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移動販売業を開始するために必要なものとは?
初期費用が多額な店舗経営ではなく、「移動販売」というスタイルで開業したいと考えている経営者も少なくありません。様々なイベントや公園などで出店できるので、やり方次第では大きな利益を生み出すことができます。
開業資金が少額で始めやすい
まず移動販売を行うことの最大のメリットは、開業資金が少なくて済むという点です。
例えば、小規模なカフェであっても店舗をかまえて開業しようと思ったら、物件の保証金や賃料、改修費・内装費など数千万円ほどの開業資金が必要となります。
開業資金が高額になるため、日本政策金融公庫などから融資を受け資金調達する方もいらっしゃるでしょう。
借入金額が高額か少額かに関わらず、融資の成功確率を上げるには自己資金や開業する業種の職務経験などが重要です。
大体、融資を希望する金額の3分の1の自己資金を用意したほうがいいと言われています。
しかし、移動販売の場合100~200万円程度で開業でき、営業車など購入しても400万円以内での開業が可能です。
つまり、店舗型経営の5分の1程度の資金さえ用意できれば、開業できます。
事業を始めたいけど資金調達ってどうすればいいのかわからないなど、資金調達で困ったらまずは認定支援機関に相談してみましょう。
移動して販路拡大ができる
販売業やサービス業では、立地がビジネスの成功に大きく影響します。
これに対して移動販売の場合には、移動することが可能なので「立地」に大きな影響を受けずに販路拡大が可能です。
実際、移動販売では人通りがあり売り上げが伸びそうな場所に移動したり、時間帯や季節によって出店場所を変えたりすることができるのもメリットのひとつです。
また移動することで新規顧客の開拓も期待できます。
営業許可は二種類ある
営業許可を取得しないとそもそも営業ができません。
移動販売の営業許可には「食品営業自動車」と「食品移動自動車」の二種類があります。
食品営業自動車
車内で食品加工を行なうことはできますが、生ものを扱うことは出来ません。
食品営業自動車でできる業態は、飲食店営業や喫茶店営業、菓子製造業などをイメージしてください。
ケバブやクレープなどの販売はこちらに該当します。
食品移動販売車
あらかじめ包装された商品や加工された食品の販売だけを行うことできます。
食品移動販売車でできる業態は、食肉販売業や食品販売業、乳類販売業などをイメージしてください。
下記の記事でも移動販売業を起業する前に準備すべき項目を詳しく解説しておりますので、参照してください。
移動販売業の成功ポイント
「自分のお店を持ちたい」と考えているのであれば、少ない開業資金で始められてリスクが低い移動販売車がおすすめですが、工夫や対策など経営者として努力をしなければ成功することはありません。
情報収集
出店場所の情報やターゲットの情報、イベントの情報など様々な情報を入手し、営業を行う必要があります。
例えば、夏に風が強いお台場や豊洲などでかき氷の移動販売をしても、お客様は「風が強く食べにくい」や「かき氷が飛んできて汚れる」などの理由から暑くても購入しないケースがあります。
このように出店する場所でどのような商品が売れるのかなど、事前に情報収集することでより効率的に利益を上げることができます。
商品
移動販売は季節やお客様のリクエストによってお弁当やたこ焼き、ハンバーガー、クレープなど臨機応変に商品の変更が可能であるのが、移動販売の強みでもあります。
しかし、販売する商品をコロコロと変えていると「このお店にはこれだ!」という商品がなく、お客様に認知してもらえない点がデメリットとして挙げられます。
収入が不安定になり、最悪お店を続けられなくなる可能性も・・・。
決して、季節に合わせて商品を用意するなと言っているわけではありませんが、何か突出した商品やお店の看板メニューになる商品を販売することで安定した経営が望めるようになります。
SNS
移動販売を始めたら必ずFacebookやTwitter、Instagramのページを作りましょう。
イベントの画像や動画などを投稿することでユーザーとコミュニケーションが取れます。
コツコツと投稿することで、宣伝効果が高まり集客にも繋がっていきます。
また、「インスタ映え」という言葉が流行っているように、よりデザイン性や話題性のあるモノや場所はSNS上で拡散されやすく、多くのユーザーに届けることができます。
例えば、
・デザイン性のある車両にする
・海外のアイスクリーム屋さんのように派手に音楽を流しながら、異文化感を演出する
・目を引くようなメニューを製作する など
思わずお客様がSNSに投稿したくなるような販売戦略を立てることで、経営する移動販売車が認知されるようになり、お客様が遠方からでも足を運んでくれたりします。
出店場所
許可さえ下りればどこでも営業ができますが、人が集まらない場所に出店しても売上は立ちません。
では、どのような場所に出店するのがいいのでしょうか。
【キッチンカーの出店場所の例】
- スーパーやショッピングモールの駐車場
- オフィス街(お弁当などが有効)
- 国立公園や大きな公園付近
- イベントやフェスティバルの会場
取り扱っている商品のことも考えた上で人が集まる場所に出店しましょう。
また、各オーナーや施設やイベントの主催者などに気に入られることで、許可の申請が通りやすくなるなど優遇されるようになります。
抑えたコストを有効活用
初期費用が抑えられる移動販売業ですが、抑えられた分のコストを無駄にするのではなくお客様のために有効活用しましょう。
お客様がすぐに食事ができるようにテーブルや椅子を充実させたり、子供が喜ぶようなおもちゃをプレゼントしたり、お客様を第一に考え行動したことは結果、利益という形で反映されます。
お客様の気持ちになって何が最善か経営者として考えてみましょう。
まとめ
移動販売はお客さんのところに出向き、喜ぶ姿を身近に感じることができるので、とてもやりがいを感じやすい仕事だと思います。
今後、「移動販売」という形態で新しいことに挑戦したいと考えているのであれば、追加融資のサポートをしてくれる認定支援機関にご相談ください。
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この記事の監修者
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
田原 広一(たはら こういち)
平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。
【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)
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