2020.01.09

店舗設計とデザイン料の相場はどれくらい?

内装/外装,費用/相場

飲食店などの店舗をつくる際、工事費用には「店舗デザイン」や「店舗設計」費用も含まれています。デザインと設計料の相場を知っていれば、工事業者の見積り金額が妥当なのか自分で判断できます。

ちなみに、店舗デザインと店舗設計は似たような言葉ですが、実は少し違う意味を持ちます。あなたが正しい意味を理解すれば、工事業者の見積りをより正しく理解できます。

今回の記事では、店舗設計やデザインを依頼する予定のある業者の方に向け、デザイン・設計の費用相場と言葉の意味の違いをわかりやすくお伝えします。

1.店舗デザインと店舗設計の違い

店舗デザインと店舗設計の相場についてお話する前に、「店舗デザイン」と「店舗設計」の言葉の意味の違いについて先にお話しします。結論から申し上げれば、「店舗デザイン」はデザイン会社がよく使う言葉で、「設計」は施工管理まで一貫して行う会社(施工管理会社)がよく使う言葉です。

設計 ⇒ ある物や計画を具体化するための検討・検証、試みのこと。建築では、建物を計画するために、色々な検討を行います。実際に建物ができるよう、設計図をつくります。

デザイン ⇒ 本来は「設計」と同じ意味ですが、表面的な装飾を意味することが多いです。「設計」よりも、多方面に使える用語です。

どちらの言葉も「お客さまのご要望を満たし、物件や業種の特色を生かしながら、最適な店舗内装(+外装)の設計を考える」という意味を持ちます。しかし、デザインの方が「顧客の動線を意識する」「収益性を上げる」などのマーケティング要素を意識した言葉として使われています。また、店舗のコンセプトまで一緒に考えてから店舗デザインを行う所に違いがあります。

また、デザインの場合は最初に「予算を教えてください」と言われることが多いです。200万円であれば200万円のデザイン、500万円であれば500万円でできるデザインというように、店舗デザイン会社は予算にあわせたデザインを組んでくれます。

2.店舗設計とデザイン図はこんなに違う

あなたが店舗工事の設計を頼めば、こんな設計図が約3週間~1か月の期間で上がってきます。

これは、ある洋菓子店の店舗設計図です。これに対し、店舗デザインとは以下のような図です。

どうですか?店舗設計図と店舗デザイン図はまるで違いますよね。デザインをせずに、いきなり設計することも可能です。デザインなしの方が、工期は短くて済むため、支払うお金も安くなります。

けれども、大規模な商業施設などを企画する際、通常、店舗デザイン図は必ず作成します。しかし、居抜き物件で前の業者と同じ内容の店舗をつくる際は、いきなり設計図から入る場合も多いです。店舗デザインと設計の違い、なんとなくおわかりいただけましたでしょうか。

2.店舗設計・デザイン料の相場とは?

これを踏まえ、店舗設計・デザイン料の相場について考えてみたいと思います。

①相場は設計会社か施工管理会社に依頼するかで異なる

ある飲食店経験の長い事業者Aさんが、バーカウンターもあり、おしゃれな雰囲気の良い感じのイタリアンレストランをつくりたいと考えました。

【あるイタリアンレストランの内装例】

そこで、いくらで工事できるのか知るためにいくつかの業者に見積り依頼を出すことにしました。

しかし、その際に店舗工事の業者には2種類あることに気づきました。その2種類とは、「設計会社」と「施工会社」です。以下の図をご覧ください。

設計会社は店舗の設計のみを担当します。施工会社の決まる流れですが、まず設計会社が施行会社数社に見積を依頼し、複数の工事会社が入札します。次に、店舗オーナーと設計会社で入札された施工会社の中から安くて優良な業者を検討し、最終的な工事会社を決めていきます。設計会社は工事会社に対して手数料(マージン)を支払います。

【設計会社の場合の店舗工事までの流れ】

これに対し、施行会社の場合はワンストップで店舗設計から実際の工事までを行う会社です。設計会社より工事を早く進めることができます。社内に空間デザイナーや建築士がいますのでマージンはかからず、デザイン・設計料は設計会社が別の場合よりも総じて安くなります。

【施行会社の場合の店舗工事までの流れ】

いいえ、残念ながらそう単純にはいきません。なぜなら、設計会社のデザイン料の相場は総工費の7~8%が相場ですが、設計管理会社のデザイン料の相場は総工費の15%前後と利率が異なるからです。

しかしながら、施行管理会社の方が設計会社より自社内ですべてまかなえるため、工事にかかる期間は短めです。テナント物件が工事中でも、物件の費用(光熱費や家賃)は発生します。工事期間は短い方が、支払う費用は少なくなると覚えておきましょう。

ちなみに、JCD(一般社団法人商環境デザイン協会)の提示しているデザイン料の基準は、施工費全体の10~15%となっています。参考にしてくださいね。

【参照:JCD(一般社団法人商環境デザイン協会)】

②坪数で計算する場合は坪単価×5万円

店舗工事の相場を総工費の何%という形で計算する場合もありますが、総工費が出せない段階では坪数で計算します。出店する物件の坪数×5万円が相場です。

例えば、30坪の広さの美容室を開業する場合、デザイン・設計費用は

30坪×5万円=150万円

となります。

しかし、坪数が非常に少ない店舗というのも中には存在します。(3坪の店など)その場合は、最低設定のデザイン・設計料(50万円程度)が適用となります。

【参照:大平 建築設計デザイン事務所:店舗設計の費用について】

※上記URLをクリックすると、外部サイトへリンクします。

③外装のみを依頼するか、内外装込みで依頼するかで異なる相場

あるアパレル経験の長い事業者Bさんが、ブティックを開くために内装だけでなく外装の工事も業者に依頼したいと考えました。ブティックの外装はこんなイメージです。

【あるブティックの外装例】

シックなサイン(看板)が素敵な外観ですね。上記の画像のように、店舗正面から見た外観のことを「ファサード」と呼びます。ファサードの出来は集客に直結します。具体的には、サイン・看板などの外装工事を行います。

外装工事は、看板デザインやセレクトだけの場合は最低5万円が相場です。しかし、もっと建物全体のイメージづくりやデザインを必要とする場合は、建築士に依頼することになるでしょう。

建築士がからむ店舗工事は、物件ごと新築であるケースが多いです。それ以外の店舗工事(既存テナントを改築)の場合は、インテリアデザイナーや空間デザイナーや大工さんがデザイン・設計を担当します。

 

【店舗工事のデザイン・設計に関わる職業と違い】

インテリアデザイナー 家具やカーテン、什器のデザイン(計画)と内装全体の企画、設計を担当する
空間デザイナー

(スペースデザイナー)

公共施設や商業施設などの大型施設の企画をお客様とのヒアリングを元にCADなどのソフトを使って立体化する
大工さん 工務店などで働き、お客様の要望を元に実際の店を製作する。

職人としてだけでなく、デザイナーも兼任することも多い。

建築士 一級建築士などの国家資格を持ち、CADなどのソフトを使って建築物の細かいデザインを決め、設計図を完成させる。法的な書類作成や申請などもできる。

上記の表で記載されているように、比較的規模の小さい店舗で内装だけの場合はインテリアデザイナーや大工さんが、比較的規模が大きい店舗で外装工事も含む場合は空間デザイナーや建築士が関わります。

通常、どのデザイン会社や工務店でも内装も外装も一貫して頼める場合がほとんどです。しかし、それぞれの業者ごとに連携している会社や職人と決めている手数料や技術は異なります。

まとめ

店舗設計とデザインではマーケティングを意識しコンセプトから考えるか、という違いはありますが、店舗の内装や外装を顧客の意図を組みながらデザインする、という意味では同じです。