飲食店で必要な売上はどのくらい?営業利益率の計算方法も解説 | 開業支援の相談なら「開業支援ガイド」

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飲食店で必要な売上はどのくらい?営業利益率の計算方法も解説

飲食店を経営するうえで、どのくらいの売上が必要なのか知りたい人もいますよね。どうやって売上予測を立てればよいか知りたい人もいるでしょう。個人飲食店では1,000万円~2,000万円程度の年間売上が必要となります。

当記事では、飲食店で必要な売上なのかについて解説します。営業利益率の計算方法も合わせて解説していますので、参考にしてみてください。

個人飲食店で必要な売上は年間1000~2000万円程度

個人飲食店を経営していくうえで、年間1,000~2,000万円程度の売上が必要になります。飲食店を経営するうえでは「食材の仕入費用」「家賃」「水道光熱費」「人件費」「広告宣伝費」などの費用がかかるからです。

個人飲食店の場合、「食材の仕入費用」「家賃」「水道光熱費」「人件費」「広告宣伝費」などの費用が売上の9割程度を占める場合があります。

たとえば、年間2,000万円の売上があったとしても、店舗を運営するための費用が1,800万円必要となり、利益としては200万円程度が残る計算です。

飲食店の「規模」「場所」「業種」などによって異なりますが、個人飲食店では従業員1人当たり1,000万円程度の売上がないと運営を続けていくことは難しい傾向があります。

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個人事業主は売上から費用を差し引いた金額を生活費として使える

個人事業主の場合、年間の売上から仕入れ費用や人件費などの経費を差し引いて、残った金額を自身の生活費として利用することができます

ただし、飲食店を継続させるために必要な費用や税金の支払分は残しておかなければならないことを覚えておきましょう

飲食店における売上予測の出し方

飲食店における1日の売上は、「売上=客単価×席数×回転数」で計算することができます

回転数とは1日の客席の稼働具合を指します。

たとえば、席数が20席の飲食店に1日に20人のお客さんが来店した場合、1回転と算出します。

なお、店舗の場所や業種によっては「昼と夜」「平日と週末(休日)」で回転数は異なる場合があります

オフィス街の近くにある飲食店(日曜が定休日)だとすると、昼はランチ需要があり、金土は客単価と回転数が増えると想定するイメージです。

【売上予測の出し方の一例】

1日の売上(客単価×席数×回転数) 営業日数/月 月間売上
昼(月~土) 900円×20席×0.8回転 26日 374,400円
夜(月~木) 3,500円×20席×0.6回転 18日 756,000円
夜(金土) 4,000円×20席×0.9回転 8日 576,000円
合計 1,706,400円

売上予測を立てるときは、理想とする売上も重要ですが、現実的に実現可能な数値を立てると良いでしょう。

赤字にならないために損益分岐点を知っておく

赤字にならないために損益分岐点を知っておきましょう

損益分岐点とは、売上と費用が等しい状態であり、利益も損失も出ていないことを指します。つまり、損益分岐点を上回っていると利益が出ていて、下回ってしまうと赤字となるということです。

損益分岐点の計算方法は次の通りです。

【損益分岐点の計算方法】

損益分岐点=固定費÷{1-(変動費÷売上高)}

損益分岐点を理解しておくことで、店舗の維持だけでなく、経営改善にも生かすことができるでしょう。

費用には固定費と変動費がある

費用には固定費と変動費があります

固定費とは、飲食店を運営する中で毎月一定額が必要になる費用を指します。一方、変動費とは月によって必要となる金額が変わる費用を指します。

飲食店における主な固定費と変動費が次の通りです。

【主な固定費と変動費】

費用 項目
固定費 ・家賃
・人件費(社員)

・支払利息

・リース料

変動費 ・食材原価
・水道光熱費
・広告宣伝費
・人件費(アルバイト)

・消耗品費

飲食店の業種や状況によっては、他にも固定費や変動費が必要になる場合があるので、覚えておきましょう。

たとえば、「売上が2,000万円、固定費が900万円、変動費が800万円」の飲食店における損益分岐点を計算する場合が次の通りです。

損益分岐点=900÷{1-(800÷2,000)}=1,500万円

売上が1,500万円を超えると利益が出ることになります。一方、1,500万円を下回ると赤字となり、店舗を維持できなくなります。損益分岐点を下回っている、もしくは下回りそうな場合は改善が必要であることを意味しています。

損益分岐点を下回りそうな時は、変動費の見直しをすることで一時的な経営の立て直しができます。食材ロスを出していないか、または集客に役立っていない広告を出していないか見直してみると良いでしょう。

飲食店経営において重要なFL比率

飲食店経営において、FL比率は重要の指標のひとつです。

FL比率とは、売上高に占める食材(Food)と人件費(Labor)の合計金額の比率を指します。飲食店は他の業種と比較すると、食材費と人件費が占める割合が大きい傾向があるためです。

FL比率の計算方法は次の通りです。

【FL比率の計算方法】

FL比率=(食材費+人件費)÷売上高

FL率は低ければ低いほど、利益が出ていて、儲かっているという指標となります。FL比率が70%を超えている飲食店は経営が圧迫されている可能性があり、改善を図る必要があります。

規模や業種などによりますが、飲食店を続けていくためには60%以内のFL比率を目指して食材費や人件費を見直すと良いでしょう。

業種別の原価率と人件費率の目安

日本政策金融公庫の「新たに飲食業を始めるみなさまへ 創業手引+」によると、業種別の原価率と人件費率の目安が次の通りです。

【業種別による原価率と人件費率の目安】

業種 原価率 人件費率
食堂 37% 33%
中華料理店 34% 33%
西洋料理店 34% 35%
そば・うどん店 33% 36%
喫茶店 32% 35%

原価率と人件費率の計算方法は次の通りです。

【原価率と人件費率の計算方法】

原価率=売上原価÷売上高×100
人件費率=人件費÷売上高×100

規模や場所によりますが、自身の飲食店と似た業種の数値は参考にしてみるのが良いでしょう。

儲かっているかどうかは営業利益率で判断できる

飲食店が儲かっているかどうかは営業利益率で判断することができます

営業利益率とは、営業利益の売上に対する割合を指し、経営が安定していると判断するための指標のひとつになっています。

営業利益率の計算方法は次の通りです。

【営業利益と営業利益率の計算方法】

営業利益=売上高-売上原価-販売費及び一般管理費
営業利益率=営業利益÷売上高×100

日本政策金融公庫総合研究所の「小企業の経営指標調査 2020」業種別経営指標によると、営業利益率の目安は次の通りです。

【業種別による営業利益率の目安】

※黒字かつ自己資本プラス企業の平均

業種 営業利益率
食堂 3.6%
中華料理店 3.2%
西洋料理店 2.9%
そば・うどん店 6.0%
喫茶店 2.7%

儲かる飲食店を目指すうえでは、営業利益率を改善することが重要です。現状の営業利益率を把握し、上記の指標も目安に数値目標を設定してみましょう。

利益を上げるためには売上をアップか変動費を削減する

利益を上げるためには、売上をアップさせるか変動費を削減しなければなりません。家賃などの固定費を削ることは難しい傾向があるためです。

店舗の状況に応じて、対応策を検討しましょう。

回転数を上げる

売上をアップさせるためには、回転率を上げる方法を考えましょう。回転数が上がれば、売上の増加につながるからです。

回転率を上げるためには、提供時間を短縮する方法があります。仕込みやオペレーションなどで見直せる箇所がないかを検討しましょう。

提供時間を短縮すると、回転率の向上だけでなく、顧客満足度が高まる傾向があります。そのため、ファーストドリンクや1品目料理の提供時間に具体的な時間目標を設定するのも良いでしょう。

食材のロスを減らす

変更費を削減するためには、食材のロスを減らす方法を考えましょう。食材のロスを減らすことで原価率が下がり、結果としてFL比率の改善につながるためです。

食材のロスを減らす方法としては、主に「仕入先を変更する」「メニューを見直す」が挙げられます。

必要以上の食材を仕入れないようにするのはもちろん、食材の保存方法についてもルールを決めて管理を徹底するようにしましょう。

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この記事の監修者

田原 広一(たはら こういち)

株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者

田原 広一(たはら こういち)

平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。

【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)

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