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不動産鑑定士として開業するときのポイントを解説

不動産業を始めたい人の中には、不動産鑑定士として開業したい人もいますよね。また、不動産鑑定士の資格を活かした事業を考えている人もいるでしょう。 当記事では、不動産鑑定士として開業するときのポイントを解説します。開業後のポイントも解説するため、不動産鑑定士として開業したい人は参考にしてみてください。

まずは開業前のポイントを押さえる

不動産鑑定士として開業する場合、いくつかのポイントがあります。ポイントを押さえておかなければ、開業することが難しくなる可能性もあるため、不動産鑑定士として開業したい人は開業前のポイントを押さえておきましょう。

【開業前のポイント】

  • 資格取得
  • 実務経験
  • 事業内容

開業前のポイントは「資格取得」「実務経験」「事業内容」です。これらのポイントを押さえておかなければ、開業することが難しくなる可能性もあるため、不動産鑑定士として開業したい人はそれぞれの項目を確認してみましょう。

資格取得

開業前のポイントとして挙げられるのは「資格取得」です。不動産鑑定業を営む場合、不動産の鑑定評価に関する法律により、不動産鑑定士の資格が必要になるため、不動産鑑定士の資格を有していない人は不動産鑑定士の資格を取得することになります。

【不動産鑑定士試験の概要】

項目 概要
受験資格 短答式試験:年齢、学歴、国籍、実務経験等に関係なく受験可能
論文式試験:短答式試験合格者
※合格後2年間は「短答式試験免除者」として直接論文試験を受験可能
試験形式 短答式試験(択一式 / 2科目 / 1日間)
論文式試験(論文式 / 5科目 / 3日間)
試験会場 短答式試験:全国10か所
論文式試験:全国3か所
試験日時 短答式試験:例年5月中旬の日曜日
論文式試験:例年8月上旬(日曜日を含む連続3日間)
合格発表 短答式試験:例年6月下旬
論文式試験:例年10月中旬
受験手数料 書面申請:13,000円(論文式試験も含む)
電子申請:12,800円(論文式試験も含む)

不動産鑑定士の資格を取得するには、国土交通省土地鑑定委員会が年一回実施する不動産鑑定士試験に合格する必要があります。不動産鑑定士試験の形式は「短答式試験」と「論文式試験」の2段階に分けられ、難関試験のひとつとして位置付けられています。

不動産鑑定士試験は「不動産に関する行政法規」「不動産の鑑定評価に関する理論」「民法」「経済学」「会計学」から出題され、短答式試験はマークシート方式なのに対し、論文式試験は記述方式となるため、それぞれの対策を講じることになります。

なお、不動産鑑定士試験の合格者は「実務修習」を受けることになります。1年または2年のコースを修了することにより、不動産鑑定士として登録できるため、不動産鑑定士として開業したい人はそれ相応の準備期間が必要になることを留意しておきましょう。

実務経験

開業前のポイントとして挙げられるのは「実務経験」です。不動産鑑定業の実務経験がない場合、それ相応のリスクが伴うため、不動産鑑定業の実務経験がない人は実務経験を積むことから始めることも検討する余地があります。

【不動産鑑定士が活躍する場所】

項目 鑑定士業務の例
一般企業 <不動産業>
・売買や賃貸のための不動産評価
・土地開発のためのコンサルティング
<金融業>
・融資を行うときの不動産評価
・不動産運用を行うときの不動産評価
<コンサルティング業>
・不動産経営に関するコンサルティング
・不動産の有効活用を目的としたコンサルティング
鑑定業者 ・不動産に関する税務相談
・不動産開発に関するコンサルティング

たとえば、一般企業に就職することにより、実践的な鑑定評価を経験できます。企業内鑑定士として活躍できる場所は不動産会社や信託銀行などの鑑定評価に関わる企業が挙げられ、いずれも不動産鑑定業の実務経験を積むことができます。

また、鑑定業者に就職することにより、実践的な鑑定評価を経験できます。不動産鑑定業者として活躍できる場所は鑑定所や研究所などの不動産鑑定業を専門とする業者が挙げられ、いずれも不動産鑑定業の実務経験を積むことができます。

なお、日本不動産鑑定士協会連合会の公式サイトにある「求人情報一覧」には、会員に向けた求人情報が掲載されています。独立することに不安を感じている人は日本不動産鑑定士協会連合会が掲載している求人情報を確認してみることも検討してみましょう。

事業内容

開業前のポイントとして挙げられるのは「事業内容」です。不動産鑑定業を営む場合、中心となるのは土地や建物などの不動産における鑑定評価ですが、不動産鑑定士として開業したい人はその他の関連業務も検討する余地があります。

【不動産鑑定士として開業するときの事業内容】

事業内容 概要
不動産の鑑定評価 ・裁判時における不動産評価
・公共用地の取得における土地評価
・不動産を証券化するときの資産評価
・地価公示や都道府県地価調査における公的土地評価
・相続税評価や固定資産税評価における公的土地評価
コンサルティング ・不動産の有効活用におけるコンサルティング
・不動産の開発計画におけるコンサルティング
調査分析 ・不動産投資における調査分析
・不動産の鑑定評価における調査分析
・不動産の取引価格水準や地代家賃の水準における調査分析
海外物件の評価 ・海外における不動産物件の調査と評価

不動産鑑定士の関連業務として挙げられるのは「コンサルティング」です。土地や建物などの不動産の鑑定評価に関する知識と経験を踏まえ、不動産鑑定士は不動産の有効活用や開発計画の策定などのコンサルティング事業を行うことができます。

また、不動産鑑定士の関連業務として挙げられるのは「調査分析」です。土地や建物などの不動産の鑑定評価に関する知識と経験を踏まえ、不動産鑑定士は不動産の経済価値や不動産の動向調査などの分析事業を行うことができます。

なお、共同経営することにより、事業内容を広げることも可能です。税理士や行政書士などの他分野の有資格者と共同経営することも方法のひとつとなるため、不動産鑑定士として開業したい人は鑑定評価以外の事業内容を含めるかどうかも検討してみましょう。

次は開業後のポイントを押さえる

開業後のポイントを押さえることにより、開業後の経営を軌道に乗せるヒントを得られる可能性があります。とくに、実務経験がない人は開業後の経営を左右するポイントになるため、不動産鑑定士として開業したい人は開業後のポイントも押さえておきましょう。

【開業後のポイント】

  • 人脈づくり
  • 集客方法
  • 独自性

開業後のポイントは「人脈づくり」「集客方法」「独自性」です。これらのポイントは開業後の経営を左右することも考えられるため、不動産鑑定士として開業したい人は開業前に一度、それぞれの項目を確認してみましょう。

人脈づくり

開業後のポイントとして挙げられるのは「人脈づくり」です。不動産鑑定士として開業する場合、人脈づくりは開業後の経営を左右する可能性もあるため、不動産鑑定士として開業したい人は開業後のポイントとして押さえておきましょう。

【人脈を広げられる場の例】

  • 異業種交流会
  • 同業種勉強会

人脈を広げられる場として挙げられるのは「異業種交流会」です。異業種交流会に参加することにより、税理士や行政書士などの不動産鑑定に関連する士業種と出会うきっかけになるため、新しい知識を学びつつ、仕事の紹介につながる可能性があります。

また、人脈を広げられる場として挙げられるのは「同業種勉強会」です。同業種勉強会に参加することにより、同業種となる不動産鑑定士と知り合うきっかけになるため、新しい知識を学びつつ、仕事の紹介につながる可能性があります。

その他には、「日本不動産鑑定士協会連合会」に加入することも検討する余地があります。不動産鑑定士の連携と資質向上を目的とした団体となるため、開業後の人脈づくりを考えるときは日本不動産鑑定士協会連合会に加入することも検討してみましょう。

集客方法

開業後のポイントとして挙げられるのは「集客方法」です。不動産鑑定士として開業する場合、集客方法は開業後の経営を左右する可能性もあるため、不動産鑑定士として開業したい人は開業後のポイントとして押さえておきましょう。

【集客方法の例】

  • ホームページやSNSの活用
  • セミナーや無料相談会の開催

集客方法として挙げられるのは「ホームページやSNSの活用」です。ホームページやSNSを活用することにより、不動産の鑑定評価を依頼したい人に向けた情報を発信することができるため、集客方法のひとつとして検討する余地があります。

また、集客方法として挙げられるのは「セミナーや無料相談会の開催」です。セミナーや無料相談会を開催することにより、不動産の鑑定評価を依頼したい人に向けた情報を発信することができるため、集客方法のひとつとして検討する余地があります。

なお、集客方法を考えるときは複数の集客方法を試してみてください。ひとつの集客方法に絞るのではなく、複数の集客方法を組み合わせることにより、効果を発揮する可能性もあるため、不動産鑑定士として開業したい人は複数の集客方法を検討してみましょう。

独自性

開業のポイントとして挙げられるのは「独自性」です。不動産鑑定士として開業する場合、独自性は開業後の経営を左右する可能性もあるため、不動産鑑定士として開業したい人は開業後のポイントとして押さえておきましょう。

【独自性を持たせる例】

  • 不動産以外の分野に強くなる
  • 所縁のある地域を開業場所にする

たとえば、不動産以外の分野に強くなることにより、独自性を持たせられる可能性があります。相続に関する案件や訴訟に関する案件など、不動産以外の分野に強くなることにより、競合他社との差別化を図ることができるかもしれません。

また、所縁のある地域を開業場所にすることにより、独自性を持たせられる可能性があります。住み慣れた地域や慣れ親しんだ地域など、所縁のある地域を開業場所にすることにより、競合他社との差別化を図ることができるかもしれません。

その他には、不動産鑑定士以外の資格を取得する方法もあります。宅地建物取引士や土地家屋調査士などの資格を取得することにより、競合他社との差別化につながる可能性もあるため、不動産鑑定士として開業したい人はその他の資格も検討してみましょう。

まとめ

不動産鑑定士として開業する場合、いくつかのポイントがあります。ポイントを押さえておかなければ、開業することが難しくなる可能性もあるため、不動産鑑定士として開業したい人は開業前のポイントを確認してみてください。

また、開業後のポイントを押さえることにより、開業後の経営を軌道に乗せるヒントを得られる可能性があります。とくに、実務経験がない人は開業後の経営を左右することもあるため、不動産鑑定士として開業したい人は開業後のポイントも押さえておきましょう。

なお、日本不動産鑑定士協会連合会の公式サイトにある「求人情報一覧」には、会員に向けた求人情報が掲載されています。独立することに不安を感じている人は日本不動産鑑定士協会連合会が掲載している求人情報を確認してみることも検討してみてください。

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この記事の監修者

田原 広一(たはら こういち)

株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者

田原 広一(たはら こういち)

平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。

【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)

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