説します。

ホットドッグはキッチンカー(移動販売)と相性がいい商品

ホットドッグは、キッチンカーと相性がいい商品です。キッチンカーは様々な場所へ移動して需要がある場所で営業することができるので、ホットドッグ専門店として実店舗を構えるよりも販売がしやすいからです。

ホットドッグがキッチンカーでの販売に向いている理由は、次の3つが挙げられます。

  • 大掛かりな設備を用意しなくても作れる
  • 出店場所に汎用性がある
  • 実店舗の競合他社が少なく出店を断られにくい

上記はキッチンカーの営業を長く続けて、コンスタントに儲けを出すために必要な要素です。ホットドッグをキッチンカーで販売するときは、上記を意識した開業準備や営業をしてみてください。

大掛かりな設備を用意しなくても作れる

ホットドッグがキッチンカーでの販売に向いている理由の1つは、大掛かりな設備を用意しなくても作れるということです。ホットドッグは、パンとソーセージを挟んでバーナーで軽く焙れば完成するシンプルな料理なため、作るのに専用設備が必要ないからです。

ホットドッグの調理では大きな設備は必要なく数も最小限に抑えられるため、サイズが小さくて狭いスペースで出店できる軽トラックをキッチンカーにすることができます。ホットドッグを作るにあたって、車両に搭載する最低限の設備は次の通りです。

【ホットドッグの販売に必要な設備】

バーナー バーナーは、ソーセージを挟んだパンを焙って焼き目を付けるときなどに用います。価格は1,000~3,000円程度です。
ガス台 ガス台は、ソーセージなどを焼くときに必要になります。価格は大きさや機能によって異なりますが、30,000~60,000円程度が相場です。
シンク キッチンカーでは、手洗い用と調理道具の洗浄用に2つのシンクが必要です。価格相場は30,000~60,000円程度です。
給排水設備 キッチンカーには、給排水設備が必要です。給排水設備の水容量には、40L、80L、200Lの3種類があり、調理工程に適した給排水設備を搭載しなければいけません。価格は容量にもよりますが、10,000~20,000円程度です。
冷蔵庫 ソーセージやトッピングなどを保存しておくために、冷蔵庫の設置も必要です。価格は大きさによって左右されますが、小さなものであれば10,000円前後で購入可能です。

また、大掛かりな設備の用意が必要無くなれば、開業にかかる費用を抑えることもできます。開業費用が掛かり過ぎて、開業後に経営を安定させられずに廃業してしまうリスクを減らせます。

出店場所に汎用性がある

ホットドッグは出店場所を選ばないのも、キッチンカーでの販売に相性がいい理由です。ホットドッグは主食としてのほかに、おやつなどの軽食として食べることができるため、様々な場面に適しているからです。

キッチンカーは実店舗のように1か所の場所にとどまっている必要がないので、複数の出店エリアで営業を行えます。たとえば、平日は家族連れやビジネスパーソンを狙ってショッピングモールやオフィス街に出店して、休日はイベント会場などに出店するなどの営業スタイルも可能です。

また、売上が立たなければ売れる場所を探して出店エリアを変更するなど、柔軟な営業を行えます。出店場所を選ばず、老若男女が知っているホットドッグは、様々な場所へ移動して販売するキッチンカーと相性がいいでしょう。

実店舗の競合他社が少なく出店を断られにくい

キッチンカーの営業でホットドッグが選ばれやすい理由には、実店舗の競合他社が少ないことも挙げられます。ハンバーガー屋やケバブ屋とは異なり、ホットドッグを専門に販売する実店舗は少ないため、出店場所でメニューが競合するリスクが低いからです。

ショッピングモールやサービスエリアなどにキッチンカーを出店するときは、出店エリアにメニューが被る既存店舗があると出店が断られるケースがあります。しかし、ホットドッグをメインの売上として販売している実店舗は少ないため、出店場所を選ぶときに競合を懸念して出店を断られるリスクは少ないでしょう。

ただし、キッチンカー同士ではホットドッグを販売している店舗が複数あるので、出店した場所で被る可能性があります。実店舗と競合しなくてもキッチンカー同士の集客で負けないように、ホットドッグの具材や調理方法にこだわったり、SNSで積極的にキッチンカーのPRをしたりなどのブランディングや差別化をしましょう。

ホットドッグを売るにはブランディングが必要

キッチンカーでホットドッグを売るにはブランディングが必要になります。ホットドッグは認知度はありますが、お客さんに買って食べたいと思ってもらわなくてはいけないからです。

ホットドッグを購入したいとお客さんに感じてもらうための方法としては、そのキッチンカーのホットドッグでしか得られない付加価値を付けたり、POPを使って注目を集めキッチンカーを認知してもらったりするなどの方法があります。主にこの2つの要素を組み合わせることで集客につながりやすくなるので、キッチンカー開業時の参考にしてみてください。

販売するホットドッグに付加価値を付ける

販売するホットドッグに他では食べられないような付加価値を付けると、キッチンカーの特色となって集客につながります。付加価値を付けるには、メニュー開発に力を入れるほかに、品ぞろえを増やしたりなどがあります。

ホットドッグはソーセージやパンを手作りにする、無添加素材を使うなど、こだわるポイントはたくさんあります。メニュー開発の時点でこだわりがないときは、どんな人に食べてほしいのかを考えることで、作るべきホットドッグの方向性が決まります。

たとえば、カロリーを気にしている人に向けてホットドッグを販売したいと決めたら、味付けにバターやマーガリンなどを使わず、野菜を多めにしたり、ソーセージを魚肉ソーセージで代用したりするなどです。食べてほしい人のイメージの幅を増やせばメニューの幅も増えるので、コストと見込まれる売上を考慮して販売するメニュー数を決めましょう。

また、ドリンクをセットで販売するなど、ホットドッグと合わせて購入したくなるサブメニューも用意しておきましょう。ホットドッグは単価が500円程度なので、複数の商品を購入してもらって客単価を上げて、売上をアップさせる効果が見込まれます。

人目を惹くPOPを作って興味を持ってもらう

キッチンカーでは、人目を惹くPOPを作ると集客につなげられます。キッチンカーは通りがかりの人に興味を持ってもらって集客するスタイルがメインとなるので、POPでいかに人目を惹くかどうかが集客の要になるからです。

キッチンカーのPOPには、黒板と台となる三脚を用意してメニューを紹介したり、看板に商品の写真を貼ったり、のぼりを立てて大きくアピールするなど、様々な方法があります。POPはパッと見でどんな商品を売っているのか伝わるように、文字情報は最小限にして商品の写真などを大きく使ったデザインにしましょう。

また、InstagramやTwitterなどのSNSなどを使用してキッチンカーの情報を発信することも、イベント会場での集客などでは有効です。SNSを活用するときは、商品の情報だけでなくキッチンカーの見た目やどこで出店しているのかといった情報も掲載しておくと、お客さんがSNSを通じて出店場所を発見しやすくなります。

キッチンカーでホットドッグ屋を開業するときはベースになる車両を購入する

キッチンカーでホットドッグ屋を開業するときは、キッチンカーのベースとなる車両を購入しましょう。キッチンカーの車両の用意するときの選択肢としては「新車」「中古車」「レンタル」の3種類があります。

キッチンカーの車両の購入方法による違いは次の通りです。

【車両の購入方法による違い】

新車購入 新車購入は、軽トラックや軽バンなどを新車で購入し、キッチンカーとして必要な設備や機能を取り付ける改造を行いキッチンカーに仕立てる方法です。小型キッチンカーの場合、新車の購入で180万円前後の費用が発生し、業者に依頼する改造費まで含めると300万円前後の費用が必要になります。
中古車購入 中古車購入は、すでにキッチンカーとして改造されている車両を中古で購入する方法です。キッチンカーとして1から改造する手間はありませんが、販売するメニューによっては設備の入れ替えが必要になるケースもあります。新車購入の方法に比べて100万円ほどコストを抑えられますが、メンテナンス費用がかさむリスクもあります。
レンタル 自前のキッチンカーを購入せずに、営業するときだけ業者から車両をレンタルする方法です。キッチンカーとして必要な設備が揃った車両を、初期投資をせずに利用できます。しかし、1回のレンタル(1か月間程度)のレンタルで30万円程度がかかるので、長期利用よりも短期間だけの営業をしたい人に向いています。

新車の車両を購入してキッチンカーにするときは、自分で改造することで開業費用を50万円から150万円程度に抑えることができます。自由にデザインにこだわることもできるので、自身の満足いくキッチンカーを仕上げることができます。

しかし、キッチンカーで公道を走るためには、車検に通過できるように国土交通省が定める「道路運送車両の保安基準」を満たした改造をすることが求められます。車検に通らない車両を作ってしまうと修正に余計な費用が発生してしまうため、自作に自信がないときは業者に依頼するようにしてください。

キッチンカーの車両に関しては、次に紹介する記事でも詳しく解説しているので参考にしてみてください。

キッチンカーのサイズの決め方とランニングコストについて解説

キッチンカーを自作するときに知っておきたいメリットと流れを解説

キッチンカーでホットドッグを販売するには保健所の許可が必要

キッチンカーでホットドッグを販売するには、保健所から出店エリアごとに営業許可を受ける必要があります。たとえば、東京と千葉で出店するときは、東京と千葉の2つの保健所から営業許可を受けなければいけません。

保健所から営業許可を受けるには、まず食品衛生責任者の資格を取得しておく必要があります。食品衛生責任者は、各都道府県が開催している講習を受講し、最終テストに合格すれば取得することができます。

食品衛生責任者の講習日程は管轄している保健所によって異なるので、管轄の保健所の公式サイトを確認するようにしてください。管轄の保健所は「保健所管轄区域案内」で確認できます。

キッチンカーで営業許可を受ける際は、車両に食品衛生を保って食品を安全に提供できる設備や環境が整っているかをチェックされます。キッチンカーを用意するときは、出店を検討しているエリアの審査基準を保健所に確認し、要件を満たした改造をするようにしましょう。

キッチンカーの営業許可に関する審査基準などについては「キッチンカーの開業で必要な許可と取得方法を解説」で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

キッチンカーでホットドッグを開業するときは仕込み場所も用意する

キッチンカーでホットドッグを開業するときは仕込み場所も用意しましょう。キッチンカーの車内では簡単な調理を行うことはできても、仕込み作業など複数の調理工程を伴う作業を行うことは、衛生安全上できないからです。

ホットドッグを作るときにパンを生地から手作りしたり、自家製のソーセージを使ったりするといった作業が必要なときは、仕込み場所で調理する必要があります。仕込み場所もキッチンカー同様保健所の営業許可を受けた場所でなくてはいけないため、自宅などを利用することはできません。

仕込み場所を準備するときは、レンタルキッチンやシェアキッチンを活用してみてください。レンタルキッチンやシェアキッチンは、複数の人で調理場を共有するサービスで営業許可を取得していれば仕込み場所として利用することができます。

地域のレンタルキッチンやシェアキッチンを探すときは、GoogleやYahoo!の検索フォームに「レンタルキッチン 東京」などと入力して検索をかけてみてください。現在地をもとに、地域で利用できる施設を調べることができます。

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この記事の監修者

田原 広一(たはら こういち)

株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者

田原 広一(たはら こういち)

平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。

【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)

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