2020.01.26

接骨院の内装のポイント~デザインと費用と構造設備基準

内装/外装

接骨院(整骨院とも言う)の数は平成30年度で14万か所以上もあり、全国のコンビニチェーン店の総数5万6千軒の2倍以上の数です。

もちろん、接骨院の増加の背景には高齢者が増えている要因もありますので、今後もしばらく接骨院の需要は高いことでしょう。

しかし、接骨院の競合がこんなに多い時代では、施術の腕だけで勝負することは困難です。他社との差別化として「感じの良い接客」と「物件の場所」、そして今回ご紹介する「接骨院の内装」が重要なポイントです。

今回の記事では、今後接骨院の内装工事を発注する予定の事業者様に向け、内装デザイン・標準的な内装工事費用・構造設備基準について分かりやすくお伝えします。

接骨院の内装は図面を見ながら詰めていこう

①接骨院の構造設備基準

薬局や病院のように、接骨院でも「構造設備基準」といった内装ルールがあります。

接骨院の施術室では、6.6立方メートル以上の広さが必要です。

また、待合室は①3.3立方メートル以上の広さを有すること②施術室と待合室の区画は壁で完全に仕切られていることという大前提があります。その他にも、以下の基準がありますのでチェックしてみてください。

【接骨院の構造設備基準】

(施術室)

  • 6.6立方メートル以上の広さが必要
  • ベッド2台以上ある場合は患者のプライバシーを考慮しカーテンで仕切ること
  • 室面積の1/7以上相当部分を外気に開放できること、またはこれに代わる換気装置
  • 手指消毒設備の設置
  • 消火器の設置

(待合室)

  • 3.3立方メートル以上の広さが必要
  • 施術室と壁で区画されていること

 

接骨院の内装では「窓」があることが義務付けられています。テナントを見る場合も、平米数だけでなく窓の位置や風通しもチェックしてください。

②エアコン・トイレ・電力・水回りも大切

また、接骨院の内装では以下の設備についてもチェックする必要があります。

  1. エアコンはあるか
  2. 電気容量は十分か
  3. トイレはあるか
  4. 手洗い場はあるのか

エアコンやトイレがない場合は(スケルトン物件)、業者に依頼し内装工事で取り付けましょう。

居抜き物件(エアコン、トイレ等がついたままの物件)であれば、その分工事費用は安く済みます。

③接骨院の内装デザインのポイント

デザインのポイントですが、整骨院は捻挫などの痛みを取り除きたい患者さんがいらっしゃる場所なので、基本的には病院のような①清潔感があり②癒しのあるインテリアが好まれます。

これを踏まえ、接骨院の内装を考える時にはまず物件の見取り図を見ながら①構造設備基準をクリアしているか②エアコンやトイレなどの最低限の設備が整っているか、そして③患者様にとって清潔感と癒しのある空間であるか、という3点を考慮する必要があります。

その上で、④コストが安く⑤プラスαの要素を採り入れた内装を心がければ理想的です。

接骨院の施術室の内装デザインとは

接骨院の施術室の内装工事の基本は①壁②床③天井工事です。

ダクト工事や厨房設備の必要な店舗内装と比べると、比較的シンプルな工事と言えるでしょう。

①【標準】清潔感がありシンプルな接骨院の内装

清潔感がありシンプルな接骨院の内装

ブランケットがかけられた施術用のベッドが並んでいる、シンプルなインテリアです。極力無駄を排したシンプルな空間ですので、マッサージ風の店舗内装と比べるとベッド数も多めに入れられます。

天井にレールを取り付ければ、隣のベッドとベッドの間をカーテンで仕切ることもできます。ベッドの下には患者様の荷物用のかごが収納できます。

低周波治療器や業務用マッサージャーはカラーボックスを使ってコンパクトに収納しましょう。

壁と天井の色は基本的にホワイト系。床の色はグレー系が人気です。

②【ナチャラル】女性に人気のマッサージ店のような接骨院の内装

マッサージ店のような接骨院の内装

女性の柔道整復師の数も最近では増えていますよね。女性ならではの不調や痛みもありますので、同性の柔道整復師さんの存在は頼りになります。

飲食店の場合もそうですが、女性は男性よりも施術だけではなく内装や雰囲気をとても重視する傾向にあります。

女性に人気の接骨院のデザインは、ナチュラルテイストを加えた内装です。

具体的には①大理石・タイル・木目調の床材を使う②間接照明を使う③壁材にはベージュなどの優しい色を使う、といった方法があります。

標準的な接骨院の内装費用よりはコストがかかりますが、女性客を見込める、客単価を多く見込める、といったメリットもあります。

接骨院の待合室の内装デザインとは

待合室のデザイン

接骨院の入り口に面する待合室は、接骨院の大切な顔です。

ホワイト系の壁材を使い、清潔で明るい雰囲気を出すことが大切です。

待合室にある程度スペースがあるのなら、雑誌やリーフレットを置く、ウォーターサーバーを置くこと等も患者様へのメリットになります。

接骨院の内装にかかる素材と費用は?

①【床材】おすすめはタイルカーペット

工事の場所

一般的な素材

工事料金 目安

タイルカーペット(塩ビ系)

  • タイルカーペット(6畳)→9,600~38,400円
  • タイルカーペット張り(6畳)→2,000~3,000円
  • タイルカーペット剥がし(6畳)→3,000円
  • タイルカーペット廃材処分→(6畳)12,000円

一般的なのは「塩ビ系」(塩化ビニル樹脂が主な原料の床材)のタイルカーペットです。塩ビ系のタイルカーペットの長所は、とにかく価格が手ごろで汚れに強いところです。

タイルカーペットはホームセンターでも売られていますが、単価200~800円前後から購入でき種類も豊富です。

また、塩ビ系タイルカーペットはコーヒーなどをこぼしてもシミになりづらく、汚れたとしてもそのタイル(50cm四方)をはがして新しいタイルカーペットを張り付けられるため、メンテナンスのコストも低い床材と言えるでしょう。

②【壁】コンクリートむき出しで利用する院もある

一般的には壁にはビニールクロスを貼ります。

一般の住宅とは違い、不特定多数の人が出入りする場所ですので、汚れにくく抗菌効果があるなど多機能なビニールクロスをおすすめします。

費用は、6畳スペースの壁と天井にビニールクロスを張り付ける場合、工事費込みで最低6万円から8万円ほどが最安値です。

工事の場所

一般的な素材

工事料金 目安

ビニルクロス

(汚れ防止・抗菌・耐水性・マイナスイオンetc)

  • タイルカーペット(6畳)→60,000円~80,000円

※量産品の場合

  • タイルカーペット(6畳)→100,000円~130,000円

※標準品の場合

また接骨院のコンセプトにもよりますが、あえて壁に何も貼り付けずにコンクリート打ちっぱなしの状態で営業する接骨院もあります。その場合は、費用を抑えることが可能です。

③【天井】石膏ボード、クロス張替えだけでなく板張りリフォームも可能

天井の素材は化粧石膏ボードとクロスが多いですが、接骨院のデザインによっては天井を板張りにする、天井の高さを変更する、などの凝った工事も可能です。

工事の場所

一般的な素材

工事料金 目安

天井

  • 化粧石膏ボード
  • 天井クロス

 

  • (6畳の場合)1.5~3万円
  • (6畳の場合)1.5~2.5万円

※天井解体→6~9万円

※天井板張りリフォーム→5~10万円

※天井の高さ原稿→15~35万円

何気なく見ている天井ですが、天井の素材や高さによって接骨院全体のイメージも変わる重要な内装です。

従業員同士や患者様の動線も確保しよう

動線とは、人が動く流れのことです。

飲食店の内装でも動線の確保は内装工事において重要な要素ですが、接骨院にとっても同じです。

ベッドの後ろから人が通れるのか、受付の前には最低限人がすれ違うスペースはあるのか、などを考慮しなければいけません。

まとめ

接骨院の内装では、法令で定められた「構造設備基準」を守ることを前提に、①清潔感があり②癒しのある空間造り③エアコン・トイレなど最低限の設備④動線の確保が大切です。

工事の費用は見積を提示する業者によってもかなり変動します。

あなたの求めるデザインが実現できるよう、複数の業者に見積をもらうことをお勧めします。