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学習塾運営の費用・運営システム・運営スタッフの集め方とは?
6~18歳人口は減少していますが、難関校を狙う市場は一定規模を維持しています。
この記事では、学習塾を運営したいあなたにその費用・運営システム・運営スタッフの集め方をご紹介します。
教育産業全体の中での学習塾の立ち位置とは?
ある調査機関での2016年の教育産業全体の市場は前年比を微増し2兆5,100万円を記録しています。教育産業は学習塾を含め資格取得学校・英会話学校・企業向け研修サービスなどを含めた全12分野。その中で前年を超える伸びを見せたのは、その半数である学習塾を含めた7分野となりました。
【現在、好調の教育産業の7分野】
- 学習塾・予備校
- 資格取得学校
- 資格検定試験サービス
- 英会話・語学学校
- 企業向け研修サービス
- e-ラーニング
- 幼児向け英語教材
学習塾の売上は2013年頃から9,300~9,600億円を推移しています。しかし、学習塾だからといってすべての学習塾が好調なわけではなく個人差があります。差別化を徹底して成功した学習塾もあれば、競合他社に顧客をとられて廃業する学習塾も少なくありません。
そう、学習塾経営で生き抜くには個別の特徴を練り戦略的に顧客にアピールしなければいけません。
学習塾経営の運営費用はいくら?
学習塾は幼児向け~小学生向け、小学生~高校生まで大きく分けて2パターンあります。いずれの場合でも、以下のような初期費用が発生します。
【初期費用(一時金)】
- 物件取得費(不動産仲介手数料1か月分・敷礼金2~3か月分)前家賃1か月分)
→家賃10万円の場合は40~50万円
- 備品購入費用(机・椅子・ホワイトボード・棚・PC・プリンター・問題集や関連雑誌等)
→30~40万円
- 通信費(WiFi設定費用、固定IP電話設定費用)
→機器レンタルで初期費用50,000円、電話加入権+初回工事費用50,000円
- 広告宣伝費(チラシデザイン+印刷費用、webサイト作成費用、ティッシュ作成費用など)
→チラシ1万部で55,000円、Webサイト40万円ティッシュ1,000個の場合10,000円
計:146万5,000円
電話の初期費用はインターネット回線と同時加入でほぼ無料に割引してくれますし、備品は大塚商会など経営支援サービス会社を通せば広告宣伝などとセットにすればもっと安くなる可能性もあります。
【運転費用(月額)】
- 物件維持費(家賃):月額10~30万円※敷地や場所による
- 講師費用(大卒):一人20~26万円前後。3名雇用で75万円ぐらい
- 光熱費:4~6万円
- 労働保険(9.5%):67,500円
- 諸経費:3万円
計:110万円
運転費用は家賃20万円、大卒講師給与25万円×3名で計算していますので、状況により運転資金費用は前後します。この中で一番大きいのは人件費です。月額ではなく、多くの学習塾では塾講師アルバイトを採用しています。塾講師アルバイトは飲食店のスタッフよりも時給は高めで、1授業2,000円~3,000円が相場です。
経営者としては、これらの経費を毎月上回る人数の生徒をコンスタントに集めなければいけません。ちなみに、生徒の支払う料金相場(年額)については小学生~高校生以下のようになっています。
こちらは平成28年度の文部科学省の「子供の学習費調査」を参考にグラフ化したものです。約半数は塾に行かせず、反面、年間40万円以上(月額33,000円以上)は5世帯に1世帯以上存在します。年間10~20万円(月額16,000円以内)の費用のご家庭がもっとも多いようです。
小学生は1~2年生の低学年、3~4年生の中学年、5~6年生の高学年という節目で通いだす方も多いですが、最も費用が安いのは低学年で年額6~7万円程度(公立+私立)。高学年での公立と私立の差は激しく、私立中学受験をするご家庭では小学6年生で年額40万円が平均なのに対し、公立の小学6年生では平均年額11万円と30万円以上の差があります。
中学生になると、6割以上は塾通いしています。塾通いをしなくても学校で補講などを充実させている私立中学の世帯も含んでいますので、実際は8割近くのご家庭が何らかの学習塾に通わせているとみてもよいでしょう。 中学生の場合、1年生では年額10~12万円ですが、2年生で年額15万円、3年生で年額20万円と学年により塾の費用も変化しています。
高校生になると、中学生の頃より塾通いの年額が少し増えます。高校1年生で6万円前後、高校2年生で10万円、こうこう3年生では15~16万円です。(公立+私立)
学習塾の運営システムとは?
生徒が5名以内などの副業レベルであれば手書きノートや月謝袋とエクセルでの管理で充分です。しかし、生徒数が増えてくれば一人で全てを管理するのは不可能となります。
学習塾では多くの場合生徒管理システム(CRM)を採用しています。生徒の出欠席はもちろん、振替について、テストの点数、面談時の内容、講師からのコメントなどを一括して管理できるシステムで、大手の場合は自社システムを持っています。
※上記URLをクリックすると、他社ページにリンクします
個人経営の学習塾の場合、独自のシステムを開発する費用は負担になりますので、上記のようなクラウドの生徒管理システムを月額で利用した方がてっとり早いでしょう。
運営スタッフはどう集める?
学習塾の講師はできれば経験者が望ましいですが、運営スタッフであればIndeedなどの無料で掲載できるアルバイト求人サイトを利用しても良い人材は集められます。元事務職の子育て中の主婦や大卒のフリーターなどで明るく感じの良い受付対応のできる人を採用しましょう。
また、以前学習塾で働いていた方はその時の運営スタッフに声をかけてみることもできます。
まとめ
学習塾の運営費用は講師3名でひと月140万円ほどです。学習塾は業界的に順調な伸びのある分野ですが、油断はできません。
開業前には競合に勝つための特徴的なシステムや実績をよく練り、アピールすることが重要です。
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この記事の監修者
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
田原 広一(たはら こういち)
平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。
【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)
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