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外壁に使用するサイディングとは?4種類の特徴と費用相場

新築住宅の外壁選びをするときや外壁のリフォームをする際などに、「サイディング」という言葉を耳にしたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

サイディングとは外壁材の一種ですが、サイディングのなかにもさまざまな種類があります。

今回は、サイディングの種類やそれぞれの特徴、費用の相場などサイディングの基礎知識やメンテナンスの方法についてまとめてみましたので、住宅を購入する方や外壁のリフォームを考えている方はぜひ参考にしてみてください。

サイディングとは?

サイディングとは、建物の外壁に使用する外壁材のことです。サイディングボードとも言われ、板状になっているものを壁に貼って利用します。 サイディングの例 昭和50年頃は外壁と言えば「モルタル」が一般的でしたが、業界団体による2021年の調査によると、サイディングが日本の外壁の9割のシェアを誇っています。

外壁仕上げは、「窯業サイディング」が80.4(78.3)、さらに「サイディング合計」で90.9(90.6)を占める。「モルタル」は5.4(5.8)となっている。

引用元:日本サッシ協会 統計資料 2021年3月版「住宅用建材使用状況調査」の概要

サイディングの人気の秘訣は、他の施工方法と比べると工事も簡単で価格も安く、色や柄などデザインも豊富ということです。

以前までは「モルタル」と言われる、セメントと砂を混ぜたものを壁に塗って仕上げるのが主流でした。

モルタルはデザイン性が高く、つなぎ目のない外壁に仕上げることも可能ですが、手作業で外壁に塗装して仕上げるので、施工期間やコストがかかり、施工する職人の技術により、完成度が違います。

また、ひび割れが起きやすく、サイディングよりも防水性が低いなど、性能に関してもサイディングに劣ることから、現在ではサイディングが広く普及するようになりました。

サイディングにはどんな種類があるの?

サイディングの中にも大きく分けて4種類ありますので、それぞれの特徴を紹介していきます。

窯業系サイディング

サイディングの中でも一番使われているのが「窯業系サイディング」です。硬質で密度が高いため耐震性や遮音性、防火性にすぐれています。

デザインもタイル調や石積み調など風情あるものがありますので、汎用性も高いです。基材のセメントと繊維質材料を高温・高圧で成型したもので、色・柄などのパターンも豊富です。

他のサイディングに比べ安く手に入るので取り扱っている業者も多いです。

金属系サイディング

主な原料はカラー鉄板やアルミニウム合金です。

窯業系に比べると金属の為、衝撃に弱く、塩害の影響を受けるので沿岸部の住宅での使用は少ないです。

一方、軽量の為、サイディングを張り替え時に重ね張りとして使用されることが多いです。

木質系サイディング

素材が木材でできているため、価格は他のサイディングに比べ高く、防火性能も弱いですが、見た目などにこだわる方が使用する傾向にあります。

ただし、防火指定地域など特定の地域では使用が禁止されている場合もありますので、木質系サイディングを使用したい場合には事前確認が必要です。

樹脂系サイディング

塩化ビニール樹脂でつくられています。アメリカやカナダで普及していますが、日本ではあまり普及していません。

塩化ビニール樹脂は、腐食やひび割れが起きにくく、燃えにくい性質があります。

また、サイディングボードそのものに色がついているため塗装しなくていいので、耐久年数がメーカーによっては30年と言われるほど耐久性能が抜群です。

サイディングの種類別のメリットとデメリット

メリット デメリット
窯業系
  • 耐久性が高い
  • 遮音性が高い
  • 耐火性が優れている
  • 色や種類が豊富
  • 施工期間が短い
  • メンテナンスがラク
  • コストパフォーマンスが良い
  • 防水性が低い
  • 変形しやすい
  • 蓄熱性が高い
  • シーリングメンテナンスが必要

※シーリングとは:気密、水密状態を得る目的や、防音、断熱のため充填材などで塞ぐこと。コーキングとも呼ばれます。

金属系
  • 耐熱性が高い
  • 遮音性が高い
  • 耐震性が高い
  • 耐凍害性が高い
  • コストパフォーマンスが良い
  • 傷や衝撃に弱い
  • 塩害の影響を受けやすいので錆びやすい
木質系
  • デザイン性
  • 断熱性が高い
  • 取り扱い業者が少ない
  • メンテナンス頻度が多い
  • 腐食しやすい
樹脂系
  • 耐久性が高い
  • 変色や変形しにくい
  • 撥水性が高い
  • 耐久性が高い
  • 取り扱い業者が少ない
  • デザインが少ない

サイディングの種類ごとの材料代の相場はいくら?

サイディングの材料は種類ごとに単価が異なります。材料代の相場を確認しましょう。

サイディングの材料代の相場

サイディングの種類ごとの相場

種類 単価 ※1㎡あたり
窯業系サイディング 2,000~6,000円
金属系サイディング 2,000~8,000円
木質系サイディング 5,000~10,000円
樹脂系サイディング 2,000~9,000円

外壁のグレードや業者によって異なりますが、例えば40坪程度の一軒家の外壁を窯業系サイディングにする場合では外壁面積は約150平方メートルになりますので、材料代だけで30万円~90万円ほどかかります。

その他に、足場代として約10万円、人件費として約50万円、雑費が約10万円かかるため、施工費として合計100万円~160万円はかかると見積もっておきましょう。

サイディングはメンテナンスが必要なの?

サイディングに限らず、日差しや雨風などの影響を受ける外壁は定期的なメンテナンスが必要です。

サイディングの寿命

メーカーが表示している耐久年数は30年ですが、これはあくまでもメーカーが決めた環境下での耐久性能であり、すべてのサイディングが30年ということではありません。

日当たりや、風の当たり、年間雨量が多い地域、年間積雪量が多い地域、近隣家屋との距離など、物件の条件ごとに耐久年数は変わってきます。

プロの業者に聞くと、サイディングに塗布されている塗料の性能が落ちてくるのが約10年。サイディングの寿命でいうと、約10年、長くても25年といわれています。

素材別のメンテナンス周期

窯業系サイディング 7年~8年
金属系サイディング 10年~15年
木質系サイディング 8年~12年
樹脂系サイディング 10年~20年

素人でもわかる!劣化症状によるメンテナンスの時期

外壁のひび割れ メンテナンスを定期的に行うことで外壁の性能を長く保つことが可能です。

メンテナンスを怠ると、外壁の反りやひび割れを起こす場合があり、最悪の場合、外壁の張り替えだけでなく、建物の躯体にも影響を与えるので注意が必要です。

【塗装が必要な劣化症状】

  1. 強い色あせがある
  2. チョーキングが発生している(粉がたくさん落ちている)
  3. 全体的に塗膜剥がれがある
  4. 全体的にカビの発生がある(汚れの可能性もあるので、洗浄してから確認しましょう)
  5. 錆が発生している※金属サイディングの場合
  6. 全体的に細かいヒビがある
  7. 全体的に肉痩せしている
  8. 全体的に破断している

サイディングのメンテナンス費用について

サイディングのメンテナンス方法は次の3つがあります。

  1. 塗装:サイディング材の上から塗装をする方法
  2. 張り替え:既存のサイディングをすべて撤去し、新しいものを施工する方法
  3. 重ね張り:既存のサイディングをすべて残したまま、新しいものを施工する方法

塗装メンテナンスの場合

サイディングの外壁リフォームでは、塗装が一番多い方法です。

特に外壁の劣化が軽度の場合は、塗装メンテナンスでも十分効果はあります。

サイディング塗装の基本は「下塗り→中塗り→上塗り」の3回塗りです。

塗装前の洗浄はもちろん、下塗りをしっかり塗り、乾燥をしてから上塗りをすることが、外装塗装を長持ちさせるために大切ですので、外装メンテナンスの見積り時や契約時には、しっかりと3回分の費用が盛り込まれているか、確認しましょう。

なお、塗装の場合は必ずシーリングの打ち替え工事も行いましょう。

塗装メンテナンスの費用

1階床面積

費用 ※塗装代+シーリング代

65㎡(約20坪) 40~80万
100㎡(約30坪) 50~90万
130㎡(約40坪) 70~110万
165㎡(約50坪) 80~120万
200㎡(約60坪) 110~150万

張り替えメンテナンスの場合

新規でサイディングを張るので、住宅の外壁重量を増やさずに外壁リフォームを行うことができ、耐震性を維持したままのリフォームが可能です。

また、使用するサイディングボードを自由に選ぶことができるので、外壁のイメージを変えたい方におすすめです。

ただし、古いサイディングを剥がす工事や撤去費用がかかるため、費用は多くかかってしまいます。

工事単価の相場

工事項目

単価 ※1㎡あたり

材料費 4,000~8,000円
足場代 600~800円
施工費 2,500~3000円
既存外装材の撤去 800~1000円
ウレタンシーリング打ち 1式  50,000~100,000円
資材運搬費及び諸経費 1式 100,000~200,000円

重ね張りメンテナンスの場合

重ね張りの場合、張り替え工事と違って、現状の外壁材を撤去する必要がないため、工事の費用と施工期間を抑えられます。

外壁を重ね張りすることで壁の厚みが増し、断熱性が上がるため、冷暖房費の削減に繋がる効果があります。

一方で外壁重量がかかることにより、外壁に負荷がかかり、耐震性はやや低下します。

工事単価の相場

工事項目

単価 ※1㎡あたり

材料費 4,000~10,000円
足場代 600~800円
施工費 2,500~3,000円
材料費 4,000~10,000円
資材運搬費及び諸経費 1式 10,000~20,000円

最適な業者選びはどうすればいいの?

外壁塗装の依頼先は、塗装業者やハウスメーカー、工務店やリフォーム会社、ホームセンターなど、さまざまな業者が挙げられますが、塗装経験が豊富な業者に任せることが望ましいです。

最適な業者を選ぶためには次のポイントをチェックしてみましょう。

まずは相見積りを取りましょう!

1社だけでは、費用の相場感や必要な工事などを判断することができません。3社~5社ほど見積りを依頼し、金額や内容をしっかり確認して比較したうえで決めましょう。

業者選びのポイント!

金額の高い安いだけで決めてはいけません!

中には見積り時には費用が安かったけれど、施工が始まってから“意図的に”追加工事が必要と言ってくる業者がいます。見積り書の内訳が細かく記載されているか必ず確認しましょう!

材料費にいくら、施工費にいくらなど細かく内訳を出してくれて、丁寧に説明がある業者を選びましょう。追加工事の恐れも少なくなりますよ。

大幅値引きのうたい文句に注意

大幅値引きと謳い、契約を急がせる業者は気を付けましょう。 内装工事は決して安い金額でできるものではありません。 しっかりと相見積りを取り、より良い業者選定をしましょう。

ホームページもチェックする

ホームページがしっかりある業者を選びましょう。 会社の住所・問い合わせ番号・過去の実績事例・従業員の紹介などあると安心ができますね。

業者の人柄も大切です

しっかりと業者の人柄を見て選びましょう。 「態度はちょっと良くないが、安いから決めよう」という事はやめましょう。

要望を細かく聞いてくれたり、不明点は丁寧に説明してくれたりと一生懸命対応してくれる業者を選びましょう。

数年後や知り合いにも紹介できる業者かどうか、がひとつの判断基準です。

まとめ

外壁のサイディング業者はたくさんいますが、中には悪徳業者と言われ施工費が大幅にかかってトラブルに巻き込まれる方もいます。

しっかりと、ネットなどで調べ、何社か相見積りを取るために直接会い、自分に合った材料・業者を選定するようにして下さい。

この記事の監修者

田原 広一(たはら こういち)

株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者

田原 広一(たはら こういち)

平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。

【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)

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