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焼き鳥屋の開業に必要な備品の種類と数量を解説

焼き鳥屋の開業には、さまざまな備品や消耗品が必要です。焼き鳥を焼く台はもちろんのこと、調理のための包丁やまな板、入り口に置くA看板やノボリなど、備品の種類は多岐にわたります。

当記事では、焼き鳥屋の開業に必要な備品の種類と数量を一覧で紹介します。おおよその費用の目安も載せていますので、焼き鳥屋の開業に必要な備品の種類や費用を知りたい人は参考にしてみてください。

使用場面に分けて必要な備品と費用を確認する

開業に必要な備品を確認する際は、備品を列挙する前に「厨房で焼き鳥を作る」「焼き鳥を仕込む」などの使用場面を想定してみましょう。焼き鳥屋が営業開始する前から、従業員が清掃を終え店の鍵を閉めるまでの流れで備品を考えてみると、開業時に必要な備品の漏れを予防できます。

【焼き鳥屋の開業に必要な備品の種類】 

使用場面 種類 個数 費用
お客様を誘導する のぼり 2 6千円
A看板 1 1万円
赤提灯 1 2千5百円
チラシ 8,000 2千円
注文を取る オーダーメモ(複写) 1(10冊セット) 2千5百円
バインダークリップボード 1 2百円
焼き鳥を仕込む 角バット 5 6千円
三得包丁 3 5千円
牛刀包丁 3 2万円
ペティナイフ 3 1万円
まな板 2 2千円
ボール 5 2千5百円
菜ばし 5 5百円
キッチンポット 5 4千円
焼き鳥を備長炭で焼く 炭入れバケツ 5 5千円
チャッカマン 12 4千円
備長炭 3 3千円
おが炭 1(10kg) 3千円
火バサミ 3 9百円
鉄鋳物 ロースター(焼きアミ) 10 2万円
竹串 4kg (2,520本程度) 8千円
アルミホイル 3(30cm×50m巻き) 7百円
炭うちわ 2 4千円
焼き鳥をプロパンガスで焼く 三角カバー 2 2千円
鉄久(鉄棒) 4 3千円
水差し用のやかん 1 2千円
お冷を出す ウォータージャグ 2 5千円
副菜や他のメニューをつくる






クッキングスケール 1 5千円
計量カップ 2 2千円
缶切り 1 1千円
角バット 5 6千円
料理バサミ 1 1千5百円
フライパン 3 1万円
片手鍋 2 6千円
焼き鳥を包む




フードパック 300 2千5百円
割りばし 500 2千円
輪ゴム 3(約990本) 6百円
おしぼり 300 1千5百円
ビニール袋 300 1千5百円
レジで計算する レジ 1 3万5千円
※Stuareターミナルプリンター一体型の場合
  レジロール(20巻き入り) 1 2千円
  コイントレー 1 5百円
  鍵付きキャッシュボックス 1 3千円
貴重品を管理する 金庫 1 2万6千円
食材を保管する

ジャンボケース
10 1万5千円
チャック付きポリ袋 100 1千5百円
従業員の身だしなみを整える






白衣 3 6千円
エプロン 5 1万円
パンツ 8 6千4百円
和帽子 3 3千円
キャップ 5 5千円
シャツ 8
1万6千円
安全靴 4 1万2千円
手を衛生的に保つ ハンドソープ 8 8千円
調理台を衛生的に保つ


タオルペーパー 2(200枚入り×20パック) 5千円
サランラップ 2(30cm×100m×)5本入り 4千円
キッチンハイター 3(400ml) 1千5百円
店内を衛生的に保つ バケツ 2 6千円
  モップ 2 4千円
  掃除機 1 1万円
  T字ほうき 2 3千円
  ちりとり 1 2千5百円
  アルコールスプレー 10 2千円
    2(5L) 1万円
  カウンタークロス 20(100枚入り) 3万4千円
厨房を清潔に保つ
デッキブラシ 1 1千円
  ホース 1 2千5百円
  蓋付きゴミ箱 4 5千円
合計: 40万8千8百円

床面積15坪の焼き鳥屋の場合、1坪に2人のお客様が座れると考えると、15坪×2人=30人となるので、30人をベースに備品の必要な数を考えます。座席数30で従業員3人の焼き鳥屋の場合、開業時に必要な備品の種類はおよそ60種類で、費用は約40万円です。

焼き鳥屋を開業する際は「厨房で使う備品」「店内を清潔に保つための備品」「焼き鳥屋の入り口に置く備品」など、使用場面に合わせた備品が必要です。店内で焼き鳥を食べられる店やキッチンカーの場合では必要な備品が異なるので、あわせて確認してみて下さい。

なお、焼き鳥屋を開業するには、備品を揃える他に飲食店営業許可が必要です。飲食店営業許可を取得するには食品衛生責任者の資格が必要なので、まだ資格を取得していない人は「焼き鳥屋の開業に必要な資格を解説」も確認してみましょう。

店舗で必要となる備品

店舗で焼き鳥屋を開業する際に必要となる備品には、入り口に置くドアマットや傘立て、テーブルの上に置くお箸やメニュー、角皿などがあります。店内で飲食ができる焼き鳥屋は、お客様が店内で行う動作を想定して備品を準備することになります。

【焼き鳥屋の座席に配置する備品の種類】※15坪/30/席/従業員全3名の場合

目的 種類 個数 費用
お客様を誘導する スタンド看板 1 10万円
ドアマット 1 2千円
傘立て 1 1万円
焼き鳥を提供する 角皿 45 4万5千円
丸皿 45 2万2千円
深皿 45 4万5千円
副菜を提供する スープ鍋 2 1千円
深鍋 2 6千円
炊飯器 1 2万円
お通しを提供する 小鉢 45 2万2千円
ビールを提供する ビールグラス 45 6千7百円
ビールジョッキ 45 2万2千円
日本酒を提供する ぐい飲み 45 4万5千円
冷酒グラス 45 2万2千円
吹酒燗器 10 4万円
チューハイを提供する チューハイカップ 45 4万5千円
食事をする 50 9千円
スプーン 50 9千円
フォーク 50 9千円
お冷を飲む グラス 42 5千円
おしぼりで手をふく
おしぼり 300 1千5百円
複数の食事を一度に提供する
トレー 3 4千5百円
料理を食べた後の始末 串入れ 15 2万2千5百円
つまようじ 15 1千5百円
メニューを見る メニュー 15 5万円
見本の食品サンプル 3 2万円
トイレに行く


トイレットペーパー
(12ロール)
4 1千8百円
トイレブラシ 1 5百円
トイレの洗剤(4.5L) 1 2千5百円
合計: 59万3百円

たとえば、座席数が30の焼き鳥屋の場合、焼き鳥を乗せる角皿の数は45枚以上を目安に用意します。すべての来店客が座席で1枚ずつの角皿を使用したとしても、角皿が45枚以上あれば、予備の角皿が15枚ある計算となるためです。

また、テーブルが4つとカウンター席が7つある焼き鳥屋の場合は、メニューは12冊以上用意します。メニューは1つのテーブルにつき1冊あれば足りますが、カウンターの場合は1席につき1冊ないと満席の時に困るからです。

焼き鳥屋の店舗で必要となる備品は、概ね他の飲食店とあまり変わりませんが、串入れや角皿がある点は特徴的です。座席数が多い場合やアルコールの種類が多いと必要な備品は増えるので、備品について検討する際は座席数とメニュー内容も考慮して決めましょう。

なお、飲食店ではお皿やグラスが割れることは日常茶飯事なので、開業時は割れる食器の分を想定して発注します。お冷やお酒用のグラスには割れづらい素材のグラスも販売されているので、備品を購入する数を抑えたい人は割れづらい食器も検討してみてください。

キッチンカーで必要となる備品

キッチンカーでの移動販売には、POPや日除け用のオーニングなどの備品を用意しましょう。POPがあると焼き鳥の魅力を分かりやすく伝えられ、オーニングがあると焼き鳥店の名前やブランドイメージを表現できるためです。

【キッチンカーの焼き鳥屋に配置する備品の種類】

目的 種類 個数 費用
焼き鳥の魅力を伝える POP(自作) 3 1千円
POP(オーダー) 3 3万円
焼き鳥屋をアピールする オーニング(日除け) 1 5万円
雨の中来店されたお客様が会計時に濡れないようにする パラソル 1 1万5千円
サイドタープ 1 2万円
キッチンカーの前で整列する カラーコーン 2 1千5百円
紐(2m) 1 5百円
バー 1 3百円
合計: 8万7千3百円

たとえば、複数のキッチンカーが集まるフードフェスの場合、お客様は複数のキッチンカーを見比べて購入する店を決定します。そのため、遠目から見て焼き鳥の価格や味などがすぐに分かるPOPを用意すると、集客に効果を発揮する可能性があります。

また、お昼時に人出が多い場所で移動販売をする場合は、車両の前にあらかじめカラーコーンやバーを設置します。接客や調理で忙しくなると人の列を整備する余裕がなくなり、行列が道路に飛び出したり他の店の前に及ぶ可能性があるためです。

キッチンカーで焼き鳥屋を開業する際は、何名くらいの集客ができるのか、天気はどうなるのかを想定しながら備品を決めます。防水性や耐久性に優れたものを選ぶと長く使えるので、業務用だけでなくアウトドア製品で使えるものがあるかも検討してみましょう。

備品の購入費を抑えるには複数の製品から選ぶ

備品の購入費を抑えるためには、複数の製品を比較検討することが効果的です。また、消耗品はまとめて買うとディスカウントしてもらえることもあるので、備品の購入費用を安く抑えたい人は複数のサイトや店舗を比較する、まとめ買いをする等の工夫をしてみましょう。

たとえば、焼き鳥屋のスタンド看板の場合、ステンレス製の看板であれば1万円台ですが、LEDが付属する看板は12万円ほどします。LEDが付属する看板は夜間に目立ちますが、焼き鳥屋の軒先に天井照明があれば、ステンレス製の看板でも目立たせる事ができます。

また、焼き鳥屋の12cmの竹串の場合、業務用の通販では約1kgの箱入りが約800円〜1,500円の価格ですが、100円均一のお店では200本で110円程度です。業務用の通販で30箱購入すると竹串は15,000円程度なので、一度にまとめて購入すると竹串の購入費は抑えられます。

焼き鳥屋の備品は、衛生的に問題ない備品であれば中古品や自作で手に入れる事もできます。特に、メニューやPOP製作は業者にデザインも頼むと高額ですが、インターネットにある無料のテンプレートやツールを使うこともできるので、必要に応じて利用してみましょう。

なお、開業において備品をたくさん買いすぎると、焼き鳥屋の経費が増加するため、事業主の年収が下がる結果となります。焼き鳥屋の開業では備品の他、設備や物件取得費などさまざまな費用がかかるので、すぐに使わない備品は購入しないことも検討してください。

まとめ

焼き鳥屋を開業する際は「厨房で使う備品」「店内を清潔に保つための備品」「焼き鳥屋の入り口に置く備品」などが必要です。備品の中で最も種類が多いのは厨房で使う備品で、アルミホイルや包丁などの備品がおよそ40種類となり、費用の目安は約19万円になります。

座席のある焼き鳥屋の場合、お客様が使う箸や角皿、竹串の他、商品と価格を載せたメニューや雨が降る際の傘立てが必要です。また、キッチンカーで焼き鳥屋を開く場合は、メニューを説明できるPOPや雨を防ぐサイドタープもあると良いでしょう。

お客様が店内に入り、お会計を済ませるまでの流れで備品を考えてみると、開業時に必要な備品を漏れなくリストアップできます。必要な備品は一日の来店客数や売上によっても変わるので、実際に備品を購入する際は焼き鳥屋の立地や予想する来客数も考慮してみましょう。

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この記事の監修者

田原 広一(たはら こういち)

株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者

田原 広一(たはら こういち)

平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。

【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)

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