2020.06.05

食品衛生責任者の資格は更新手続きが必要?

開業時必須項目

飲食店を開業するにあたって必要になる資格の一つに「食品衛生責任者」があります。

飲食店を営業するにはこの資格を保有している人が最低1名必要です。

食品衛生責任者の資格は更新が必要なのでしょうか、また食品衛生責任者が変わる時はどのような手続きが必要なのかについて解説します。

1.食品衛生責任者は更新手続きが必要?

食品衛生責任者の資格には期限はありません。更新手続きは義務付けられていない資格のため、一度取得してしまえば一生使える資格です。

但し、一定の期間や機会に受講が義務付けられている講習や研修がある場合もあります。このような研修等に無断欠席などをすると資格が無効になる可能性がゼロではないため注意しましょう。

一度取得すれば一生使える資格なら取っておいて損はないですね。

2.食品衛生責任者とは

飲食店に最低1名必ず常駐していなければいけないのが食品衛生責任者の資格保有者です。個人経営の方であればご本人が取っておくことが必須になります。

(1)食品衛生責任者は何をするの?

食品衛生責任者の役割や義務は下記の通りです。
(食品衛生法施行条例別表第一「公衆衛生上講ずべき措置の基準」より抜粋)

食品衛生責任者は、営業者の指示に従い食品衛生上の管理運営に当たるものとする。

食品衛生責任者は食品衛生上の管理運営の責任者にあたります。

たとえば、設備の衛生管理や不衛生箇所があったらその改善を行ったり、スタッフの健康管理をしたり、手洗いや清掃のチェック表を作成し衛生管理がしやすい環境を作ったりします。

「営業者の指示に従い」と記載があるとおり、従業員に食品衛生責任者の資格を取らせる場合であっても経営者がきちんと衛生面での指示も行う必要があります。そのため、従業員だけでなく経営者本人も資格は取っておいたほうがよい資格ですね。

食品衛生責任者は、食品衛生上の危害の発生を防止するための措置が必要な場合は、営業者に対して改善を進言し、その促進を図らなければならない。

たとえば、包丁やまな板などの調理器具が古くなったら買い替えたり、冷蔵庫の冷え方が弱くなったら点検・修理、買い替えを提案したりすることが必要になります。

食品衛生責任者は、法令の改廃等に留意し、違反行為のないように努めなければならない。

自らが食品衛生法やその他の法律を守ることはもちろんですが、ほかの従業員にも守るように指導・徹底をしなければいけません。

(2)食品衛生責任者がいない場合はどうなるのか

飲食店を経営するには、原則、営業許可と食品衛生責任者の設置が義務付けられています。

食品衛生責任者の資格を取るには食品衛生責任者講習会の受講が必須となります。(一部資格保有者を除く)

万が一店舗のオープン予定日までに講習会の受講が間に合わない場合は、下記のとおり申請すれば開業は可能です。

  • 食品衛生責任者設置誓約書を提出する
  • 食品衛生責任者講習会の受講予約票を提出する

保健所の窓口にて「食品衛生責任者設置誓約書」を提出することで、数か月の猶予できます。

また、講習会の受講の予約が済んでいて保健所の検査が先にある場合は、その予約票を提出することで開業前の保健所の検査を受けることが出来る場合もあります。

受講予約が済んでいる場合は、保健所の窓口にて相談してみるとよいでしょう。

上記理由以外での食品衛生責任者不在や名義貸しなど他人名義で営業をすると、行政処分として、指示、営業停止、営業許可の取り消しの対象となってしまいます。2年以下の懲役または200万円以下の罰金(食品衛生法)が科されることもあるので注意しましょう。

従業員に資格を取らせておいて、その従業員が何らかの理由でいなくなってしまった場合に営業することが出来なくなってしまうので、経営者本人も資格を取得し、その補助として従業員にも資格を保有してもらうことをお勧めします。

3.食品衛生責任者の資格の取り方

食品衛生責任者の資格を取るには食品衛生責任者養成講習会を受講する必要があります(※一部資格保有者を除く)。

講習会の予約方法や注意点は各自治体によって異なるので、必ず開業する地域の保健所のホームページで確認するようにしましょう。

(1)予約時の注意点

予約方法は各自治体によって異なるので、開業する地域の保健所のホームページをチェックしましょう。

新規で開業する際は営業許可申請の際に保健所の窓口で直近の講習会の開催日を教えてくれる場合があります。

食品衛生責任者養成講習会申し込みの多い講習会です。先着順となっているため早めに予約申し込みをしないと定員に達してしまい受講することが出来ません。

いつまでに資格を取得できれば良いか逆算して早めに申し込むようにしましょう。

受講証は正確な文字で丁寧に書き、記入漏れ、必要な切手の不足など内容十分に気を付けてください。

(2)受講に必要な持ち物

各自治体によって必要な持ち物や費用は多少違いがありますが、ここでは東京都の場合を紹介します。

  • 受講票
  • 筆記用具
  • 受講料1万円(教材費込み)
  • 受講票の記載を確認できるもの、また、外国人の場合は在留カード、特別永住者証明書

(3)講習会当日の流れ

食品衛生責任者養成講習会の内容も東京都を例にあげます。各自治体によって多少の違いはありますが、大きな違いは無いようです。

◆~9:30 入室

受講料の支払い後、指定された席に着席します。

机の上には使用するテキストとして、「食品衛生責任者教本」と「食品衛生責任者講習会ノート」が置いてあります。

◆10:00~講義開始

事前に受講上の注意説明を受け、それから講義が始まります。

講義時間は、途中休憩をはさんで、約6時間におよびます。

◯講義科目

衛生法規 安全性の基準や資格を定めた法律のこと
公衆衛生学 健康の維持増進をし様々な病気を予防するために必要な基礎知識
食品衛生学に関する講義 食品の衛生や安全を保つための方法を学ぶ
食品衛生に関するビデオ講習 上記の方法をわかりやすくビデオにて学ぶ

◆16:00~テスト

テストを受け最後に受講修了証が交付され、終了です。

このテストの難易度はどのくらいのものなのでしょうか?

最後に行われるテストの内容は3択式の問題が5問出題されます。ひっかけ問題もあるため6~7割の正解率の方が多いようです。

テストに出題される部分は講義中にアドバイスをしてくれるので満点も取れる可能性もあります。

落とすことを目的にしているテストではないので、不合格ということはほとんどなさそうです。あまりにも得点が低い人は残されるようですが・・・

(4)食品衛生責任者取得後の流れ

すべての講習が終わると、食品衛生責任者手帳が交付されます。この手帳が食品衛生責任者修了証(受講証明書)です。

各自治体によって多少異なりますが、東京都の場合は受講証明書は当日発行、交付されます。

お店の中の見やすいところに食品衛生責任者のプレートを掲示しなければなりません。プレートの金額は800~1,000円が多いようです。

食品衛生責任者が変更となる場合は、変更となった時点で、保健所の窓口に「食品衛生責任者の変更届」を提出する必要があります。

届出の用紙は窓口でもらうか、自治体によっては保健所のHPよりダウンロードできる場合もあるため確認しましょう。

(5)食品衛生責任者養成講習会の受講が免除される資格

有資格者の場合、食品衛生責任者養成講習会の受講が免除されます。

主な資格は次のようなものです。

  1. 栄養士、調理師、製菓衛生師、食鳥処理衛生管理者、と畜場法に規定する衛生管理責任者、船舶調理人など。
  2. 医師、歯科医師、獣医師、薬剤師などの食品衛生管理者もしくは、食品衛生監視員となることができる有資格者。
  3. 平成9年以降、他の都道府県で受講を終了している人。

食品衛生責任者講習は、食品の衛生について勉強するためのものなので、その知識が既にあると考えられる人に対しては受講が免除されるということですね。

自分が講習会の免除対象に該当するかわからない場合は、各地の食品衛生協会に問い合わせるとよいでしょう。

まとめ

飲食店では店舗ごとに食品衛生責任者の設置が必要です。

冒頭に記載した通り、食品衛生責任者の資格は有効期限がある資格ではないので、資格の更新は必要なく取得したら一生使えます。

飲食店開業を検討している方は、早めに取っておくとよいですね。