2020/9/17

2021/12/27

建築基準法の内装制限とは?店舗内装する時に覚えておきたい知識

建築基準法の内装制限について、店舗の内装工事を考えているオーナーの方向けに、できるだけ丁寧にわかりやすく解説します。

住宅のリフォームや店舗の内装を変える際、業者さんから「内装制限があるので、この場所でこの内装材の使用はダメですね」と内装制限について聞くことがあると思います。

内装制限は国の法律である「建築基準法」で決められているルールです。内装制限を守って建築をしないと「違反建築」をしているとみなされることもあります。

しかし、内装制限のルールは少々複雑ですので、ポイントを押さえましょう。長文ですので、知っている部分もあるかもしれません。目次を見て気になる箇所だけ読み飛ばしてくださって結構です。

それでは早速みてみましょう。

内装制限とは

内装制限とは、一部の建物で守らなくてはいけない細かいルールです。

例えば、こんな内装制限があります。

内装制限の例:床から1.2mを超える高さの壁と天井には難燃材料という燃えにくい材料を使うこと

しかし、内装制限は全ての建物が対象なのではありません。対象の建築物や条件が法律で細かく決められています。

①内装制限は2つの法律で定められています

内装制限は「消防法」と今回ご紹介する「建築基準法」の2つの国の法律で決められているルールです。

「え?同じ内容なのにどうして別々の法律で決められているの?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

消防法と建築基準法では定められている内装制限の目的と趣旨が異なるのです。

消防法と建築基準法の内装制限の違い

消防法による内装制限 火災予防・初期消火・人命救助・本格消火を目的とする。

消火栓の設置を義務付ける。

建築基準法(建基法)による内装制限 火災の初期における安全避難を目的とする。

物内部の壁紙や天井の防火素材、建物外部の廊下や階段の防火素材について言及。

なお、消防法の内装制限については関連記事もぜひご一読ください。

②内装制限がある理由

内装制限は、人間の命を救い、火災からのリスクを最小限にするために定められています。

わたしたちの社会は複数の建物が共存して成り立っています。各建物には不特定多数の人が常時出入りしていますので、もし密集した屋内で火災が発生し、その内装が木材などの燃えやすい素材でできていたら、きっと多くの命を失い、建物が損傷するリスクがとても高くなります。

内装制限を守ることで、建物内部で家事が起きた時に燃え広がることを防ぎ、人命を救助しやすくなります。

③内装制限を守らないとどうなる?

法律に違反した建物をつくると、「違反建築」として法により罰せられることがあります。

内装についても同じです。内装は建築物の外からは見えないものですが、 内装制限に適さない内装で建物をつくると「建築法違反」をしているとみなされる場合があります。

通常、住居用の建物の新築やリフォームを行うときは、業者が建物や地盤が建築基準法にのっとっているかを調べるために「建築確認」というチェックを行います。

建築確認を業者にしてもらうには、「確認申請」という手続きをします。チェックして問題なければ「建築確認済証」を発行してもらう流れになります。

<建築確認の流れ>
  1. 建物をつくる・リフォームする
  2. 確認申請する
  3. 建築確認
  4. 合格したら「建築確認済証」が交付される

④内装制限の緩和について

内装制限に対応すると「店のデザインが崩れてしまう」などの悩みを抱える方もきっといることでしょう。

内装制限にはいくつかの緩和策があります。解説した関連記事もご覧ください。

⑤内装制限でオーナーがやるべきこと

実際には、内装制限かどうかは内装業者に判断を任せられるものですが、話をスムーズに進めるためにも次のポイントはおさえましょう。

  1. 自分の店舗が内装制限の対象になるのかどうか
  2. 内装制限の対象なら、どの部屋・場所が内装制限に該当するか

まずは「特殊建築物」に当てはまるかを確認しよう

(1)特殊建築物とは?

建築基準法で内装制限の対象となる建物の種類は「特殊建築物」と言います。
内装制限に該当するかどうかは、まずは「特殊建築物」に当てはまるかがポイントです。

特殊建築物には飲食店、カフェ、料理店、物品販売業を営む店舗など、多くの起業家や個人事業主が関わる店舗がたくさん含まれています。

ご自身が関わる建築が内装制限にあてはまるか判断したいなら、一番手っ取り早い方法はこの「特殊建築物」なのかどうかを確認すればいいのです。

もし特殊建築物ならば、内装制限をしなくてはいけない可能性が高いです(特殊建築物でも内装制限をしなくていい場合があるので、後述します)。

(2)特殊建築物の一覧と特徴

特殊建築物の一覧と特徴

特殊建築物
多くの人が出入りする映画館や劇場 映画館、劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場
内部でさまざまな物品を使用する映画館や劇場 ①病院やホテル(病院、診療所、ホテル、旅館、下宿、共同住宅、寄宿舎、児童福祉施設)

②自動車車庫や映画スタジオ (自動車車庫、自動車修理工場、映画スタジオ又はテレビスタジオ)

火を使用するデパート、飲食店、展示場など 百貨店、マーケット、展示場、キャバレー、カフェー、ナイトクラブ、バー、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、待合、料理店、飲食店又は物品販売業を営む店舗
屋内密閉空間の地下 地下にある居酒屋、地下にある会議室など

特殊建築物については以下のリンクを参考にしてください。

参考:内装制限一覧表|日本室内装飾事業協同組合連合会(日装連)

(3)自動車車庫・映画スタジオ・地下は耐火建築物であっても内装制限がある

「自動車車庫・映画スタジオ」と「地下」の建築物は、このあとお話しする耐火建築物・準耐火件区物などの建物の規模に関わらず、内装制限が必要です。

自動車車庫・映画スタジオ・地下等の内装制限の内容

①自動車車庫、自動車修理工場、映画スタジオ又はテレビスタジオ

②地下又は地下工作物内に上記1、2、3の用途の居室を有するもの

<居室の制限>

壁・天井とも準不燃以上

<通路・階段等>

壁・天井とも準不燃以上

※法令の定めによって設けられる避難階段と特別避難階段は下地も含めて不燃材で仕上げます。(以下、同様)

建築基準法(建基法)とは

建築基準法は1950年に交付された政令で、防火に関する事項が盛り込まれたのは9年後の1959年です。その後、高層ビルが増えてことにより第3次改正(1961年)に始まり2018年の改正まで時代に合わせて何度となく改正されています。

最近は大規模火災や空き家が多いため、平成30年(2018年)に建基法が改正されています。

参考:建築基準法の一部を改正する法律(平成30年法律第67号)について

ちなみに、消防法は建築基準法より1年早い1949年に交付されています。消防法も建築基準法も、歴史がある法律ですね。

①「第35条の2」で書かれている内容

では、今回の記事のテーマである「建築基準法」の内装制限について中身を詳しくみていきましょう。建築基準法では、内装制限について4つの条文により規定しています。

「(中略)政令で定めるものは除き、政令で定めた技術的基準に従ってその壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを防火上 支障がないようにしなければならない」
引用元:内装制限について|一般社団法人 日本塗装協会

建築基準法第35条の2の条文を読むと、「内装制限に該当する建物の種類」と内装制限が必要となる箇所について書かれています。

さきほど「手っ取り早く内装制限かどうか知りたければ、特殊建築物かどうかを確認しましょう」とお伝えしましたが、特殊建築物以外に内装制限にひっかかる建物を一覧にまとめた表「内装制限一覧表」で確認できます。

内装制限一覧表とは

内装制限の対象となる建築物と条件をわかりやすく一覧にしたものが掲載したものを「内装制限一覧表」と言います。

特殊建築物ではない建築物の場合でも、内装制限一覧表に書かれた建築の種類にひっかかると内装制限の対象となります。

参照:内装制限一覧表|日本室内装飾事業協同組合連合会(日装連)

ちなみに、建築基準法第35条の2をより詳しく解説したものが、第128条の4となります。

②建築基準法「第35条の3」で書かれている内容

建築基準法第35条の3では、窓や開口部がない部屋は主要構造を耐火構造とするか、または不燃材料で作らなければいけないと書かれています。

建築基準法より抜粋:(無窓の居室等の主要構造部) 第35条の3 政令で定める窓その他の開口部を有しない居室(=採光無窓の居室)は、その居室を区画する主要構造部を耐火構造とし、又は不燃材料で造らなければならない。ただし、別表第一(い)欄(一)項に掲げる用途に供するものについては、この限りでない。

この辺からちょっと専門用語が多いので、解説していきますね。

耐火構造とは?

建築基準法施行令第107条で定める技術的基準に適合する耐火性能を持つ構造のことを言います。具体的には、火災が発生した際に燃えるまで30分~3時間かかる構造です。

不燃材料とは?

不燃材料は防火材料の一つです。建築基準法で定められている燃えにくい素材のことを「防火材料」と言います。

防火材料の基準は次の通りです。

  • 燃焼しない
  • 防火上、有害な損傷(変形・溶接・き裂など)を生じない
  • 避難上、有害な煙またはガスを発生しない

防火材料は難燃材・準不燃材・不燃材の3つに分かれます。

難燃材(なんねんざい) 加熱開始後、5分で燃え出す
不燃材(ふねんざい) 加熱開始後、20分で燃え出す
準不燃材(じゅんふねんざい) 加熱開始後、10分で燃え出す

内装制限の対象の建築物は、多くの場合「準不燃材以上」の素材を使う必要があります。

③建築基準法「第128条の3の2」で書かれている内容

内装制限の対象となる窓その他開口部がない居室の種類について説明しています。

建築基準法より抜粋: 一 床面積が50m2を超える居室で窓その他の開口部の開放できる部分(天井又は天井から下方80cm以内の距離にある部分に限る。)の面積の合計が、当該居室の床面積の1/50未満のもの

二 法第28条第1項ただし書に規定する温湿度調整を必要とする作業を行う作業室その他用途上やむを得ない居室で同項本文の規定に適合しないもの

④「第128条の5」で書かれている内容

内装制限を受ける建築物や場所の施工方法の詳細が書かれています。

建築基準法より抜粋: 前条第一項第一号に掲げる特殊建築物は、当該各用途に供する居室(法別表第一(い)欄(二)項に掲げる用途に供する特殊建築物が耐火建築物、法第二条第九号の三イに該当する準耐火建築物又は法第二十七条第一項の規定に適合する特殊建築物(特定避難時間が45分間未満である特定避難時間倒壊等防止建築物を除く。第四項において同じ。)である場合にあっては、当該用途に供する特殊建築物の部分で床面積の合計100㎡(共同住宅の住戸にあっては、200㎡)以内ごとに準耐火構造の床若しくは壁又は法第二条第九号の二ロに規定する防火設備で区画されている部分の居室を除く。)の壁(床面からの高さが1.2m以下の部分を除く。

【特殊建築物以外で】内装制限の対象となる建物一覧

建築基準法で内装制限について定めているのは劇場や病院などの特殊建築物だけではありません。まだまだ対象の建物はあります。

以下の条件にあてはまる建築物も内装制限の対象となります。

①階数と延べ面積の縛りが該当する建物

建物の階数が1階以上の場合、そして延べ面積が500㎡を超える場合は要注意です。以下の条件に当てはまるか、チェックしてみてください。

  • 階数が3以上で延べ面積が500㎡を超えるもの
  • 階数が2で延べ面積が1,000㎡を超えるもの
  • 階数が1で延べ面積が3,000㎡を超えるもの

上記に当てはまる場合はこのような内装制限の対象です。 参照:9 内装制限|福岡市

<居室等>

難燃以上 壁(床面上1.2m以下除く)天井とも

参照:建築基準法上の制限等に対する対応|埼玉県

<通路・階段等>

壁・天井とも準不燃以上

なお、階数についてはハッキリしていますが、500㎡って言われてもいまいちイメージがわかないので、坪数に換算してみました。かなり広いです。

500㎡÷3.3(1坪)=約151坪

151坪を畳の数に変えると151枚。6畳間がおよそ25個もある豪邸です(!)。そんな大豪邸レベルの建築物を作る際は、住居用だとしても内装制限が必要です。

ちなみに、延べ面積についてもご説明します。

延床面積とは?

建物の各階の床面積の合計のことです。別名:延べ面積とも言います。延べ面積では、建物に付随するベランダやポーチなどの面積は含みません。

(延床面積を調べる方法)

①不動産会社からもらう重要事項説明書を確認する

不動産を購入するときは、必ず不動産会社から「重要事項説明書」をもらって説明を受けます。重要事項説明書には物件の建物の面積(㎡)が記載されています。

②法務局で不動産登記簿謄本を取り寄せる

お客様が重要事項説明書を紛失してしまったなどの場合、代理人でも委任状があれば不動産登記簿謄本を取り寄せることにより延べ面積の確認が可能です。

不動登記簿謄本を取り寄せるには、以下の手数料が必要です。

不動登記簿謄本の請求方法別の手数料
書面請求 600円
オンライン請求(送付) 500円
オンライン請求(窓口交付) 480円

②政令で定める窓がない部屋

(1)政令で定める窓って何?

窓その他の開口部を有しない部屋も内装制限の対象です。「政令で定める」って何?と思いますが、この政令とは建築基準法法(28条、令19条、令20条)のことです。

【建築基準法で定める窓の概念とは?】

居住用の住宅や幼稚園、小学校などの学校、病院の病室、寄宿舎の寝室などには採光を取り入れるための窓または開口部を設けなければなりません。

窓の大きさは居室の床面積の1/10~1/5でなければなりません。

※ただし、地下や暗室などやむを得ない場合は除きます。

上記で規定する窓がない部屋は、必然的に内装制限の対象となります。例えば住宅の場合、窓の大きさは床面積の7分の1以上なければなりません。

ただし、窓がない部屋であっても部屋の床から天井までの高さが6mを超える部屋に関しては対象外です。

(2)無窓の部屋は天井と壁がすべて準不燃以上

【窓がない部屋の内装制限】

①階数と延べ面積の縛りが該当する建物の時と似ていますが、居室の(床面上1.2m以下除く)という条件がなくなり、天井と壁はすべて準不燃以上でなければいけません。

<居室等> 壁・天井とも準難燃以上

<通路・階段等> 壁・天井とも  参考:建築基準法上の制限等に対する対応|埼玉県

(3)政令では「窓がない部屋」と書かれていない?

余談ですが、建築基準法の中では「窓のない部屋」や「無窓部屋」という表現では書かれていません。代わりに、「条件を満たす開口部を有しない居室」という記載で表現されています。

③調理室、浴室など火を使う部屋

調理室、浴室やかまど、こんろ、その他火を使う設備・器具を設けた部屋も内装制限の対象です。制限の内容は、窓がない部屋と同じです。

ただし、建物自体が耐火建築物であり、その主要構造部が耐火構造となっている場合は内装制限になりません。

【火を使う部屋の内装制限】

<居室等> 壁・天井とも準難燃以上

④内装制限になるその他の条件

(1)階数が11階以上、地下街も内装制限の対象(ただし、例外あり)

その他には、以下の条件に当てはまる場合は内装制限の対象です。

・階数が11階以上の建物

【階数が11階以上の建物の内装制限】

<居室等>

  • 壁(床面上1.2m以下除く)天井とも、準不燃以上(200㎡以内に防火区画がある場合)
  • 壁(床面上1.2m以下除く)天井とも、不燃以上(500㎡以内に防火区画がある場合)

※ただし、建物の11階以上の部分の200㎡以内に防火区画がある共同住宅(マンションなど)は除く

※100㎡以内に防火区画のある建物も対象外

(2)防火区画とは?

内装制限について調べていると、よく「防火区画」という言葉も出てきます。

防火区画は、大規模なビルなどの建築物等で火災が起こった時に防火扉などの設置で火災が広がらないような処置がされている区画(仕切り、まとまり)を言います。

防火区画にスプリンクラーなどの自動式のものを設置すれば、防火区画が2倍になるとみなされます。

  • スプリンクラーなし⇒ 200~500㎡以内に防火区画がある部屋が内装制限の対象
  • スプリンクラーあり⇒ 400~1,000㎡以内に防火区画がある部屋が内装制限の対象

(3)地下街

地下街の場合も、11階以上の建物と同じ内装制限です。100㎡以内に防火区画がある場合は対象外。それ以外の場合は以下の内装制限がかかります。

<地下街>
  • 壁(床面上1.2m以下除く)天井とも、準不燃以上(200㎡以内に防火区画がある場合)
  • 壁(床面上1.2m以下除く)天井とも、不燃以上(500㎡以内に防火区画がある場合)

トイレは内装制限の対象か?

建築基準法では内装制限居室(部屋)と廊下と階段についての記載はありますが、トイレについては「トイレ」という記述は特にされていません。

そのため、たまにトイレの設置をする建設業者の方が、消防署から「内装制限だから不燃材料にして」と指示を受け、困惑してしまうというケースが見受けられます。

トイレは窓や設置場所の条件によって内装制限がある

トイレの内装制限の判断で、無窓の場合は内装制限がかかります。また、トイレの場所によっては内装制限の対象となる場合があります。

制限がかかったトイレの内装制限

窓がないトイレ <居室等> 壁・天井とも難燃以上

<通路・階段等> 壁・天井とも準不燃以上

自動車車庫や自動車修理工場にあるトイレ <居室等> 壁・天井とも準不燃以上

<通路・階段等> 壁・天井とも準不燃以上

内装制限の対象とならない建物とは

内装制限ですが、階数や面積が対象外の自宅マンションや一軒家については関係ありません。

居住用のマンションや一軒家は建物の面積や構造もさまざまです。

内装制限の対象となる建物もあれば、内装制限がまったくない建物もあります。

①内装制限の対象外の建物とは

内装制限の対象とならない建物は以下の通りです。

  • 特殊建築物ではない建物
  • 階数と述べ面積の縛りが該当しない建物
  • 階数が3以上で延べ面積が500㎡を超えないもの
  • 階数が2で延べ面積が1,000㎡を超えのもの
  • 階数が1で延べ面積が3,000㎡を超えないもの

面積についてはかなり広い建物でないと該当しませんが、特殊建築物に該当する建物は結構ありそうですよね。

②学校も内装制限の対象外

学校は内装制限の対象のようなイメージがありますが、実は内装制限の対象ではない建物です。

ただし、耐火建築物又は準耐火建築物(イ)の高さ31m以下で100㎡以内に防火区画された特殊建築物に該当しない学校は除きます。

どうして学校は内装制限の対象じゃないの?

最近では、学校で使われていない部屋を、居抜き物件として店舗にする例もあるので、学校が内装制限の対象にならない理由が気になる方もいるかと思います。

理由については明確ではありませんが、建築基準法では「学校の建物が床から天井までの高さが3m以上なければならない」ルールがあるのに対し、他の建物では「2.1m以上なければいけない」と天井までの高さの制限が異なります。

学校は他の建物より天井が高いため、内装制限の対象外なのではと考えるひともいます。

内装制限に該当するかはチャートでチェック

結局自分の建物は内装制限にかかるのか?と手早く知るには、チャート方式を使えば早く答えが導き出せます。

あなたの建物は以下のいずれかにあてはまりますか?

  1. 特殊建築物
  2. 階数と延べ面積の縛りが該当する建物
  3. 政令で定める窓がない部屋
  4. 調理室、浴室など火を使う部屋
  5. 階数が11階以上の建物
  6. 地下街

<いいえの場合>

内装制限はありません。チェック、お疲れ様でした。

<はいの場合>

建築物が1〜4のにあてはまる方、5〜6であてはまる方でチャートが分岐します。

11階以上」と「地下街」にあてはまる場合

「11階以上」と「地下街」の場合、建物が耐火建築物かどうかという規模に関わらず、「防火区画」がどれぐらいの面積に施されているのか、で内装制限の条件が決まります。

ちなみに、防火区画は、建築物の11階より上の部分200㎡以内に防火区画された共同住宅住戸には適用しません。

調理室・地下街の内装制限
100㎡以内に防火区画がある部屋 内装制限は不要
200㎡以内に防火区画がある部屋 (特定防火設備) 壁・天井とも準不燃以上 ※準不燃材料の下地も準不燃材料でなければいけません
500㎡以内に防火区画がある部屋(特定防火設備) 壁・天井とも不燃以上 ※不燃材料の下地も不燃材料でなければいけません

1~4の建物に当てはまる場合

対象となる建築物が、建築基準法で規定する「規模」に該当すれば、内装制限が必要です。

チェックをして内装制限に当てはまらない場合もありますが、次のどれに当てはまるかをまず確認します。

  1. 耐火建築物
  2. 準耐火建築物(イ)
  3. 準耐火建築物
  4. その他建築物

a.耐火建築物

耐火建築物とは、建築基準法第2条第1項第9号の2で定める条件に適合する、通常の建物より燃えるまでの時間が長く、損傷しても修繕すれば再利用しやすい建物のことを言います。

b.準耐火建築物(イ)

準耐火建築物は『イ-1・イ-2・ロ-1・ロ-2』の4種類があります。準耐火建築物(イ)にはイー1.イー2の2種類があります。

準耐火建築物(イー1) 60分準耐火構造
準耐火建築物(イー2) 45分準耐火構造

c.準耐火建築物とは

準耐火建築物とは、耐火建築物以外の建築物で、主要構造部が準耐火構造(法2 条9 号の3 イ)又はそれと同等の準耐火性能を有するもので、外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に防火戸等を有する建築物のことをいいます。

d.その他建築物

上記a~cに当てはまらない建築物を「その他建築物」と言います。

a~dの建物の種類ごとの内装制限がかかる条件

a~dの建物の種類ごとに内装制限となる細かい条件をみていきましょう。

[a.耐火建築物]で内装制限がかかる条件
1.特殊建築物

2.階数と延べ面積の縛りが該当する建物

  • 【特殊建築物等】 ⇒客席の床面積の合計が400㎡以上のもの
  • 病院・診療所など ⇒3階以上の部分の床面積の合計が300㎡以上のもの (100㎡(共同住宅は200㎡)以内に防火区画されたものは除く)
  • 百貨店・マーケットなど ⇒3階以上の部分の床面積の合計が1,000㎡以上のもの
3.政令で定める窓がない部屋
  • 床面積が50㎡を超える居室で窓等開放できる部分(天井から下方80cm以内の部分に限る)の面積の合計が床面積の1/50未満のもの
  • 温湿度調整を必要とする作業室等(法第28条第1項)
4.調理室、浴室など火を使う部屋 主要構造部を耐火構造としていれば内装制限の対象「外」となります。

耐火建築物の内装制限は次のとおりです。

耐火建築物の内装制限
居室の制限 壁・難燃以上(床面上1.2m以下除く)

天井・ 難燃以上(3階以上に居室を有するものは準不燃以上)

通路・階段等 壁・天井とも準不燃以上

 

[b.準耐火建築物(イ)]で内装制限がかかる条件
1.特殊建築物

2.階数と延べ面積の縛りが該当する建物

【特殊建築物等】
  • 劇場、映画館、演芸場など ⇒客席の床面積の合計が100㎡以上のもの
  • 病院・診療所など ⇒3階以上の部分の床面積の合計が300㎡以上のもの (100㎡(共同住宅は200㎡)以内に防火区画されたものは除く)
  • 百貨店・マーケットなど ⇒2階の部分の床面積の合計が500㎡以上のもの
3.政令で定める窓がない部屋
  • 床面積が50㎡を超える居室で窓等開放できる部分(天井から下方80cm以内の部分に限る)の面積の合計が床面積の1/50未満のもの
  • 温湿度調整を必要とする作業室等(法第28条第1項)
4.調理室、浴室など火を使う部屋
  • 階数2以上の住宅(事務所、店舗兼用を含む)の最上階以外の階に火を使う設備を設けたもの
  • 住宅以外の建築物の火を使う設備を設けたもの

調理室についてはこちらのイメージ図をご覧ください。 参照:建物の内装制限について|ニップコーポレーション

前述でもお話ししましたが、火を使う部屋が2階以上最上階以外の場合は内装制限の対象外です。

また、 上記の図の一番左のものはストーブなど移動できる火気をイメージしていますが、その場合も対象外です。 1階と屋上に火を使う設備がある場合は内装制限の対象です。

[c.準耐火建築物]で内装制限がかかる条件
1.特殊建築物

2.階数と延べ面積の縛りが該当する建物

【特殊建築物等】
  • 劇場、映画館、演芸場など ⇒客席の床面積の合計が100㎡以上のもの
  • 病院・診療所など ⇒2階の部分の床面積の合計が300㎡以上(病院、診療所についてはその部分に患者の収容施設がある場合に限る)のもの
  • 百貨店・マーケットなど ⇒2階の部分の床面積の合計が500㎡以上のもの
3.政令で定める窓がない部屋
  • 床面積が50㎡を超える居室で窓等開放できる部分(天井から下方80cm以内の部分に限る)の面積の合計が床面積の1/50未満のもの
  • 温湿度調整を必要とする作業室等(法第28条第1項)
4.調理室、浴室など火を使う部屋
  • 階数2以上の住宅(事務所、店舗兼用を含む)の最上階以外の階に火を使う設備を設けたもの
  • 住宅以外の建築物の火を使う設備を設けたもの

 

「その他建築物」で内装制限の対象となる条件
建築物 内装制限となる条件
劇場映画館など 客席の床面積の合計が100㎡以上のものは内装制限の対象です。
病院・診療所・ホテルなど 床面積の合計が200㎡以上のものは内装制限の対象です。
百貨店・マーケット・展示場など 床面積の合計が200㎡以上のものは内装制限の対象です。

下地について

内装制限の下地には、以下のような材料があります。

<不燃材料の場合>

  • ケイ酸カルシウム板(厚さ5mm以上、繊維混入のもの)
  • モルタル
  • 石膏ボード(厚さが12mm以上でボード用原紙の厚さが0.6mm以下のもの

下地についてはよく疑問が寄せられるので、以下でご説明します。

Q1.内装制限の下地って何? 内装制限で廊下などの外部は下地も基準に沿ったものを使用しなくてはなりません。多くの場合は準不燃以上となっていますが、準不燃以上材料の代表的な下地素材には次のようなものがあります。

準不燃材料とは、以下のようなものです。

◎せっこうボード(厚さが9mm以上、ボード用原紙の厚さが0.6mm以下のもの)

Q2.準不燃材を使うときは、クロスも下地も両方とも準不燃じゃなきゃダメなの? 一般的には、不燃材の石膏ボードに不燃材認定がされた壁紙を貼るという方法で行います。

まとめ

今回は建築基準法の内装制限について解説しました。

特殊建築物や広い建築物、調理室、無窓、自動車修理工場や映画スタジオの場合は内装制限がかかるので準不燃以上などの素材を使って内装していきましょう。

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