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介護事業の起業が失敗しやすい理由とは?
介護事業の起業を考えている人の中には、どういった原因で失敗してしまうのかを知りたい人もいますよね。当記事では、介護事業を起業しても失敗してしまう理由を解説します。
介護事業者の倒産の現状
介護事業で倒産してしまう主な原因としては、人手不足や介護報酬制度の改定、業者間の競争激化などがあげられます。
そのような外部環境の要因から、資金力や経営力が不足している介護事業者の生き残りが厳しくなっているようです。従業員数の点から見ると、倒産件数のうち80%が従業員数10人未満、60%が5人未満となっております。
つまり、介護事業者の倒産のほとんどが小規模な業者であるといえます。
介護事業者の倒産原因
介護事業は国による制約があり、事業を行うにも知識が必要です。失敗する原因がいくつかありますので、介護事業の起業を検討している人は参考にしてみてください。
【介護事業の主な倒産原因】
- 人手不足
- 介護報酬制度の改定
- 知識不足
人手不足
介護業界として慢性的な人手不足があげられます。ベッドはあるのに介護する従業員がいないため、要介護者を受け入れることができない場合があります。
人手不足に陥った介護施設は、事業を続けていくことができなくなり、結果として倒産してしまいます。
施設が倒産したら被介護者は別の介護施設へと移りますが、他の介護施設でも人手不足になっている場合があります。
介護報酬制度の改定
介護施設の倒産件数のうち、訪問介護事業が40%を占めています。つまり、普通の施設型の介護業者だけでなく、訪問介護業者の経営も厳しくなっているようです。
その原因として、訪問介護への介護報酬の引き下げがあります。
介護報酬とは、介護事業者に国から保険で支払われる報酬のことです。介護業者の収入の9割は介護報酬から支払われるため、介護報酬の減額は介護施設にとって痛手となります。
知識不足
介護事業は、業者の意思とは関係のないところで報酬が決められるだけでなく、事業を運営するにあたってもいくつもの制約や困難があります。
介護施設を設立するには、老人福祉法などさまざまな法令によって定められている建築基準や人員配置基準、運営基準を満たす必要があるため、初期費用が高くなってしまうことがあります。こういった業界に関する情報を把握せずに起業してしまうと失敗する可能性があります。
また、介護職に携わるには、介護に関する高度な知識・スキル、施設運営にあたってのマネジメント能力も必要です。
介護施設では、常に被介護者が嫌な思いをしないように常に気を付けなければありません。被介護者が施設に対して不満を持てば、他の施設へと移ってしまう場合があります。
介護に関する知識が不十分であるまま介護事業を始めてしまうと、倒産してしまうおそれがあります。
まとめ
介護事業は、事業運営にあたって法律上の制約があります。また、介護業界として人手不足の問題もあります。
しかし、そのような介護事業の難しさを認識せずに介護業者として起業してしまう場合があります。
介護事業は難しい仕事ですが、人を直接助けるためにやりがいも大きい仕事です。
介護事業の起業を考えている人は、この機会にもう一度起業の準備ができているのか、失敗するリスクを認識できているかなどを確認したうえで、起業するようにしましょう。
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この記事の監修者
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
田原 広一(たはら こういち)
平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。
【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)
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