2020.06.15

レセプションとは? 飲食店のオープニングを成功させる方法

開業時必須項目

レセプションというと、受付やバレーボール用語などの意味が頭に浮かぶ方も多いと思います。

では、飲食店に関係する「レセプション」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?

こちらはあまり知らないという方も多いでしょう。

そこで今回は、飲食店のレセプションとは何か、レセプションの方法について解説します。

1.飲食店のレセプションとは?

(1)招待会という意味

「レセプション」とは、バレーボールの「レシーブ」を語源とする言葉で、「受付」「歓迎会」「招待会」といった意味があります。

このうち、飲食店におけるレセプションは「招待会」を意味し、お店が新規オープンする前に関係者や従業員の家族、友人を集めて開催するお店のお披露目会を指す言葉です。

「レセプション」では客を招待してのパーティーという形をとることが多いですが、実際にオープンした時のため、招待客にアンケートを取って問題点を洗い出す作業を行います。

(2)プレオープンとは?

「レセプション」と内容が似ていて、たまに混同される言葉として「プレオープン」があります。

プレオープンは開業前に人を集めて料理をふるまう、という点においては同じですが、実際にお客さんを呼び込んで開業後と同様に業務を行う、という点がレセプションとの違いです。

プレオープンはいわゆる飲食店における公開ゲネで、本番前最後の練習といった意味合いが強くなります。

実際に業務を行う中で料理を提供する質とスピード、接客対応が客に対して妥当かどうか、値段設定がきちんと利益が出せて客に満足感を与えられる額かどうか、といった点の最終チェックを行い、問題点を洗い出していくのです。

オープン本番に向けての最終チェックなので、プレオープンで見つかったすべての問題点を解決してオープンに備えます。

2.レセプションを行う理由

レセプションを行う理由は主に3つ。

 

1つ目は、お世話になった方やご迷惑をおかけした方への感謝の気持ちを表すためです。

そのため、レセプションに呼ぶ「関係者」は仕入れ先や工事を行ってくれた業者だけでなく、工事で迷惑をかけた近隣住民や町内の方々も招待することがあります。

 

2つ目はお店の運用テストのため。

レセプションの時は当然のことながら外部に頼むのではなく、お店のスタッフが自らの力で提供する飲食物を楽しんでもらうことになります。

そのため、料理を作る作業とお客さんに配膳する作業、接客作業の運用テストを行うことができるのです。

 

3つ目は広告効果。

お客さんがレセプションで満足してくれれば周囲の人にも宣伝してくれる可能性が出てきます。

特に近隣住民の方は周囲の方に広げてくれやすいので、大きな宣伝効果が狙えるのです。

できるだけ人脈の広い人を招待するようにしましょう。

3.レセプションを成功させるためのポイント

(1)レセプションは無料招待にする

レセプションは実践練習も兼ねるとはいえ、あくまでも感謝を伝える会です。

そのため、レセプションに誘うときは基本的に無料招待として誘います。

実利面で考えても無料の方が人も参加しやすくなるので、多くの人から意見を集めたいレセプションでは集客という意味でも効果的です。

また「無料でおいしい料理を食べられた」というイメージの方が参加者も口コミでお店の評判を広げてくれやすいので、広告目的としても大きなメリットがあります。

有料のレセプションにする場合もあり、この場合はお金を支払ってもらうことで当日の人件費や材料費など、経費を補うことができるメリットを受けられます。

お金を払うことで参加者からのフィードバックがシビアで現実的なものになりやすく、オープン時により具体的な施策が打ちやすいというメリットも重要な点です。

半面、感謝を伝える会という趣旨としてはよろしくない点と「お金が必要なら行かなくていいや」と考える方も多いのでそもそも人数を集めにくい点があります。

総じて、多くの意見を集めやすい無料招待にすることの方がメリットも大きいため、レセプションは無料で行いましょう。

(2)実際の業務同様に行う

レセプションは実践練習も兼ねることになるため、できるだけ実際の業務に近い形で行いましょう。

具体的には、この3つを意識しておきましょう。

 

①メニューは本番に出すものと同じにする

②オペレーション人数をあまり多めに用意しない

③接客態度は公平に

 

①メニューは本番に出すものと同じにする

メニューは本番に出すものと同じにしておきます。

レセプション当日のみの違う料理を作っては練習としての効果が薄れてしまいますし、「店の味でお礼をする」というレセプションの目的からはずれが出てしまうからです。

レセプションでは本番と同様のメニューを出すようにしましょう。

とはいえ、レセプション1日のためだけにすべてのメニューを出せるようにするのはさすがに非効率的です。

料理はイチ押しのメインメニューを含む数種類に抑えておき、その中で人気や評判、調理にかかる時間効率などが事前予想通りに言っているかどうかを確認しましょう。

②オペレーション人数をあまり多めに用意しない

レセプションにおいては、スタッフが不慣れなことを考慮して少し多めにオペレーション人数を入れておきたくなります。

少し増やす程度なら構いませんが、あまり余裕を持たせすぎるのも考え物。

本番のための練習も兼ねている以上、あまり大人数のスタッフを用意しても練習になりにくくなってしまいます。

予想した適正人数でも回せるかどうか、という点の確認のためにあまり大人数を投入しないようにしましょう。

③接客態度は公平に

飲食店ではよくある問題点として、常連のなじみの客には愛想がいいものの一見の客には露骨に態度が固くなる、という点があります。

これは非常に印象が悪く、将来の常連客を逃す原因ともなりかねない行為です。

レセプションでもこれは同様で、同じ人とばかり話をしていて他の人に挨拶をしない、なんてことになったら挨拶をしてもらえなかった人からは相当な悪印象を持たれてしまいます。

基本的に実務スタッフは忙しく作業をしていることになるので、店長やオーナーはまんべんなく挨拶やお礼を言って回るようにし、公平な接客態度を心がけましょう。

(3)飲み物は多めに用意する

レセプションはただ食事をするだけでなく、参加者、主催者問わず挨拶や会話をすることが多くなります。

そのため、通常の食事よりものどが渇く参加者が多めになる傾向があるのです。

となるとドリンクの注文は必然的に増えるため、ドリンクを多めに用意して足りなくならないようにしましょう。

(4)客にアンケートや口コミ、SNSで協力を頼む

せっかく費用を使ってレセプションを開催するのですから、その効果は最大限利用したいところ。

問題点を洗い出すためのアンケートへの協力はもちろん、口コミやSNSでよかったところを発信してもらうことで広告としての活動協力も同時に行ってもらいましょう。

4.レセプションの流れ

(1)招待する参加者を選定する

レセプションを開く前に、まずは誰に参加してもらうかを考えます。

店舗の容量を考えた場合、どうしても参加できる人数は限界が出てきますので、誰を呼ぶのかを考えて招待する人を選びましょう。

①お世話になった人

最も優先すべきなのは、修行先の店長や専門学校でお世話になった方といった技術的にお世話になった人、店舗の大家さんや内装工事をしてくれた業者の方といった開業までにお世話になった方など、感謝の気持ちを伝えたい人です。

単純に礼儀として呼ぶべきであるということ以外にも、こういった方は人脈が広いことが多いので、厚遇しておけば宣伝面で有利になるというメリットもあります。

②ターゲット客層に近い人

ターゲットの客層に近いということは、それだけもらえる意見もターゲットの心理に近いことが多く、レセプション時に行うアンケート結果の有用性が高い人ということです。

アンケート結果を業務に反映する上で最も重要な意見になるので、最低でも数人はこの枠に入れておきたいところ。

もし知人にターゲット層に合う人がいない場合は、顔の広い知人にターゲット層の人を連れてきてくれるように頼みましょう。

③人脈が多く顔が広い人

レセプションの良かったところを広く拡散してくれる、広告塔として有用な人材を招待します。

知人の中で顔の広い人を呼んだり、地域の代表者を呼ぶのが手近です。

他にも雑誌記者などを招待してお店の記事を書いてもらう、といった手法もあるので、頼みたい場合は一度雑誌社に連絡してみるといいでしょう。

(2)招待状を送る

レセプションでは、感謝の意を示すためにもメールやSNSではなく、書面での招待状を出すのがいいでしょう。

また、書面であればお店の地図を載せやすいというのもメリット。ほとんどの参加者が初めてお店に来るので、地図を載せておけば参加者をお店にたどり着きやすくすることができます。そのため、地図を載せておくことはほぼ必須となるのです。

メールで送信する場合、画像保存形式や容量の関係から、地図を添付したメールの送信に不具合が出る場合があるので注意しましょう。

(3)レセプションで提供する食事メニューを決める

レセプションで出すメニューを絞り込みます。

先述の通り、予算やまだ不慣れなスタッフの技術面を考慮すると、レセプション時点で全てのメニューを提供するのは非効率的です。

そのため、レセプション時点ではメインメニューを含む数種類程度に提供するメニューを絞り込みましょう。

後にアンケートで値段設定について意見を募るため、メニューに値段を書いておくのも効果的です。

(4)レセプションの準備

レセプションを開くための準備を行います。

食材の手配やスタッフのシフト管理、実際に提供する料理の最終チェックなど、開業してからの作業と同じことを行うため、この時点から予行演習は始まっていると言えます。

レセプション当日を成功させるために、スタッフ同士で確認しながら準備をしていきましょう。

(5)レセプション開催

レセプション当日、いよいよ招待客を入れてレセプションを開催します。

レセプションの体験がいいものになるよう、仕事として全力でおもてなししましょう。

レセプションを開催する大きな目的の一つでもある、問題点を洗い出すためのアンケートも忘れないように。

(6)レセプション後

レセプション終了後、開催時に取ったアンケート結果を見て問題点を洗い出し、本番のオープンのための対策を考えます。

一般的に問題となりやすいのは厨房の回転率や料理の提供速度、値段設定です。

これらに関する意見は積極的に取り入れましょう。

まとめ

飲食店においてレセプションは、単純に本番前の予行練習となるだけでなく、未来の常連客を確保するための広告戦略も兼ねた一大イベントです。

本番の接客をしているつもりで、プロとしてレセプションを成功に向けて導きましょう。