病院を開業しよう!診療科目別の開業までの流れと必要資金とは | 開業支援の相談なら「開業支援ガイド」

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病院を開業しよう!診療科目別の開業までの流れと必要資金とは

人の生命を扱う病院は人々の生活に欠かせない存在であります。「自分自身で人々を助けたい」と思い開業したいと考えている医師もいると思いますが、実は病院を開業するといっても扱うものによって用意する資金や機器・準備が大きく変わってきます。

今回は診療科別の開業に関する資金やポイントについて解説します!

病院開業を考える際のポイント

開業の計画(半年~1年以上前から)

いつまでに開業するかを決める

まずはゴールを決めておくことで、具体的に計画が立てやすくなります。

家族や親族の同意をもらう

借入を行う場合は第三者の保証人、テナントで開業する場合は連帯保証人が必要となるため、家族の同意が必要です!また病院を経営する上でどのくらい協力してもらえるか(事務など)を確認しておきましょう

開業のリアルについて知る

開業のリアルについて知るためには、知り合いの開業した医師の方に聞くのが一番です!もし知り合いに開業した医師の方がいない場合は、インターネットでも医院開業を取り扱っているサイトがあるので、そこで開業や経営についての情報収集をする事も出来ます。

ただし、サイトの中には、高額な相談料を請求してくるサイトも存在するため、気を付けましょう。

どんな病院にするかを決める

「どんな診察・治療をするのか」「どのくらいの病院の規模にするのか」「どんな医療機器が必要か」を決めます。なかなか決まらない場合は「やりたくないこと」「必要でないこと・もの」について考えると、どんな病院にしたいかが明確になりやすくなります。

開業場所を決める

実際に開業したいと考えている土地・物件を見に行き、さらにその土地の特徴(交通・年齢層・建物など)やライバルとなるクリニックについてしっかりと調べ大体の患者様の外来数を予想しましょう。また、参考として診療研調査を依頼するのも一つの手です。

 

診療科目別!病院開業するためのポイント

内科

内科として病院を開業する場合は、一般内科・総合内科として開業することが多いです。さらに、子供からお年寄り・他の病気を持っている方など様々な患者様が訪れやすいところでもあります。開業前にどんなことを診療するか・診察したくない(診療しない)のかをはっきり決めておくことが大切です!また在宅医療を行いたいと考えている方は、自身が無理せず、しっかりとした在宅医療の体制が出来るように計画しましょう。

消火器や呼吸器などの専門内科として開業する場合は、診察に必要な機器や設備を揃えるだけでなく、多くの人にそれぞれの専門内科はどんなものを取り扱っているのか知ってもらう必要があります。そのためにも、ホームページやチラシを作成する場合は分かりやすい言葉と図で説明することが大切です。また集客するために、地域や他の病院と連携し患者様を紹介してもらえるようにするといった工夫もすると良いでしょう。

皮膚科

皮膚科は幅広い年齢層が来やすい項目でもあるので、あらかじめターゲットを絞るのも良いです。そのためにも、地域の特色(子供が多い地域かお年寄りが多い地域か、交通量など)をしっかり調査する必要があります。

また皮膚科は診療単価が低いので、「一人でも多くの患者様を見る」効率重視のシステムを作ることが成功の秘訣です。例えば駅前などの人通りが多い・交通アクセスの良い場所に病院を設立する、電話などを使用した来院予約・順番のお知らせが出来るシステムを導入するなど、受付から会計までをスムーズに出来るようにしましょう。

眼科

眼科は診察や治療内容によってコストが大きく変わる(特に医療器械)ので、あらかじめ「どんな診療をするのか」「手術も行うのか・行わないのか」をはっきり決めておくことで無駄なコストを防ぐことが出来ます。

中高齢者の多い地域では眼科の需要が高いので、施設はバリアフリー仕様にする、坂が少ない等、歩きやすく行きやすい場所に病院を設立するようにしましょう。若者なども多く住んでいるような地域では、近場に眼鏡やコンタクトレンズショップがあるところに病院を建てる、もしくは病院と併設するよう提携すると効果的でしょう。

耳鼻咽頭科

耳鼻科は患者様自身が見えないところを診察することが多いので、患者様を安心させる・分かりやすい診察にするためにもカメラやモニターなどの機械を用意することが多いです。それに加え、特に花粉症のことも考え待合室に空気清浄機を設置すると、患者様は快適に過ごすことが出来るでしょう。また幅広い年代のかたが来院するため来院予約・順番のお知らせシステムを導入するのも良いです!ただし、来院予約・順番のお知らせシステムは患者様の年齢層に合わせて、番号札や電話・インターネットなどどれにするか決めましょう。

産婦人科(分娩なし)

産婦人科の場合患者様の多くは女性であるので、女性が通いやすい・安心できるような病院づくりが重要です。例えば女性医師である場合は、宣伝時に顔写真をつけるだけでも効果的です。男性医師である場合も、宣伝時に病院の内装や診療内容・特徴を患者様がわかりやすく、安心できるように説明するようにしましょう。

産婦人科は差別化が図りにくい分野でもあるので、特に近隣のライバルとなる産婦人科病院にない・負けないような特徴がある場合はどんどんアピールしましょう!

小児科

親御さんのストレスや病院内での感染リスクを少なくするためにも、インターネットで来院予約・順番のお知らせが出来るシステムを入れると良いです。また建物について、車や自転車を交通手段として利用する親御さんが多いので、広くて止めやすい駐車スペースがあると来院しやすくなります。「清潔」について敏感な親御さんが多いので、イスや壁はもちろん、おもちゃやスリッパなど子供が触れるもの全ての除菌を徹底するようにする必要があります。

整形外科

整形外科には足腰に痛みを抱える方が訪れることが多いので、都心部では駅に近い・階段が無い良い物件であると良いです。もしも建物に階段がある場合は、車いすも入れるエレベーターが付いているなどバリアフリーに対応した物件であるかどうかを基準に選びましょう。車が移動手段であるようなところは、車で通いやすい・駐車スペースが広いところが良いです。

整形外科は、理学療法士や放射線技師・医療事務などの人件費やX線に関する機器・電子カルテを共有するための機器やシステムが必要となるため、他と比べ開業するための資金が多く必要となります。そのため、開業時は必要最低限の機器を揃えるぐらいにし、開業して必要あれば新しい機器を導入するスタイルにすると無駄なコストは抑えられます。

心療内科と精神科

心療内科・精神科はプライバシーを気にする患者様が多いので、病院はアクセスが良いが人目につかないようなところ(駅に近いがビルの2.3階以上など)に設立するとよいでしょう。心療内科や精神科は他と比べ必要な機器が少ないですが、待合室に仕切りパネスを設置するなど患者様のプライバシーに配慮した造りと対応、患者様に対するカウンセリングや支援をするための臨床心理士などを書類作成のことも考え、十分に揃えるようにしましょう。

 

まとめ

今回紹介したポイントの後に、開業するための申請届出を行い、スタッフの採用、宣伝広告を行います!

どの診療科目でも大事になる事は、患者様のことを考えた病院づくりです!もし今回の記事を見て、本格的に病院開業したい・開業資金について相談したいと考えている方がいましたら、ぜひ専門家に相談しましょう!

この記事の監修者

田原 広一(たはら こういち)

株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者

田原 広一(たはら こういち)

平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。

【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)

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