内装工事費用の高い・低いが決まるポイント~スケルトン・店舗の種類・坪単価 | 開業支援の相談なら「開業支援ガイド」

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内装工事費用の高い・低いが決まるポイント~スケルトン・店舗の種類・坪単価

店舗を出して開業する際、最も資金が必要になるのは内装費用です。店舗内装費用について調べると、ざっくりと「300万円」や「500万円」など百万円単位の表現で書かれている事が多いです。

内装費用の相場は、なぜそのように何百万円もの差があるのでしょうか?個人の経営者にとっては大金ですので、できれば無駄な出費は避けたいですよね。

今回の記事では、店舗内装を考える事業者様が内装費用の内訳を理解するために、①業種ごとの内装費の相場と②スケルトン・居抜き物件の内装費用の違いと③坪単価の計算方法についてわかりやすくお伝えします。

店舗の種類ごとの内装費の相場

店舗は薬局のように小規模のものもあれば、2階・3階まである大型施設まで複数の種類があります。もちろん、大規模な店であればあるほど店舗内装費用の総額は高額です。

ここでは、業種ごとに大まかな内装費の相場をお伝えします。

店舗の種類

店舗面積と条件

内装費相場

居酒屋 15坪・東京都恵比寿

居抜き

450万円(坪単価30万円)
ラーメン屋 15坪・大阪市梅田

居抜き

 

525万円(坪単価35万円)
薬局 20坪・東京都練馬区江古田

スケルトン

400万円(坪単価25万円)
ブティック 20坪・東京都代官山

スケルトン

260万円(坪単価13万円)
エステサロン 20坪・愛知県名古屋市

スケルトン

400万円(坪単価20万円)
学習塾 20坪・東京都北区駒込

スケルトン

340万円(坪単価17万円)

居酒屋やラーメン屋などで厨房設備を導入する場合、内装費用は高額になります。また、エステサロンの場合もパーテーションを取り付けたり鏡を取り付けたり水回りの工事をするため高額です。

これに対し、アパレルや学習塾の場合は厨房設備や給排水工事が必要ないため、費用は抑えられます。けれども、アパレルや学習室の場合も新たな壁紙を張替え、床をはがし、天井からスクリーンなどを設置するなどの工事をしますので、250~350万円程度の内装費は必要です。

スケルトン・居抜き物件での内装費用の違い

内装工事費用は、スケルトン物件か居抜き物件なのかで坪単価と言われる内装工事の単価が異なります。

スケルトン物件とは、以下のような物件を指します。

スケルトン物件

見事にむき出しですね。まるで人間の骨のように何も中身がない状態です。

スケルトン物件では、ゼロから壁や床などすべてを作らなければいけないため、工事期間は1か月程度かかります。

これに対し、居抜き(いぬき)物件とは前の店舗や事務所が壁や床をそのままにして退出した状態のテナントを言います。人間に例えれば、服は着ていない裸の状態です。

居抜き物件

居抜き物件の場合、元の店舗が残した内装をそのまま利用し必要な部分のみの工事を依頼すれば、内装工事費用と工事期間を低く抑えられます。

居抜き物件にもいろいろあり、厨房設備がある物件、空調設備がついている物件、トイレが設置されている居抜き物件など多様です。

坪単価の計算方法

坪単価とは

店舗内装の見積りを業者に依頼すると、「坪単価」という言葉が出てくると思います。

マンションなどの住宅を購入する時にも出てくる言葉ですが、店舗内装での坪単価の言葉の意味は、面積一坪辺りの内装工事費用です。

一坪(ひとつぼ)=約1.8182m(たたみ2枚分の広さ)

例えば、坪単価が50万円の内装業者で20坪(たたみ40枚分の広さ)の内装工事を依頼すると、50万円×20坪=1,000万円の内装費用がかかるという計算になります。

坪単価は工事面積が広ければ広いほど下がります。

例えば、5坪の内装工事をするより15坪の内装工事をする方、15坪の店より30坪の店の内装工事を依頼した方が坪単価は下げられます。なぜかというと、内装業者は工事の現場面積が狭くても広くても人員を確保しスケジュールを空けるという手間は変わらないからです。

坪単価に含まれる内装工事の内容

坪単価が広さごとの内装工事費用を指すことは分かりましたが、内装工事の内容は以下のように幅広いものです。

よくある内装工事の内容

また、業者によっては単に床・壁・天井のクロス施行やトイレのCFシート張りを指す場合もあります。

これら各工事の種類が多ければ多いほど、内装工事費用は高くなります。

例えば、レストランでランチセットを頼むのではなく、「ごはんとハンバーグとドリンクとサラダと、、」と個別で頼む感覚に似ています。

【店舗内装の個別工事の相場(例)】

仮設工事 10~80万円
軽鉄・ボード工事 15~45万円
木工・建具工事 60~100万円
内装工事

(壁・天井・タイルカーペット)

30~50万円
空調換気設備工事 40~70万円
サイン工事 5~50万円
間仕切り壁設置工事 100~140万円
木工事(カウンター家具・建具工事) 40~70万円
電気配線・LAN配線工事 60万円
給排水工事 70万円
照明器具変更工事 25~30万円

上記は、当サイトの持つ飲食店の店舗内装の見積りから拾った金額です。

工事の種類が多ければ多いほど、内装工事の総額が高くなるのはお分かりいただけると思います。また、内装工事の坪単価には5~7%の割合でデザイン料が含まれています。

内装工事費用ごとの割合

上記は、ある飲食店の内装工事見積を工事費用ごとにグラフ化したものです。この中で最も費用がかかっている部分は厨房工事費用です。

物件の特徴しだいで、見積り内容は大きく変わります。

これに加え、店舗建物自体が新築の場合は別途設計費も必要です。

坪単価が安い業者と高い業者の違いとは

坪単価は内装業者が自由に設定できます。内装業者内で「坪単価はこうして計算しなさい!」というルールはありません。そのため、坪単価は内装業者間で差があります。同じ工事内容でも、「うちは坪単価が15万円だ」という内装業者もあれば「20万円です」という業者もあります。

なぜでしょうか?それは、以下の違いがあるからです。

【内装業者の坪単価の違いが発生するポイント】

  • 内装に必要な備品を安く仕入れられるか
  • 業界内での横のつながりがあるのか(電気屋さん、水道屋さんとの取引があり、中間マージンが低いか)
  • 人件費をどれだけ払っているのか

特に、内装業者では新人よりベテランスタッフは仕事が早いです。ベテランスタッフを多く抱える業者であれば、それだけ短期間で工事も済むため内装費はリーズナブルになります。

店舗の内装費をとにかく押さえたい!という人は

元々あった貸店舗の内装のまま、中の家具だけを変更して営業する!という場合は、内装費用はゼロ円です。

また、内装費は施工期間が長くなればなるほど、実際に作業する職人さんに支払うお給料が高くなるため、内装費用も高くなります。内装業では、平均の日当2万円が相場です。施工期間を短くすれば、必然的に内装費用は安くできます。

そこで、「内装工事を3日で完了できる業者にしよう!」と短期間がウリの内装業者に依頼するとしましょう。3日でできる内装工事というのは、内容もデザインも限られてきます。

要は、あなたが実現したい店舗と予算をどう折り合いをつけていくかが、店舗内装費を決める大きなポイントとなります。

まとめ

内装工事費用の高い・低いが決まるポイントは、①厨房機器や空調設備工事など費用が高い工事をするか②工事期間が長いか③工事面積④業者による坪単価の違い、が主な要因です。

内装費用を抑えながら希望通りの内装にするのであれば、複数の内装業者の見積を取り比較することが早道です。

この記事の監修者

田原 広一(たはら こういち)

株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者

田原 広一(たはら こういち)

平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。

【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)

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